【オーシャンS】条件整うシュバルツカイザーに好機到来 複穴はベテラン勢から頻出
勝木淳
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複穴は6歳
高松宮記念まで中2週。オーシャンSは阪急杯、シルクロードSに次ぐ存在で、本番の好走確率でいえば、決して高くない。だが高松宮記念の穴は、このオーシャンSから出る。
22年8番人気1着ナランフレグはオーシャンS2着、17番人気3着キルロードは同6着だった。ほかにも19年17番人気3着ショウナンアンセム、18年10番人気3着ナックビーナスもいる。中山芝1200mはほぼハイペースになる舞台で、その経験がGⅠで強さを発揮する。穴党にとって高松宮記念の最重要レースといっていい。データは過去10年分を使用する。
高松宮記念の穴馬提供レースとあって、オーシャンS自体もなかなか難解だ。1番人気【3-2-1-4】勝率30.0%、複勝率60.0%、2番人気【2-2-1-5】勝率20.0%、複勝率50.0%と上位人気安泰というほどではなく、10番人気以下【2-2-0-65】勝率2.9%、複勝率5.8%など波乱もある。
年齢の傾向では5歳が【5-2-4-32】勝率11.6%、複勝率25.6%と一歩リード。4歳は【2-1-3-20】勝率7.7%、複勝率23.1%とやや勝ち切れない。また6歳【1-5-1-29】勝率2.8%、複勝率19.4%は複勝回収率117%と高く、複穴はベテラン勢から出る。
シュバルツカイザーにチャンスあり
5歳は京阪杯を勝ったトウシンマカオ、昨夏函館SSを制したキミワクイーンなど実績馬がエントリー。4歳は淀短距離S1着ビッグシーザー、6歳ならカーバンクルS1着シュバルツカイザーなど、各世代勢いある馬たちが顔をそろえる。
多くの馬が当てはまる前走GⅢ【3-5-4-45】勝率5.3%、複勝率21.1%。GⅡ組と併せて内訳を確認する。
大半がシルクロードSで【3-2-2-31】勝率7.9%、複勝率18.4%。凡走数も多く、しっかり好走パターンを把握したい。着順の内訳は2~5着【0-2-1-5】、6着以下【3-0-1-26】で確率が高いのは好走馬だが、7着だったサンライズオネストなど凡走からの巻き返し狙いも面白い。
ハンデ戦のシルクロードSと別定のオーシャンSの斤量関係は、斤量増【0-0-1-10】、増減なし【1-2-0-12】、斤量減【2-0-1-9】で理想は斤量減だ。別定替わりの斤量減は、前走でハンデを背負わされた証拠でもある。ただサンライズオネストは増減なしで悩ましい。
阪神C【0-1-0-9】複勝率10.0%は15年ハクサンムーンが18着から2着に巻き返した。これは1200m替わりが激走要因だろう。9着だったダディーズビビッドは距離短縮が歓迎とはいえないか。京阪杯は【0-1-0-2】複勝率33.3%。21年カレンモエが京阪杯2着から好走した。トウシンマカオの連勝もありうる。初出走の中山適性がポイントだろう。
前走オープン・リステッド【4-3-1-51】勝率6.8%、複勝率13.6%は同距離1200m【3-3-1-43】勝率6.0%、複勝率14.0%で、さらに1、2着だと【3-2-0-14】、3~5着【0-0-1-7】、6着以下【0-1-0-22】。淀短距離Sを勝ったビッグシーザー、カーバンクルS1、2着シュバルツカイザー、グレイトゲイナーもチャンスだ。同じ中山のカーバンクルSは前後半600m33.1-34.7で1:07.8。これは22年オーシャンS前後半600m33.4-34.5、1:07.9に近い。この流れを経験したのは強みだろう。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬中心の文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
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