【桜花賞】阪神JF勝ちと完成度の高さを評価 東大HCの本命は無敗のアスコリピチェーノ
東大ホースメンクラブ
ⒸSPAIA
牝馬三冠第一戦
今週日曜日、阪神競馬場でGⅠ・桜花賞が行われる。無敗で阪神JFを制したアスコリピチェーノ、2着ステレンボッシュ、チューリップ賞で鮮やかな追い込みを見せたスウィープフィートに、クイーンズウォーク、チェルヴィニアら好メンバーが春の仁川で一冠目を争う。
昨年のリバティアイランドをはじめアーモンドアイ、ソダシ、スターズオンアースなど数々の名牝が通った一戦。今年もそれに匹敵するスターホースの登場に期待しながら、データを参考に馬券戦略を検討していく。
阪神JF組を中心に
<桜花賞・前走レース別成績>
チューリップ賞(GⅢ)【3-3-3-12】勝率14.3%/連対率28.6%/複勝率42.9%
チューリップ賞(GⅡ)【0-5-3-18】勝率0.0%/連対率19.2%/複勝率30.8%
阪神JF【2-2-0-5】勝率22.2%/連対率44.4%/複勝率44.4%
フィリーズレビュー【1-0-2-43】勝率2.2%/連対率2.2%/複勝率6.5%
クイーンC【1-0-1-18】勝率5.0%/連対率5.0%/複勝率10.0%
※過去10年。OP特別・L【1-0-0-31】
桜花賞の王道ローテといえば「チューリップ賞からの臨戦」だが、近年は他のクラシック競走の例に漏れずGⅠからの直行も増えている。ソダシやリバティアイランドも阪神JFからの直行で勝利を収めた。アスコリピチェーノ、ステレンボッシュには注目したい。前走阪神JF組について詳しいデータを見ると1着馬が【2-1-0-0】で、連対した4頭のうち3頭がこれに該当する。残る1頭(21年サトノレイナス)も阪神JFタイム差なし2着→桜花賞2着で、同じパターンのステレンボッシュも見逃せない。
チューリップ賞組は17年までのGⅢ時代【3-3-3-12】複勝率42.9%に対し、それ以降のGⅡ昇格後は【0-5-3-18】複勝率30.8%と勝ち馬が出ておらず、複勝率も若干劣る。特に昇格後の勝ち馬は【0-1-0-6】で、平均人気3.4に対し平均着順9.7と人気を裏切るケースが多い。また、好走例の多くはチューリップ賞で5番人気以内に評価されていた馬で、セキトバイーストとハワイアンティアレの再びの激走は想像し辛い。
それ以外のローテで出走してきた馬の成績は芳しくないが、フィリーズレビュー2着馬【1-0-2-6】には注目したい。馬券内の3頭(アットザシーサイド、レーヌミノル、ナムラクレア)はすべてフィリーズレビューを1番人気で負け、桜花賞では人気を落としながら巻き返した。この3頭と全く同じパターンのコラソンビートは侮れない。
無傷で一冠奪取だ
◎アスコリピチェーノ
新馬戦は4角11番手から上がり最速で前の馬をかわし去り、2戦目の新潟2歳Sも粘った逃げ馬を上がり3F33秒3の脚で差しきった。阪神JFでも中団からスムーズに抜け出し、ステレンボッシュやコラソンビートの追い上げを凌ぎ1分32秒6のレースレコードで勝利。完成度の高さは世代随一だ。桜花賞は上がり3F3位以内馬が【6-5-4-18】複勝率45.5%(過去10年)と末脚が結果に直結する舞台であり、これも追い風だろう。無傷4連勝での桜花賞制覇に期待だ。
◯ステレンボッシュ
阪神JFは10番手で直線を迎え、空いた内に切れ込みながら鋭く追い上げるもクビ差の2着。勝ち馬と差はなく、上がり3Fは最速の33秒5をマークしており、キレ味も同等レベルと言える。今回はモレイラ騎手騎乗でもあり、ここも馬券内の可能性は高いとみる。
▲コラソンビート
フィリーズレビューは断然人気を背負いながらエトヴプレの逃げ切りを許した。それでも2月下旬から栗東入りし、1週前にはシンエンペラーとの併せ馬を消化するなど、ここへ向けての調整過程には好感が持てる。阪神JFでは不利もありながら0秒2差3着に粘っており、淀みないペースなら十分勝機がある。人気と相談しながら狙いたい。
△チェルヴィニア
未勝利は6馬身差圧勝、アルテミスSも11秒4-11秒2-11秒0の加速ラップを3番手から抜け出し勝利するなど、レース内容はGⅠに十分手の届く馬。ただし8枠18番という枠は先行タイプの本馬にとってやはり気になるところ。また阪神JFではなくアルテミスSからのぶっつけ本番、ルメール騎手の負傷による鞍上交代などの要素もあり厚くは買いにくい。ここは相手にとどめ、オークスで狙うのがよいだろう。
以下クイーンズウォーク、スウィープフィートまで印を回す。馬券は◎◯軸、▲△×相手の3連複4点で勝負する。
▽桜花賞予想▽
◎アスコリピチェーノ
◯ステレンボッシュ
▲コラソンビート
△チェルヴィニア
×クイーンズウォーク
×スウィープフィート
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
《関連記事》
・【桜花賞】チェルヴィニア、コラソンビートは消し ハイブリッド式消去法
・【桜花賞】前走着差データ重視でチェルヴィニアが最有力 長期休養明けも強調材料
・【桜花賞】過去10年のレース結果一覧
おすすめ記事