【きさらぎ賞】基本的には前走3着以内の馬から 京大競馬研はフォースクエアに期待

京都大学競馬研究会

きさらぎ賞インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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好成績残す前走3着内馬

2月6日(日)中京競馬場できさらぎ賞(G3・2000m)が行われる。今年は東スポ杯4着ダンテスヴューをはじめ、ホープフルSからマテンロウレオ、アスクワイルドモア、シェルビーズアイが出走するなど好メンバーが揃った。

同コースで行われた昨年は上位人気3頭での決着となった。今年は前走敗戦からの巻き返しを図る実績馬か、それとも新馬、未勝利戦を勝ちあがった組が勢いそのまま好走を見せるか、はたまた意外な馬が台頭するのか。過去のレース・コース傾向を踏まえて予想していきたい。


過去10年きさらぎ賞前走着順別成績,ⒸSPAIA


まずは過去10年のきさらぎ賞における前走着順別成績について調べた。なお、昨年3着に入ったランドオブリバティはきさらぎ賞前のホープフルSで逸走、競走中止となっているため、便宜上その前の芙蓉S(1着)での成績を対象とした。

データを見てみると、前走3着内に入った馬と4着以下に沈んだ馬では成績に大きな差があることが分かった。前走1着馬は【5-6-5-21】、前走2着馬は【2-1-3-8】、前走3着馬は【2-2-0-4】。サンプル数に差はあるが、どれも連対率は20%を、複勝率は40%を超えている。過去10年で9頭の勝ち馬が「前走3着以内」を満たしており、今回もこの条件に合致する馬が好走を期待できる。

一方で、前走4着以下に沈んでしまった馬は【1-1-2-29】と、勝率、連対率は10%を切り、複勝率も12.1%。前走で3着内に入った馬と比較するとかなり苦戦していることが分かる。今回は中京2000mでの開催でこれまでと傾向に違いが生じる可能性はあるが、基本的には前走好走した馬を中心に狙っていきたい。



中京芝2000m×3歳で狙いたいエピファネイア産駒

過去5年中京芝2000(3歳馬)種牡馬別成績,ⒸSPAIA


次に、中京芝2000m×3歳馬という条件での種牡馬別成績(過去5年間)を調べた。今回注目したのはエピファネイア、キズナ、キングカメハメハ、ハーツクライの4頭。まず、この中で特徴的な成績を示しているのはエピファネイア産駒だ。勝率こそ5%台と低いが、連対率は28.9%、複勝率36.8%。後に述べる種牡馬らと比較してかなり優秀な成績を残している。さらに、複勝回収率に関しては150%超と今回名前を挙げる馬の中では最高の値を記録しており、人気以上の好走が期待できる。

エピファネイア産駒と逆ベクトルで特徴的なのがキズナ産駒。勝率は11.8%と高いものの、連対率・複勝率も同じく10%台と低調な数字になっている。複勝回収率も33%と注目した4頭の中では最も低い。高い勝率の割には単勝回収率も低く、人気馬が好走するケースはあるが、それ以外での好走は厳しいように思われる。

ダンテスヴューが該当するキングカメハメハ産駒は勝率・連対率・複勝率とも目立った数字ではなく、このコースでプラスになるという事はなさそうだ。ハーツクライ産駒は連対率20%を超える好成績で、今回も連に絡んでくる可能性はある。


前走好走馬を中心に勝負、本命は相性抜群エピファネイア産駒!

◎フォースクエア
本命に推すのはエピファネイア産駒フォースクエア。前走では出遅れがあったものの道中は好位で競馬を進め、直線では器用に内を通り、後続の追撃を凌いで1着。その後すぐに勝ち上がった2着ゴールドローズの末脚を交わした点、掛かりながら上がり34.1秒を記録した点、かつ気難しい面もあったが高い操縦性を見せた点は内容としても高く評価できる。

当馬はきさらぎ賞で好成績を残す「前走3着内」に当てはまり、中京芝2000m×3歳の条件で相性抜群なエピファネイア産駒でもある。調教もしっかり動けており、また馬体の出来もよく、レース間隔は空いているが勝利を十分に狙える。出遅れは心配だが、好位での競馬が出来れば理想的だ。

◯ストロングウィル
対抗にはシルバーステート産駒、ストロングウィルを選んだ。新馬戦こそ2着となったが前走の未勝利戦では余裕をもっての快勝。格上との対戦にはなるが、未勝利戦から一段上の走りをすることが出来ればこのメンバー相手でも十分勝負できると判断した。前走好走のデータに加え、調教も抜群。今回はそこまで人気を集めることもなさそうなので、厳しいマークをされずに走れそうなのもプラスだ。

▲マテンロウレオ
3番手にはマテンロウレオを選んだ。前走ホープフルSは6着ではあったが4着馬までとは差がない結果であり、追われてからの反応も悪くなく、またその後の伸びも及第点を与えられるものであった。中京芝2000m×3歳の条件でハーツクライ産駒が連対率20%超えと一定の成績を残しているのも評価できる。前述の通り、前走馬券外に沈んだ馬は【1-1-2-29】とかなり悪いが、この馬は巻き返し可能だと判断した。

△セルケト
4番手にはセルケトを推す。マイル戦だった新馬は距離が短い印象を受けたが、距離を延ばした前走の未勝利戦では好位からの競馬で勝利。今回も牡馬との対戦にはなるが、2000mの距離でなら好勝負になるとみて狙ってみたい。

×ダンテスヴュー
5番手はダンテスヴュー。これまで紹介してきたデータ上は好走を期待しにくい面はあるが、天気予報によると土曜日は天気が悪そう。レース当日の馬場が渋れば他馬よりは適性があると判断して印を打った。当日上がりがかかる馬場になっているなら抑えておきたいが、それ以外なら思い切って消してもいいかもしれない。

消アスクワイルドモア、エアアネモイ
前者は前走馬券外、キズナ産駒とデータ上狙いにくい。後者に関しては、前走はスローな逃げで最後は後続を突き放しての完勝だったが、今回は相手も強くなり楽には逃げさせてくれないと予想しここは見送り。前走で戦った馬たちの次走成績も悪く、人気と信頼度にはかなり差がある。

買い目は◎から印を打った馬への馬連、三連複で勝負。◎、◯の馬の名前の由来はどちらも「意志」にあるそう。今回は、「意志」ある2頭に要注目だ。(文責:國井)

▽きさらぎ賞予想印▽
◎フォースクエア
◯ストロングウィル
▲マテンロウレオ
△セルケト
×ダンテスヴュー

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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