【川崎記念】川崎所属のライトウォーリアが逃げ切りV 吉原寛人騎手「今までにないくらいの仕上がりだった」
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
捲りきられずに4角を回れたことが勝因
ドバイ遠征に向けての前哨戦として近年は有力馬の参戦も多く見られた川崎記念(JpnⅠ・ダート2100m)は、今年から4月へと時期を移して行われることとなった。超一線級は不在となったがGⅠ級レースを制した実績馬は2頭が出走。この一戦を地元川崎所属のライトウォーリアが制し、場内は大いに湧いた。
午前中から雨が降った影響により重馬場での開催となった。スタートして、10番ゲートからライトウォーリアがすんなりと先行争いを制し、1周目の3角でハナを奪った。2番手にはドバイで負傷したC.ルメール騎手に代わり松山弘平騎手が騎乗したアイコンテーラーという展開で縦長の隊列となった。
2周目の3角でアイコンテーラーが外から並びかけていき一旦はかわされかけたが、2頭並んで直線へ。激しい追い比べが続き、ゴール前ではグランブリッジも勢いよく迫って3頭もつれてゴール板を通過した。結果、ライトウォーリアがアタマ差凌ぎ、勝ちタイム2:15.5で決着した。
JRAでデビューしてオープンまで駆け上がり、川崎に移籍後も重賞3勝するなど実力はあった。川崎ダ2100mでは2月に行われた報知オールスターCを逃げ切り勝ち、昨年の川崎記念でも地方馬最先着の5着。実績ある舞台でついに大仕事をやってのけた。また川崎所属馬としてはエスプリシーズ以来20年ぶりの快挙。管理する内田勝義調教師にとっても初のJpnⅠ制覇となった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
吉原寛人騎手は「今日の出来はピカイチで、今までにないくらいの仕上がりだった」と調子の良さを感じながら挑んだ。勝負所でアイコンテーラーと手応えは違ったが、捲りきられずに4角を回れたことが勝因と振り返った。引きあげてきた際には何度もガッツポーズをして喜びを露わにし、ウイニングランで詰めかけたファンの声援に応えた。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
展開を考えると健闘の2着
グランブリッジは中団追走から内を通って進出を開始し、2周目4角で外へと持ち出されて伸びたが、あと一歩及ばずGⅠ級競走では3度目の2着となった。勝ち味に遅いタイプではあるが、前が残る展開で差してきた内容はよく健闘したと評価できる。そこからさらにハナ差遅れたアイコンテーラーは勝負所で自ら仕掛けていき、最後は敗れてしまったが力は出し切った。3着に終わったが、能力のあるところは見せてくれた。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
4着ディクテオンはグランブリッジからさらに離れた後方馬群で運び、上がり最速の末脚を使ったが展開が向かなかった。1番人気セラフィックコールは好位からロスなく立ち回ったが、直線に向いた時点ですでに手応えは怪しく5着という結果だった。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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