【京都新聞杯】騎手と種牡馬の京都芝2200m成績に注目 本命はロードカナロア産駒キープカルム
高橋楓
ⒸSPAIA
日本ダービーへ向けた大一番
かつては菊花賞トライアルだった京都新聞杯も、2000年からは日本ダービーを目指す馬たちのステップレースになった。2000年の勝ち馬アグネスフライトは、その次走で日本ダービーも制した。あのときから間もなく四半世紀のときが流れようとしている。今週はそんな京都新聞杯を当該コース成績などに注目し、予想していく。
前走GⅢ組が優勢 1勝クラス組は勝ちが必須
過去10年で旧コースの京都、中京、そして改修後の京都と舞台を変えながら施行されてきた本レース。ただダービーを目指す馬にとって負けられない一戦であることは変わっておらず、傾向に大きな変化はない。そこで、まずは過去10年の前走クラスから馬券のヒントを探ってみたい。
<前走クラス別成績>
GⅠ【1-0-0-9】勝率10.0%/連対率10.0%/複勝率10.0%
GⅡ【0-1-1-3】勝率0.0%/連対率20.0%/複勝率40.0%
GⅢ【3-1-3-10】勝率17.6%/連対率23.5%/複勝率41.2%
OP・L【0-2-1-14】勝率0.0%/連対率11.8%/複勝率17.6%
1勝クラス【6-6-5-45】勝率9.7%/連対率19.4%/複勝率27.4%
未勝利【0-0-0-27】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%
※過去10年 海外【0-0-0-1】
今年は出走予定全馬がGⅢ以下からの参戦。そのGⅢ組は複勝率41.2%と好走している。勝ち馬は2022年アスクワイルドモアがきさらぎ賞(4着)、2018年ステイフーリッシュが共同通信杯(10着)、2016年スマートオーディンが毎日杯(1着)と前走着順は不問。細かくレース別成績を見てみると下記のようになる。
<前走GⅢ組のレース>
毎日杯【1-1-2-8】
きさらぎ賞【1-0-1-1】
共同通信杯【1-0-0-0】
アーリントンC【0-0-0-1】
今年は毎日杯3着ベラジオボンド、4着ファーヴェントが出走予定。この2頭は注目しておきたい。
OP・L組の連対2頭は若葉Sの掲示板確保組で、今年はアドマイヤテラとジューンテイクが該当。1勝クラスは母数が多いこともあり、入着数は多いが率は重賞組に及ばない。勝ち馬6頭中5頭が前走1着からこのレースに挑んできており、1着を狙うなら前走勝ちは必須条件だろう。未勝利組は過去10年で馬券圏内なし、ここは消しとする。
京都芝2200m巧者を探せ 川田将雅騎手が複勝率77.8%
次に改修後の当該舞台で好成績の騎手を探していく。とはいえ2023年4月22日からの使用でまだ21回しかサンプルがない。
<京都芝2200m 主な騎手の成績>
川田将雅【4-1-2-2】
池添謙一【3-1-0-6】
松山弘平【2-2-1-6】
C.ルメール【2-1-0-2】
岩田望来【1-3-1-6】
集計期間:2023年4月22日~2024年4月28日 21レース
9回騎乗し複勝率77.8%の川田将雅騎手はさすがとしか言いようがない。ちなみに全て3番人気以内の馬に騎乗し、1着は全て1番人気。人気と成績が比例傾向にある。そんな川田騎手は今回ヴェローチェエラに騎乗予定。当日の人気には注目したい。
ちなみに芝レース全体のレース数は270回。騎手の順位は下記のようになっている。
1位 川田将雅【27-16-13-36】勝率29.3%/連対率46.7%/複勝率60.9%
2位 坂井瑠星【17-25-12-82】勝率12.5%/連対率30.9%/複勝率39.7%
3位 岩田望来【16-16-16-103】勝率10.6%/連対率21.2%/複勝率31.8%
4位 武豊【16-12-8-59】勝率16.8%/連対率29.5%/複勝率37.9%
5位 松山弘平【15-14-15-92】勝率11.0%/連対率21.3%/複勝率32.4%
集計期間:2023年4月22日~2024年4月28日 270レース
総合順位でも川田将雅騎手が独走。また上位5位には入らなかったが、西村淳也騎手が【13-22-27-83】複勝率42.8%。1着は少ないが2、3着で狙ってみたいデータとなっている。今回はスカイサーベイに騎乗予定だ。
種牡馬はロードカナロア&キズナ産駒を狙え
種牡馬でも騎手と同じように当該コース巧者を探っていく。
<京都芝2200m 種牡馬ランキング>
第1位 キズナ産駒【3-3-1-6】
第2位 ハーツクライ産駒【3-1-4-12】
第3位 ハービンジャー産駒【2-3-2-16】
第4位 エピファネイア産駒【2-2-0-9】
第5位 オルフェーヴル産駒【2-1-0-10】
集計期間:2023年4月22日~2024年4月28日 21レース
種牡馬ランキングのトップはキズナ産駒。母数が少なく、1レースで大きく数値は変わってしまうが、それでも複勝率53.8%は立派な成績だ。
次に騎手同様、京都競馬場改修後の種牡馬の全体成績も見ておく。
第1位 ロードカナロア産駒【25-18-11-125】勝率14.0%/連対率24.0%/複勝率30.2%
第2位 キズナ産駒【23-18-13-140】勝率11.9%/連対率21.1%/複勝率27.8%
第3位 エピファネイア産駒【14-18-14-125】勝率8.2%/連対率18.7%/複勝率26.9%
第4位 ドゥラメンテ産駒【14-14-11-87】勝率11.1%/連対率22.2%/複勝率31.0%
第5位 モーリス産駒【10-13-15-77】勝率8.7%/連対率20.0%/複勝率33.0%
集計期間:2023年4月22日~2024年4月28日 270レース
上位2頭が抜けた勝利数となっている。この結果で気になるのはロードカナロア産駒の距離適性だ。短距離やマイルで好成績を残している印象があり、2000m以上で距離がもつかどうか。そこで同産駒の距離別成績を調べた。
<ロードカナロア産駒 京都競馬場の距離別成績>
1200m【5-2-2-17】勝率19.2%/連対率26.9%/複勝率34.6%
1400~1600m【11-8-5-76】勝率11.0%/連対率19.0%/複勝率24.0%
1800m【5-5-2-21】勝率15.2%/連対率30.3%/複勝率36.4%
2000m【3-0-1-8】勝率25.0%/連対率25.0%/複勝率33.3%
2200m以上【1-3-1-3】勝率12.5%/連対率50.0%/複勝率62.5%
集計期間:2023年4月22日~2024年4月28日
イメージ以上に長い距離でも成績を残している。よくよく考えれば昨年のエリザベス女王杯を制したブレイディヴェーグや、今年の京都記念2着のベラジオオペラもロードカナロア産駒。大きく割り引く必要はなさそうだ。
本命は武豊騎手×ロードカナロア産駒のキープカルム
本命はキープカルムとする。父ロードカナロア、母父サクラバクシンオーと見ると狙いづらいが、デビューから1800m以上のレースに出走。6戦中4戦は2000mを走り勝利実績もある。距離の心配はない。京都2歳Sも5着とはいえ、1着シンエンペラーとは0.1秒差だった。そして前走1勝クラスのひめさゆり賞を単勝オッズ1.5倍という圧倒的な支持に応えて勝利。また改修後の京都コースで武豊騎手、ロードカナロア産駒ともに好成績を残しており、大目標へ向けて好走を期待したい。
対抗はファーヴェント。ハーツクライ産駒で毎日杯4着。過去1年に限ればハーツクライ産駒も安定した成績を残している。また過去10年の本レースで毎日杯組は12頭中4頭が馬券圏内にきている。これまで全て1800mのレースに出走しているが、デビュー戦を除けば全て重賞、うち2戦は勝ち馬と0.3秒差。このメンバーに入れば実績上位と言っていい。
3番手はキズナ産駒のインザモーメント。前走は1勝クラスのアザレア賞1着。前々走のきさらぎ賞は4着だったが勝ち馬とはタイム差なしの惜しいレースだった。以下、毎日杯3着ベラジオボンド、キズナ産駒で朝日杯FS4着ジューンテイク、1勝クラスのアルメリア賞を勝ってここに挑むギャンブルルームまで印を回しておく。
◎キープカルム
〇ファーヴェント
▲インザモーメント
△ベラジオボンド
×ジューンテイク
×ギャンブルルーム
《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
サクラローレルの馬体の美しさに魅せられ毎週競馬を見るようになる。他に好きな馬はホクトベガ、サイレンススズカ。一口馬主を趣味とし、楽しさを伝える事にも注力している。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。
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