【七夕賞】差し馬はメンバー屈指の末脚あればチャンスあり 東大HCの本命はキングズパレス

東大ホースメンクラブ

七夕賞の脚質別成績(過去10年)

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7月7日の七夕賞

日曜日、福島競馬場でGⅢ・七夕賞が行われる。今年は文字通り7月7日に行われるこのレースに、新潟大賞典2着キングズパレス、同条件で行われた福島民報杯の勝ち馬リフレーミング、2着ボーンディスウェイなど15頭が出走予定だ。

過去10年で馬連の平均配当は6,843円、3連単の平均配当は44万円を超えており、昨年も2着に9番人気、3着に13番人気というヒモ荒れとなった。今年も波乱は起きるのか。過去10年のデータから考察する。

基本はヒモ荒れ傾向

七夕賞、人気別成績,ⒸSPAIA


<七夕賞 人気別成績>
1〜3人気【7-2-2-19】勝率23.3%/連対率30.0%/複勝率36.7%
4~5人気【1-3-0-16】勝率5.0%/連対率20.0%/複勝率20.0%
6〜9人気【1-4-3-32】勝率2.5%/連対率12.5%/複勝率20.0%
10人気~【1-1-5-55】勝率1.6%/勝率3.2%/複勝率11.3%

まず人気別成績からチェックしよう。荒れるレースとは言うものの、3番人気以内で7勝、連対率は3割。悪くない成績であり、あくまでも軸は人気馬で考えたい。3番人気以内のうち前走GⅢ組は【5-0-1-7】。人気を集めるであろうリフレーミングやキングズパレスは信用できそうだ。

対する2桁人気は4歳馬が【0-0-0-5】、5歳馬も【0-1-0-11】と振るわない。高齢馬が中心で、6歳【0-0-5-13】複勝回収率505%、7歳以上は好走1例だけだが、18年にメドウラークが11番人気で勝利した。今年2桁人気想定の高齢馬はノースザワールド、バビット、アラタあたりがいる。

差し馬は2、3着候補として優秀

七夕賞、脚質別成績,ⒸSPAIA


<七夕賞 脚質別成績>
逃げ【1-1-0-8】勝率10.0%/連対率20.0%/複勝率20.0%
先行【7-3-4-21】勝率20.0%/連対率28.6%/複勝率40.0%
差し【2-6-6-47】勝率3.3%/連対率13.1%/複勝率23.0%
追込【0-0-0-45】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%
マクリ【0-0-0-1】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%

脚質別成績をチェックすると、やはり逃げ先行馬が強い。勝ち馬10頭のうち8頭が4角を4番手以内で運んでおり、前につけられる馬に有利なレースと言える。ただし前走逃げた馬の成績は【1-0-0-14】。好走例は昨年のセイウンハーデスのみで、七夕賞では逃げなかった。そもそも前走と七夕賞でともに逃げた馬は4頭しかおらず、前走の通過順だけで戦法を判断するのは難しい。なお枠順で見ると、七夕賞で逃げた馬10頭のうち7頭が3枠以内で内枠の方が逃げやすい。前走逃げた馬のセイウンプラチナ、バビットはどちらも人気薄が想定され、どちらも外枠に入った。3枠のレッドラディエンスがハナを取る可能性も少し考えておきたい。

先行した馬について考える。前走差し【2-1-1-4】、前走追込【1-0-1-2】と、後方脚質から先行に転じた馬の好走が目立つ。枠順で見ると6~8枠が5勝、6番人気以下でも【1-1-1-3】と外枠有利となっている。外枠の先行馬、あるいは前走は後ろから行った馬でも前につける可能性があれば注意したい。

差しは勝率3.3%と勝ち切れていないものの、2、3着には計12頭が入り、複勝率は23.0%とまずまず。前走上がり3ハロン3位以内なら【1-4-4-6】で複勝率は6割まで跳ね上がる。差し馬の筆頭格であるキングズパレスはこの条件に該当している。

追込は45頭が全滅。4番人気以内の9頭も含めて結果が出ておらず、今年もノーチャンスと考える。後方一辺倒の馬は大きく評価を下げたい。ここ2戦で4角13、14番手だったリフレーミングにとって高い壁となりそうだ。

前走の悔しさを晴らして初重賞制覇へ

◎キングズパレス
直近の11走で掲示板を外していない。3勝クラス勝ち上がりに7戦を要したものの、全て勝ち馬との差は0秒2以下と僅差であり、実力不足ではない。2走前の美浦Sで勝ち上がると、前走の新潟大賞典は久しぶりの重賞挑戦ながら、勝ち馬とタイム差なしの2着。直近レースの充実度ではメンバートップクラス。にもかかわらず斤量57kgのハンデで済んだことも大きく、この舞台でも大崩れはない。

◯レッドラディエンス
新馬戦を除いて10戦連続馬券圏内と安定感ではキングズパレスをも上回る。2走前は半年ぶりのレースだったものの逃げ切り勝ち。前走はバトルボーンに逃げ切られて2着だったものの、OPクラスでも通用する実力は見せた。ここ2戦は少頭数で15頭立ての今回は内枠からどう立ち回るかが課題となる。しかし、鞍上は過去10年で七夕賞3勝の戸崎騎手。上手くエスコートしてくれると考え、対抗とした。

▲ボーンディスウェイ
4走前に3勝クラスを突破すると、昇級戦の中山金杯を4着。中山記念は10着と大敗したものの、福島民報杯では勝ち馬とクビ差の2着と健闘。リフレーミングとは当時同斤量だったが、今回はこちらが1kg軽くなる。ただし週末の福島は雨予報。この馬は未勝利戦を除くと稍重以下の3戦全て着外。馬場が渋ってパフォーマンスを下げる可能性を考慮し、3番手とする。

△フェーングロッテン
昨年は中山金杯、金鯱賞、鳴尾記念で逃げて3連続馬券圏内。ボッケリーニ、プログノーシスらと接戦を演じた実力馬であり、昨年の七夕賞でも3番人気に推されていた。そこから3連続2桁着順と大敗が続いたが、去勢明けの小倉大賞典で1000m通過57秒2のペースを番手先行して5着に粘りこんだ。大敗時は先行策すら取れなかったことを考えると前進といえる。今回は外枠を引き、本来の先行策なら好走データにも合致する。5か月ぶりのレースでも押さえておきたい。

以下リフレーミング、バビットまで印を回す。馬券は◎◯-◎◯▲-6頭の3連複で勝負する。

▽七夕賞予想▽
◎キングズパレス
◯レッドラディエンス
▲ボーンディスウェイ
△フェーングロッテン
×リフレーミング
×バビット

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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