【注目2歳馬】タワーオブロンドン産駒レイピアが逃げ切りV 同日1勝クラスを上回る1:08.2の好タイムを記録
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
スピードの違いでハナへ
今年は4週間と短い夏の小倉開催がスタートした。オープニングレースとなった芝1200mの2歳未勝利戦は松山弘平騎手騎乗のレイピアが勝利。新種牡馬のタワーオブロンドン産駒にとっても、これがJRAでの初勝利となった。
五分のスタートからすぐにハナを奪うと、松山騎手はピッタリと2番手につけたタガノサダフに目をやりつつも楽な手応えでスピードの違いをみせる。前半600mまで11.8-10.6-11.0(33.4)というハイペースを刻み、直線へ。軽く仕掛けられただけで後続を突き放し、最後は余裕十分で2馬身半差をつけた。
週中はスッキリしない天気が続いて木曜日には29.5mm、金曜日に4.0mm、そしてレース当日の土曜日朝8時時点までに0.5mmの雨が降り、良馬場発表ながら適度に水分を含みクッションがきいた馬場状態。2回小倉開催終了後にインコースの芝が張り替えられたこと、開幕週らしく先行馬が残りやすい傾向もあったにせよ、1:08.2の速い勝ちタイムで決着した。
このレースの後に3Rに行われた3歳未勝利戦は、11.7-10.2-10.8(32.7)と1Rを上回るハイペースで流れたが勝ちタイムは1:08.5。12Rの3歳以上1勝クラス戦は11.8-10.9-11.4(34.1)というペースで1:09.0。これらと比較しても、レイピアの内容は評価していい。
今回は逃げる形になったが、これはスピード能力の違いで結果的にそうなったものであり、新馬戦のように好位に控える競馬になっても問題ないとみる。1400mまでの短距離路線での活躍が期待できそうだ。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
九州産馬限定の新馬戦はアレスバローズ産駒が活躍
同じく29日の5Rには小倉開催の名物レースと言ってもいい九州産馬限定の新馬戦が組まれた。
14頭が出走した芝1200m戦は、田口貫太騎手騎乗のエイヨーアメジストが勝利。抜群のスタートから楽に逃げ、12.1-10.8-11.2(34.1)で前半600mを通過。4角から直線に向く時点でも、ただ一頭手応え抜群でそのまま後続に9馬身差、勝ちタイム1:09.8で決着した。3回小倉開催の最終週に組まれているひまわり賞(九州産馬限定戦)に出走することがあれば、有力候補になるだろう。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
父は現役時代にCBC賞と北九州記念を制し、2018年のサマースプリントシリーズ王者となったアレスバローズ。初年度産駒はJRAでの出走がなく、2世代目にして初勝利。2着だったナンシヨウトも同じくアレスバローズ産駒だった。
さらに、翌日の九州産馬限定の新馬戦でも、ケイテンアイジンが長島まなみ騎手を背に3番手追走から勝利と、産駒たちが素晴らしい活躍をみせてくれた。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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