【ダイヤモンドS】メロディーレーンに勝機あり!  上がり馬テーオーロイヤル、万葉S好走馬など今年も混戦模様!

勝木淳

ダイヤモンドSインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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1番人気堅実、4歳優勢

東京砂漠フェブラリーSの前日は恒例の東京マラソンダイヤモンドS。舞台は東京競馬場芝3400m。冬はダートも旬だが、長距離も熱い。ステイヤーズS、万葉S、ダイヤモンドSと続き、春の阪神大賞典、天皇賞(春)へ。長距離戦線への挑戦権をかけた冬でもある。ここでは過去10年間のデータを使用、レース傾向についてひも解いていこう。


過去10年ダイヤモンドS人気別成績,ⒸSPAIA


年に一度の芝3400m戦。さらにハンデ戦とあって混戦模様。波乱も期待したくなるが、1番人気は【6-2-0-2】勝率60.0%、複勝率80.0%とイメージとは裏腹に堅実。馬券圏外は16年タンタアレグリア、20年タガノディアマンテの2頭。とはいえフェイムゲームやアルバートといったステイヤー専門の猛者たちの名前が並ぶように、3000m超のスペシャリストがいればという条件もつく。今年は3000m超の重賞勝ち馬は不在。混戦模様に変わりはない。

2番人気こそ【0-2-4-4】複勝率60.0%だが、以下は8番人気まで横一線といった印象。10番人気以下も12年15番人気ケイアイドウソジン、20年16番人気ミライヘノツバサと2勝。絞って買えるレースではない。


過去10年ダイヤモンドS年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢別でみると、4歳が【2-3-4-10】勝率10.5%、複勝率47.4%で高確率。今年も上がり馬テーオーロイヤルが初重賞制覇を狙う。年上は5歳【3-2-0-25】勝率10.0%、複勝率16.7%、6歳【3-1-4-27】勝率8.6%、複勝率22.9%、7歳以上【2-4-2-54】勝率3.2%、複勝率12.9%と差がなく、やはり幅広く検討しなければならない。


ここはチャンスだ、メロディーレーン!

このままでは有効なデータが見当たらないので、前走成績からもっと具体的かつ、明確な傾向がないか探っていきたい。


過去10年ダイヤモンドS前走クラス別成績,ⒸSPAIA


まずは前走GⅠ【1-3-0-10】勝率7.1%、複勝率28.6%、GⅡ【4-2-5-36】勝率8.5%、複勝率23.4%の重賞組に注目した。


過去10年ダイヤモンドS前走GⅡ組レース別成績,ⒸSPAIA


前走GⅡ組についてレース別成績を出すと、AJCC【3-0-0-8】勝率、複勝率ともに27.3%が目立つ。勝った3頭のうち2頭はAJCC3着の好走馬。10着以下だと【1-0-0-3】。AJCC12着からフェイムゲームが巻き返した。今年は11着だったアンティシペイトがいるものの、さすがにフェイムゲームと比べると、適性で見劣り、巻き返せるかどうか。

次にいいのはステイヤーズS【1-2-2-16】勝率4.8%、複勝率23.8%。しかし直近の3000m超重賞の割に機能しているとはいいがたい。ここはしっかり傾向をつかもう。


過去10年ダイヤモンドS前走ステイヤーズS組着順別成績,ⒸSPAIA


ステイヤーズS組の着順別成績を確認すると、4着以内【1-2-1-6】、5着以下【0-0-1-10】と好走馬を素直に買いたい。今年のメンバーでは4着だったトーセンカンビーナを評価。5着ゴースト以下はやや狙いにくい。


過去10年ダイヤモンドS前走GⅠ組レース別成績,ⒸSPAIA


次に前走GⅠ組【1-3-0-10】についてレース別成績をみる。有馬記念【1-1-0-1】勝率33.3%、複勝率66.7%はサンプル数こそ少ないものの、メロディーレーンには追い風になる。出走馬3頭は有馬記念6着以下、かつ中団より後ろで競馬していた。体は本当に小さいが、3勝クラス突破は芝3000mの古都S。東京の長い直線でスタミナ比べになれば、見劣りはしない。


万葉S上位組も侮れない

前走重賞組についてはこの辺にして、最後に前走オープン【4-3-2-39】勝率8.3%、複勝率18.8%、3勝クラス【0-1-3-16】複勝率20.0%を詳しく調べていこう。


過去10年ダイヤモンドS前走万葉S組着順別成績,ⒸSPAIA


オープンの中心はやはり万葉S【2-2-2-27】勝率6.1%、複勝率18.2%が中心。その着順別成績は基本的にステイヤーズSと同じパターン。2着【1-2-0-2】など5着以内が【2-2-2-15】で6着以下だと【0-0-0-12】。2着レクセランス、4着マンオブスピリットまでが圏内か。


過去10年ダイヤモンドS前走3勝クラス組距離別成績,ⒸSPAIA


格下3勝クラスからここに挑む馬については前走距離別成績で判断したい。長ければOKというわけでもなく、前走が中山芝2500mだと【0-0-0-3】。前走2400mは【0-1-2-9】複勝率25.0%なので、ヴェローチェオロよりテーオーロイヤルを買いたい。秋復帰後3連勝でOP入り。東京新聞杯を勝ったイルーシヴパンサーと似た近況。そのレース内容から極端に上がりが早くなると辛いが、34~35秒台で通用するようなら食い込む可能性は高い。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。


ダイヤモンドSインフォグラフィック2,ⒸSPAIA



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