【小倉大賞典】今年も穴はベテラン組 アールスター、ジェネラーレウーノで一発狙う!

勝木淳

小倉大賞典インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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重ハンデの実績馬に注意もハンデ53キロは要警戒

冬の小倉開催唯一の重賞小倉大賞典は、傾向が目まぐるしく変化する馬場読みもポイント。この10年、スローペースはなく、ハイペースだった17、21年の勝ち馬は逃げと先行タイプ。メンバー比較、馬場、展開と読まなければならない要素が多く、今年も偏差値の高い戦いになりそうだ。ここでは過去10年間のデータから攻略のヒントを探っていく。


過去10年小倉大賞典人気別成績,ⒸSPAIA


まず人気別成績。1番人気は【2-2-1-5】勝率20.0%、複勝率50.0%。10年で2勝は頼りないものの、半数は馬券圏内。下手にひねるよりは1番人気を軸にという作戦でもよさそう。というのも2番人気以下をみると、複勝率ベースでは6番人気以内は互角。10番人気以下も【1-3-3-58】、大穴の馬券圏内突入も十分考えられる。とにかく間口を広くして挑みたい。


過去10年小倉大賞典年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢でみると、4歳【3-1-1-17】勝率13.6%、複勝率22.7%、5歳【3-2-6-32】勝率7.0%、複勝率25.6%が中心。しかし7歳以上【2-5-3-41】勝率3.9%、複勝率19.6%には警戒したい。というのも複勝回収値124で穴の気配が漂う。昨年11番人気で勝ったテリトーリアル、20年10番人気2着ドゥオーモ、19年14番人気3着サイモンラムセスと3年連続で7歳以上のベテランが穴を開けた。今年もベテランが複数頭スタンバイ、軽視はできない。


過去10年小倉大賞典斤量別成績,ⒸSPAIA


ハンデ戦なので、気になる斤量傾向について。やはり背負った馬の好走確率は高く、57キロ【3-3-1-14】勝率14.3%、複勝率33.3%を含め57キロ以上は【4-4-3-23】。特に57キロは単複回収値165、122。13年6番人気1着ヒットザターゲット、15年11番人気3着ダコール、17年8番人気2着ヒストリカルなど実績馬の人気落ちに注意したいところ。

一方、軽量を狙うなら53キロ【0-1-2-5】複勝率37.5%、複勝回収値は573と破壊力満点。また牝馬は【0-1-1-0】複勝率100%。上記サイモンラムセスのほかに18年15番人気2着クインズミラーグロ、21年12番人気3着ディアンドルと牝馬が大穴を提供した。


中山金杯凡走は好走サイン

ここからは前走成績を参考に好走パターンについて具体的に掘り下げてみたい。


過去10年小倉大賞典前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走クラスでは格上の前走GⅠ【1-0-1-6】勝率12.5%、複勝率25.0%、GⅡ【1-4-2-15】勝率4.5%、複勝率31.8%が目立つ。今年はエリザベス女王杯9着ランブリングアレー、菊花賞16、18着ヴァイスメテオール、ワールドリバイバルなどが出走予定。ただし好走は有馬記念、ジャパンCの2レース限定。エリザベス女王杯、菊花賞ともに【0-0-0-1】。なんともいえないが、少なくとも好走パターンとはいいがたい。

今年注目は前走GⅢ【5-4-6-72】勝率5.7%、複勝率17.2%。その内訳は中山金杯【4-1-2-21】勝率14.3%、複勝率25.0%、福島記念【1-0-0-4】勝率、複勝率ともに20.0%、京都金杯【0-0-2-14】複勝率12.5%。特に前走中山金杯は単勝回収値245と妙味を感じる。今年は中山金杯2着スカーフェイス、8着アールスターがいる。


過去10年小倉大賞典前走中山金杯組着順別成績,ⒸSPAIA


中山金杯での着順別成績を出すと、4着以内【1-1-1-3】と好走組も当然OKだが、6~9着【1-0-1-7】勝率11.1%、複勝率22.2%も侮れない。21年11番人気で勝ったテリトーリアルも前走中山金杯6着からの激走だった。20年小倉記念覇者アールスターが面白い。昨年のこのレース4着、この冬は中山で7、8着も着差はどちらも0.5。見切りをつけるのは早い。


過去10年小倉大賞典前走非重賞組距離別成績,ⒸSPAIA


最後に重賞組以外にはどんな傾向があるか調べる。前走がオープン・リステッド以下だった馬の距離別成績は、今回と同じ1800mが【0-1-0-10】複勝率9.1%と苦戦。格下から来る馬は2000、2400m【2-0-1-11】もしくは1600m【1-1-0-7】が好走パターン。壇之浦Sを勝ったアリーヴォはこのパターンに当てはまらない。狙うなら前走で中山芝1600mを走ったノルカソルカ、ジェネラーレウーノだ。

冒頭の年齢別データから高齢馬という条件を加えると、アールスター、ジェネラーレウーノが穴候補として浮上する。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。


小倉大賞典インフォグラフィック2,ⒸSPAIA



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