【京都牝馬S】ロータスランド、得意の展開で重賞2勝目! 今後も見極めたい「好走パターン」

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見事にはまった好走パターン
京都牝馬Sには毎年、それぞれの色々な思惑を持った馬たちが出走してくる。昇級戦で力試し、今後の路線の見極め、3月末で引退が予定されているなど様々。そんな事情もあり、GⅠ戦線へは繋がりにくいレースでもある。このような点も踏まえ、各馬の勝因、敗因を探りながらレースを振り返っていく。
土曜日の阪神芝コースは1回開催3日目ということもあり、馬場状態は良好。前に行われた芝3レースでは3着内9頭のうち4角5番手以内だった馬が7頭。先行馬が上がり3F33秒台を出すコンディションで、後方にいた馬には厳しい馬場状態だった。
勝ったロータスランドは2番手からレースを進め、直線に入ったときにはすでに先頭。記録した上がり33.8は2番目に速く、これでは後ろにいた馬たちはなす術がない。結果、4角5番手以内だった馬が1着~4着までを占めた。鞍上の岩田望来騎手はこれが嬉しいJRA重賞初制覇。これまで悔しい結果が続いたが、ついに大きな1勝をあげた。
レース展開は勝ち馬にとって理想的な形となった。前半4Fのラップタイムは12.2-10.8-11.3-11.5の45.8。1200m戦を主戦場とするアスタールビーが先手を取ったことで前半からレースは流れた。スピードの持続力を武器とするロータスランドにとって、前半からレースを引っ張ってくれる先行馬がいることが好走パターン。昨年優勝した関屋記念は前後半4F46.6-46.1の0.5秒差。12着に敗れた前走マイルCSは前後半47.6-45.0、前後半の差は2.6秒。過去の成績を見ても上がり勝負では成績が悪く、近2走の大敗はレースレベルよりも展開によるところが大きい。
今回はメンバー構成、レース展開と見事に好走パターンにはまった。しかし、馬体重プラス18kg、斤量56kgでの勝利と着実に力も付けている。今後も条件さえ揃えば、牡馬相手の重賞でも十分やれるだけの力はある。買い時はしっかり見極めたい。
スカイグルーヴは今後に期待
スカイグルーヴはデビュー時から期待された良血馬。気性面の難しさから出世が遅れ、休養を挟みながらレースを使ってきた。近走は距離を短縮したことでレース内容も安定。前走で3勝クラスを卒業し、ここは力試しの一戦だった。
馬場状態を把握しているルメール騎手はスタート直後から手を動かし前の位置を取りにいった。切れる脚がなく4コーナーから追われていたが、最後まで脚色は衰えず上がり最速で2着。しかし、勝ち馬とは斤量2kg差の54kg。現状、牡馬の一線級相手で、という計算の立つ内容ではなかった。
もっとも、明け5歳で今回がまだ9戦目。馬も若くまだまだ成長途上。調教では重賞勝ち馬相手に互角の動きを見せ、一戦ごとの上昇度は大きい。牝馬相手なら重賞で戦っていけるだろう。少しズブい面があり、小回りより東京や阪神など広いコースの方が相性は良さそうだ。
3着のタンタラスは前走の3勝クラスを強い内容で勝ち上がってきた。能力は高いが集中力に問題があり成績が安定せず、6歳にして初の重賞挑戦。好スタートから楽に3番手に付け、直線では馬場の真ん中を伸びたが前をとらえきれず、最後は2着馬に交わされた。
ブエナビスタの子は成長曲線が緩やかで年齢を重ね充実してくる印象が強い。一つ上のソシアルクラブも6歳で大きく馬体重を増やし3勝クラスを勝利。この馬も前走の勝ち方、今回の内容を見ると更なる成長が期待できる。しかし、クラブ規定のため現役で走るのは6歳の3月まで。今レースが最後になる可能性が高く、非常に残念だ。
4着シゲルピンクルビーは阪神芝1400mで2戦2勝と好相性だったが、最後の1Fで脚が止まったところを見ると、ベストは1200mか。この馬は一週前追い切りでは坂路4Fで49秒台を記録するなど、4歳馬らしく成長著しい。次走については分からないが、高松宮記念に出走してくれば押さえておきたい一頭だ。

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