【注目2歳馬】Kingman産駒プリティディーヴァが見せた勝負根性 勝ち時計優秀、次走の上積みにも期待
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
素晴らしい勝負根性
先週末は重賞がなく、土日ともにのんびりとした雰囲気に包まれた東京競馬場。新馬戦は2日間で3レースが行われた。
今回はその中から、16日(日)の東京5R・芝1400m戦を勝利したプリティディーヴァをピックアップする。
アイルランド産まれでKingman産駒の牝馬、母Assuranceの全弟にはフランスの2歳GⅠ・クリテリウムドサンクルーを勝利したGear Upがいるという血統。田中博康厩舎らしくしっかりと乗り込まれ、最終追い切りでは美浦のWコースで6F81.1-64.9-50.0-36.1-23.5-11.4という動きを見せたこともあり、単勝1.6倍の1番人気でデビュー戦を迎えた。
スタートを決めると、逃げるアンジュオスリールを見る形で2番手の外を追走。600m通過は35.5(12.8-11.3-11.4)というペースで流れた。そのまま楽な手応えで直線に向き、C.ルメール騎手が残り300mあたりで追い出すもアンジュオスリールが内で粘りを見せ、さらに外からは2番人気ダノンブランニューの追い上げ。3頭による追い比べとなり、最後はびっしり追われる形となったがクビ差で先着した。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
この日の芝は良馬場の発表だったが、未明に7.0mmの雨が降った影響からゴール前地点の含水率は15.0%と水分を含んだ馬場状態だった。それでいて勝ちタイム1:22.1は、6月の東京芝1400mで行われた新馬戦としては2022年のウンブライル(2023年NHKマイルC2着)に並ぶ好タイムだから評価していい。
追い出してからの反応が案外だった点は物足りなさも感じたが、切れるというよりは長く良い脚を使うタイプという印象を受ける。それでも3頭で併せる形の真ん中から素晴らしい勝負根性を見せてくれたのは収穫だ。
距離についても決して1400mまでという雰囲気はなく、1600mへの距離延長も問題なさそう。一度レースを使ったことで、ラストの反応など次走でさらに変わり身があることに期待して、将来性は★★★★とする。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
2着に敗れはしたものの、2番人気ダノンブランニューも道中はプリティディーヴァをマークしながら運び、上がり最速34.4秒の末脚を披露。こちらも1600mや1800mなど距離延長でさらに良さが出そうな印象を受ける。
福永祐一厩舎が管理するミッキーアイル産駒で、半姉には桜花賞とオークスを制したスターズオンアースがいる良血。セレクトセールで1億5400万円という高値がついた注目馬が素質の高さを見せた。
3着アンジュオスリールはフラワーCを勝利したエミューの半妹。最後の最後までしぶとく粘り、後続には4馬身差をつけるなど能力は示した。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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