【目黒記念】6、7歳馬にチャンスあり 日経賞組クロミナンス、ヒートオンビートがデータに合致
勝木淳
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ベテランの激走に注意
ダービーデイのシメを飾るのは目黒記念。ワカタカが勝った第1回日本ダービー、カブトヤマの第2回が目黒競馬場で行われたことを想起させる、そんな歴史とリンクする試みでもある。この形になったのは2006年から。この年のダービー馬はメイショウサムソン。騎乗した石橋守騎手は今年、調教師としてメイショウタバルをダービーに送り出す。ダービーのゴール前、接戦になっても手綱を緩めた石橋守騎手の確信に痺れた。データは過去10年間を使用する。
1番人気【1-2-3-4】勝率10.0%、複勝率60.0%、2番人気【1-1-0-8】勝率10.0%、複勝率20.0%とすんなり上位人気同士で決着しない。ダービー後の一発逆転を託せるレースであり、それだけ難易度の高いハンデ戦でもある。8番人気【3-0-2-5】勝率30.0%、複勝率50.0%など伏兵台頭の機運は高く、ダービーで最高潮に達した競馬脳をきちんと再起動させる必要がある。
年齢の傾向では、4歳【3-2-2-27】勝率8.8%、複勝率20.6%より6歳【4-3-2-35】勝率9.1%、複勝率20.5%がわずかに上。5歳【1-5-2-37】勝率2.2%、複勝率17.8%が勝ち切れず、7歳以上も【2-0-4-40】勝率4.3%、複勝率13.0%とベテランが奮闘する。
6、7歳で斤量が前走より重くなると【2-1-1-7】勝率18.2%、複勝率36.4%、増減なし【4-1-1-25】勝率12.9%、複勝率19.4%、斤量減【0-1-3-25】複勝率13.8%なので、ハンデキャッパーがまだまだ通用すると判断したベテランは積極的に買おう。
日経賞組が中心
6歳以上では日経賞2、3着クロミナンス、マイネルウィルトス、昨年覇者ヒートオンビート、メトロポリタンS3着シュヴァリエローズあたりが面白いのではないか。さらに具体的にデータをみる。
前走GⅠは【0-1-2-14】複勝率17.6%と冴えない。天皇賞(春)も【0-1-0-9】で5歳メイショウブレゲは年齢の傾向も合わせ、厳しそうだ。
前走GⅡ【3-2-3-30】勝率7.9%、複勝率21.1%の内訳をみる。目立つのは同距離の日経賞【3-1-1-9】勝率21.4%、複勝率35.7%だ。2、3着【1-1-0-0】、6着以下【2-0-1-7】と好走馬、凡走馬どちらも気をつけよう。クロミナンス、マイネルウィルトス、そして7着ヒートオンビートまで圏内に入る。勝った馬の出走例はなく、シュトルーヴェは当てはまるデータがないため、評価を落とせない。今年の日経賞はマテンロウレオが逃げて突っ込んで入り、前半1000m通過1:00.0(推定)の締まった流れに持ち込んだ。後半800mは12.3-11.8-12.0-12.4でスタミナ比べになった。上位3頭はスローにさえならなければ、楽しみがありそうだ。
前走OP・Lは【2-6-4-54】勝率3.0%、複勝率18.2%と少し壁を感じるものの、馬券圏内には入ってくる。好相性の大阪-ハンブルクC【2-2-0-8】勝率16.7%、複勝率33.3%が不在のため、今年は伏兵候補が見当たらない。同じ東京のメトロポリタンSは【0-3-3-35】複勝率14.6%と例年ならそこまで強調できない。3着シュヴァリエローズは京都記念4着の実績もあるが、前走メトロポリタンS3着は【0-0-0-4】と好走がない。少頭数ではあるが、上位陣の壁は厚い。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
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