【注目2歳馬】メンバー唯一の上がり34秒台で好タイムをマーク ヘンリーバローズ産駒ジェットマグナム

三木俊幸

7月7日の注目2歳馬ジェットマグナム,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

1000m通過1:01.4、4番手の外を追走

七夕賞当日の福島競馬場に向かうため、福島駅東口のターミナルに設置されていた温度計を見ると、朝8時台にもかかわらず33℃と表示されていた。人馬ともに体力が消耗する暑さの中で新馬戦2レースが組まれていたが、今回は芝2000m戦を戸崎圭太騎手とのコンビで勝利したヘンリーバローズ産駒のジェットマグナムをピックアップする。

父ヘンリーバローズはシルバーステートの全弟。現役時代に新馬戦でワグネリアンのハナ差2着になるなど将来を期待されるも、脚部不安で2戦1勝で引退した。今年の2歳が2世代目でJRAの新馬戦としてはこれが初勝利。今年の4月に産駒初勝利をあげたジェットブレイクはジェットマグナムの全兄で、種付け料もリーズナブルな血統ながら兄弟での勝ち上がりとなった。

デビュー戦の馬体重は474kg、五分のスタートを切ってスタンド前から1角までは5番手を追走。2角から向正面に入ったところで4番手の外に1つポジションを押し上げた。勝負所では外から徐々に進出を開始すると、ゴール前で逃げ粘っていたリトルジャイアンツを差し切るという内容だった。

そのリトルジャイアンツが1000m通過1:01.4と新馬戦としては速いペースで淀みなく逃げ、ラスト11.6-11.8とやや減速したなかで、ジェットマグナムは唯一の上がり3F34秒台の34.7でまとめた。勝ちタイムは2:01.2という好タイム。戸崎騎手からはゴール前で交わせるという余裕も感じた。

調教でも目立った動きをみせる馬が少なかったなか、栗東CWコースで2週に渡って6F82秒台をマーク。関西からただ一頭遠征しての出走でしっかりと結果を残した。メンバーレベルについては疑問符がつくが、ここでは力が違った印象。次走以降、さらに強い相手と戦ってどこまでやれるのか注目したい。

7月7日新馬戦勝利のジェットマグナムの能力値,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


アドマイヤマーズ産駒が3勝と活躍

その他では先週末は新種牡馬のアドマイヤマーズ産駒が3勝と活躍が目立った。6日(土)の小倉2Rに組まれた芝1800mの未勝利戦をジャルディニエが制し、産駒初勝利。その後、福島5R芝1800mの新馬戦ではマーズオデッセイが2番手追走から抜け出し、新馬戦初勝利をマーク。さらに翌日の福島6R芝1200mの新馬戦でもセイウンビッグバンが固まった前3頭を見ながら4番手を追走し、直線大外から差し切った。

マーズオデッセイ,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

セイウンビッグバン,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


アドマイヤマーズ産駒は頭数が決して多くはないが、新馬戦で敗れた馬にも素質の片鱗を見せたエンブロイダリーがいる。さらに14日(日)の小倉芝2000mの新馬戦ではグティもデビューを予定している。この先の夏競馬でも産駒の活躍が期待できそうだ。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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