【アーリントンC】川田将雅騎手が阪神芝1600mで複勝率55.2% 本命はコース成績重視でシヴァース

高橋楓

阪神芝1600mの騎手ランキング(2018年1月1日~2024年4月7日),ⒸSPAIA

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前身はペガサスS

やはり歳のせいか「アーリントンC」と聞くと前身の「ペガサスS」を思い出してしまう。わずか5回のみの開催だったが、エイシンテンペスト、オグリキャップ、シャダイカグラ、キーミノブ、ノーザンドライバー。勝ち馬には実に華やかな名前が並ぶ。その後アーリントンCとなり、6年前からはNHKマイルCのステップ競走に指定された。今週はこのレースを予想していく。

前走重賞組が圧倒的な数字を残す

まずはNHKマイルCのステップレースに指定され、開催が4月に移行してからの過去6年の前走クラス別成績からみていく。

アーリントンC 前走クラス別成績,ⒸSPAIA


GⅠ【4-0-0-0】勝率100%/連対率100%/複勝率100%
GⅡ【1-1-1-8】勝率9.1%/連対率18.2%/複勝率27.3%
GⅢ【1-2-1-13】勝率5.9%/連対率17.6%/複勝率23.5%
OP・L【0-0-0-7】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%
1勝クラス【0-2-3-43】勝率0.0%/連対率4.2%/複勝率10.4%
未勝利【0-1-1-6】勝率0.0%/連対率12.5%/複勝率25.0%
新馬【0-0-0-2】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%

圧倒的な数字を残しているのが前走GⅠ組。全4頭が朝日杯FS組で勝率100%。今回の登録馬で該当するのはアスクワンタイムだけだ。ならば無条件で◎をつけたくなるが、4頭の朝日杯FSの成績を確認してみる。

朝日杯FSの成績
タワーオブロンドン(2番人気3着)
タイセイビジョン(2番人気2着)
ホウオウアマゾン(3番人気9着)
オオバンブルマイ(5番人気7着)

いずれも朝日杯FSでそれなりに人気を集めた馬たちだった。今年のアスクワンタイムは単勝オッズ222.8倍でブービーの16番人気、15着からの参戦。着差も1.2秒でさすがにローテーションの根拠だけでは推しづらい。

次にGⅡ組はフィリーズレビュー、弥生賞、京王杯2歳Sから1頭ずつ、計3頭が馬券圏内に入っている。スプリングS組は【0-0-0-3】だが、二桁着順から挑んだ2頭含め全馬が掲示板を確保。過去6年では最高着順の4着からチャンネルトンネルが参戦予定。馬券に絡むことも十分に考えられる。

GⅢ組は共同通信杯、ファルコンS、京成杯組が連を確保、シンザン記念組が3着になっている。今年はきさらぎ賞3着のシヴァース、ファルコンS10着のタイキヴァンクールが参戦予定だ。

1勝クラス組は【0-2-3-43】で率は低いが、過去6年で5頭が馬券に絡んでおり、軽視は禁物。この5頭の共通点は1勝クラス勝ちから挑んでいること。GⅠへのステップレースという点からも条件戦で勝ちきれない馬は苦戦必至だ。

【前走1勝クラス勝ちの登録馬】
・オフトレイル
・ケイケイ
・ディスペランツァ
・ポッドテオ

未勝利組は前走1番人気1着が最低条件。前走2番人気以下だった馬は全て二桁着順に敗れている。今年は2頭が前走未勝利戦1着から参戦も2番人気以下。今回はさすがに厳しいだろう。

2月生まれが5勝

よく日本ダービーの頃に「人間でいえばインターハイ決勝」と例えることがある。もちろん、高校1年生でインターハイを制するような能力の持ち主もいるが、やはりこの時期では人間同様、早生まれのほうが有利になるケースは否めないだろう。本レースではその傾向が顕著にあらわれている。

アーリントンC 生年月別成績,ⒸSPAIA


1月生まれ【0-0-0-5】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%
2月生まれ【5-4-2-21】勝率15.6%/連対率28.1%/複勝率34.4%
3月生まれ【1-0-1-17】勝率5.3%/連対率5.3%/複勝率10.5%
4月生まれ【0-1-3-25】勝率0.0%/連対率3.4%/複勝率13.8%
5月生まれ【0-1-0-11】勝率0.0%/連対率8.3%/複勝率8.3%

生まれ月別成績は以上のような結果で、過去6年の馬券圏内18頭中11頭が2月生まれに集中している。数字を大事にする身としては無視できないデータになっている。

1月生まれが不調に見えるが、昨年は新馬勝ちから本レースに出走した3番人気ナヴォーナが7着に負けたものの、トーホウガレオンが10番人気4着と人気以上に走った。3月生まれの1勝は2019年に12番人気で激走したイベリス。4月生まれは1着はないが2着1回、3着3回と好走している。

先ほどのローテーションのところで取り上げた前走重賞組、1勝クラス組の中で2月生まれはポッドテオとケイケイの2頭。買い目には入れておきたい。

阪神芝1600mは川田将雅騎手の庭

次に阪神芝1600mの騎手ランキングを見ていき、舞台巧者を探っていく。 集計期間は2018年1月1日~2024年4月7日までに施行された373レースとする。

阪神・芝1600m 騎手ランキング,ⒸSPAIA


第1位 川田将雅【46-19-25-73】勝率28.2%/連対率39.9%/複勝率55.2%
第2位 和田竜二【19-27-11-172】勝率8.3%/連対率20.1%/複勝率24.9%
第3位 C.ルメール【19-13-11-41】勝率22.6%/連対率38.1%/複勝率51.2%
第4位 武豊【18-28-11-103】勝率11.3%/連対率28.8%/複勝率35.6%
第5位 岩田望来【16-17-16-127】勝率9.1%/連対率18.8%/複勝率27.8%

成績を見ると一目瞭然、川田将雅騎手の成績がずば抜けている。当該舞台では「4回に1回以上勝ち、2回に1回は馬券に絡む」ということになる。何を当たり前のことを、と思うかもしれないが、日本語にするとより驚異的に思えてくる。今年はシヴァースに騎乗予定だ。

複勝率50%超えのC.ルメール騎手が骨折のため戦線離脱しているのは残念だが、複勝率35.6%の武豊騎手はオフトレイル、複勝率27.8%の岩田望来騎手がジュンヴァンケット、勝利数で2位タイの和田竜二騎手がタイキヴァンクールで参戦予定となっている。

1着数はロードカナロア産駒も率に大差なし

次に騎手ランキングと同じ期間で種牡馬についても調べた。今回は登録馬の種牡馬のみに絞ってランキングにしてみた。

阪神・芝1600m 出走予定馬の種牡馬ランキング,ⒸSPAIA


第1位 ロードカナロア産駒【28-28-26-235】勝率8.8%/連対率17.7%/複勝率25.9%
第2位 ルーラーシップ産駒【19-18-13-138】勝率10.1%/連対率19.7%/複勝率26.6%
第3位 キズナ産駒【15-15-12-124】勝率9.0%/連対率18.1%/複勝率25.3%
第4位 モーリス産駒【14-11-18-100】勝率9.8%/連対率17.5%/複勝率30.1%
第5位 イスラボニータ産駒【5-6-8-38】勝率8.8%/連対率19.3%/複勝率33.3%

母数に違いはあるが、ロードカナロア産駒が今年の登録馬の中ではトップ。ただ率にするとそこまで他と差がなかった。

本命は川田将雅騎乗予定のシヴァース

混戦模様だが本命はきさらぎ賞3着で川田将雅騎手が騎乗予定のシヴァースとする。4月生まれで不安も残るが、当該コースで圧倒的な成績を残している川田騎手が手腕でカバーしてくれるとみる。また、モーリス産駒は先に紹介したように当該舞台で複勝率30.1%と心配ないだろう。

対抗はスプリングS4着だったチャンネルトンネル。騎乗予定の坂井瑠星騎手は当該コースの騎手ランキングでは第8位で【13-17-12-88】の複勝率32.3%。大きな減点材料もなく好走を期待したい。

ここから下の印は正直悩んだが、▲ケイケイとした。NHKマイルCに出走できないセン馬がこのレースに挑んできた以上、賞金加算狙いが明白。連勝中の2月生まれで、鞍上は岩田康誠騎手に乗り替わり予定。勝負気配と見た。

おさえはここまで複勝率100%で武豊騎手騎乗予定のオフトレイル、好調の朝日杯FS組のアスクワンタイム、2月生まれのポッドテオまで印を回しておく。ポッドテオは上位の印をつける予定だったが、当該コースのジャングルポケット産駒が【0-0-1-23】と不調なことから一気に評価を下げた。

◎シヴァース
◯チャンネルトンネル
▲ケイケイ
△オフトレイル
×アスクワンタイム
×ポッドテオ

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
サクラローレルの馬体の美しさに魅せられ毎週競馬を見るようになる。他に好きな馬はホクトベガ、サイレンススズカ。一口馬主を趣味とし、楽しさを伝える事にも注力している。 競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。

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