【帝王賞】3番手追走からキングズソードが勝利 藤岡佑介騎手「待たないでスパートしようと考えながら騎乗した」
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
「3番手あわよくば2番手のイメージ」
上半期のダートチャンピオンを決める一戦、帝王賞は3番人気のキングズソードが勝利。昨秋のJBCクラシックに続き、大井競馬場のダート2000mで2つ目のビッグタイトル獲得した。
鞍上には2022年1月、中山でのデビュー戦を勝利して以来のコンビ結成となった藤岡佑介騎手。レース前に「先行したいと先生とも話をしていて、モレイラジョッキーで勝った時をイメージしながら、できれば3番手、あわよくば2番手のイメージでした」と作戦について振り返った。
その言葉どおり、スタートしてからは内の各馬の様子を何度も窺いながら3番手の外を確保した。逃げたライトウォーリアが刻んだラップは12.3-11.9-12.7-14.0-12.9、1000mの通過は1:03.8というスローペースだったが、これも藤岡騎手にとっては折り込み済み。
「相当ペースが遅いと思っていましたが、後ろも捲ってくる気配がなく向正面でうまく息も入りましたので、待たないでスパートしようと考えながら騎乗していました」
4角手前でウィルソンテソーロが斜め後方にいるのを確認しながら進出を開始。直線に向いたところで早くも先頭に立つと、そのまま後続を寄せ付けることなく突き放した。1.3/4馬身差、2:06.9(稍重)で駆けぬけた。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
管理する寺島良調教師も「スタートから1コーナーのコース取りでこれは良いかなと思いました。あとは結構安心して見られたかなという感じでした」と述べたように、危なげなく何もかも事前のプランどおりに遂行した藤岡騎手、それにしっかり応えてみせたキングズソードの頑張りを讃えたい。
そつなく騎乗するも2着まで
1番人気に推されたウィルソンテソーロは、3月のドバイワールドC4着以来の出走。8番枠からスタートして1角でうまく外へと持ち出してキングズソードの後ろ、5番手からレースを進めた。勝負所で外を回して進出を開始し、手応えよく直線へ。結果として2着に敗れはしたものの、川田将雅騎手はそつのない騎乗だった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
3着ディクテオンはスタートで出遅れて後方からのレース。4角では大外を回す形となるなど展開は向かなかったが、ジリジリと差を詰めて2着に1馬身差まで迫った。今回は9番人気という低評価だったが、昨年は浦和記念と名古屋グランプリを勝利するなど2000m以上の重賞では安定した成績を残しており、直線の長い大井コースも味方につけた。
3連覇を狙ったメイショウハリオは伸びを欠き9着。冬は2月のサウジCを取り消したことでドバイには転戦できず帰国し久々の実戦となったが、やはり本調子ではなかったということだろう。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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