【東京大賞典】24年は「サウジからドバイに」 連覇のウシュバテソーロは更なる挑戦へ
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
リズムを大事に
大井競馬場を舞台に争われた今年のダートクレードを締めくくる大一番、東京大賞典(GⅠ・ダート2000m)。モノレールの駅から競馬場に向かうまでの人の多さはコロナ禍の入場制限が緩和されて以降、最も混雑していた印象で28,888人が来場して盛り上がった。レースは川田将雅騎手騎乗の1番人気ウシュバテソーロが差し切り、同レース連覇を達成した。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
JRA勢7頭、南関東からは2頭が参戦するという9頭立て。ハナを奪ったのは大外枠からスタートしたウィルソンテソーロ。勝ち馬と同じ了徳寺健二ホールディングスの勝負服が逃げる形での幕開けとなった。前半1000m通過は1:03.8とスローペースも、川田騎手は全く動じることなく馬のリズムを大事にしながら後方2番手から運んだ。
直線は大外へと進路を取って前を追うが、ウィルソンテソーロもしぶとく逃げ粘って残り100mを通過。それでも、これがドバイワールドカップを制し、前走のブリーダーズカップクラシックでも上位に入るなど世界で戦ってきた実力──。ゴール前で一気に捉えると1/2馬身差で勝利。勝ちタイム2:07.3での決着だった。
管理する高木登調教師は、今後の予定について「順調なら来年はサウジからドバイに行きたいと思っています」とコメント。年が明けると7歳を迎えるウシュバテソーロだが、更なるビッグタイトル獲得を目指して世界にチャレンジしていく姿を引き続き応援したい。
前走とは一転、逃げて2着
ウィルソンテソーロは、前走のチャンピオンズCに引き続き原優介騎手が騎乗した。13番手追走から追い込んだ前走とは一転して、果敢に逃げる競馬で2着と波乱を演出。ウシュバテソーロに騎乗した川田騎手からも「ウィルソンテソーロも素晴らしい走りをしていたなと思います」という言葉があったように、脚質を問わずGⅠで2戦連続2着は能力の高さを改めて証明してくれた。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
3着は2番手からレースを進めたドゥラエレーデ。国内外、芝ダートを問わないオールラウンダーの同馬もウィルソンテソーロと同様に前走チャンピオンズCに出走して3着、初の地方競馬も全く関係ない安定感を披露した。2024年はどのようなローテーションを歩むのか注目だ。
南関東のクラシック三冠を達成したミックファイアの参戦も注目を集めた。スタートで出遅れ道中は5番手からレースを進めるも直線で失速して8着と能力を出しきれずに終わってしまった。この敗戦を糧にさらに成長し、再び強い姿を見せてくれることを期待する。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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