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【東京新聞杯】過去5年は4、5歳勢が上位独占 安定感光るホウオウアマゾンに注目

2022/02/03 06:00
坂上明大
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馬場と展開に要注意

東京新聞杯では過去5年、4歳馬が【3-3-3-12/21】、5歳馬が【2-2-2-16/22】と4~5歳馬が上位を独占している。特に、昨年後半は現4歳勢が猛威を振るっただけに、今年は4歳勢に注目が集まるところだ。4歳馬を中心に、参考レースから有力馬の力関係を整理していく。

東京新聞杯の参考レース,ⒸSPAIA


【京成杯AH】
約4カ月ぶりの開催で良好な馬場状態。時計は速めで、「稍内有利」のトラックバイアスでもあったか。レースはコントラチェックが引っ張って、3F別ラップは34.6-35.2の前傾0.6秒。さらに、中盤2Fは22.2秒となかなか厳しいラップを刻んでおり、逃げたコントラチェックは気分良く行けたが、他の先行勢にはかなり厳しい展開となった。「後有利」と評価。

1着馬カテドラルは1枠2番から中団のインで脚をタメ、4角から馬群を捌きながら末脚を伸ばす形。やや窮屈な競馬ではあったが、馬場と展開を味方にした感は否めないか。ただ、若駒時はピッチ走法の一瞬の切れ味が持ち味だったが、現在はデインヒル的なスピードの持続力も兼備。安定感が増してきた印象だ。

5着馬カラテは外々を回らされた分、ラスト1Fで失速。グレナディアガーズとの比較では分が悪いが、カテドラルとの比較では逆転可能な力関係だろう。

7着馬マルターズディオサは立ち遅れて後方からとなったが、3~4角も内目で我慢した分、馬場と展開は味方した印象。季節的にも逆転までは望みにくいか。

負けて強しのGⅠ2着

【秋華賞】
内回りは内々を回った馬の好走が目立っており、本レースも上位馬で外を回したのはファインルージュのみ。「内有利」のトラックバイアス。レースはエイシンヒテンが引っ張り、前後半1000m61.2-60.0。1200~1600mを11.5-11.3で通過しているが、当時は3~4角追い方向の強風を受けており、数字ほど一気にペースアップしたわけではない。コースなりの持続力勝負だったとみる。

2着馬ファインルージュは中団の外で脚をタメ、3~4角も外々を回る形。直線でも逆手前のままと、勝ち馬アカイトリノムスメとは逆転可能な力関係だろう。桜花賞3着馬でもあり、当然1600mは得意距離のひとつ。年長馬&牡馬相手とはいえ、素質上位の一頭であることは間違いない。

安定した先行力と末脚

【阪神C】
開催終盤の傷んだ馬場状態で時計は稍遅めだが、内外に極端な差は感じられず。レースはファストフォースがハナを取り切ってペースを落とそうとするも、他の先行勢が競りかけたことで中盤も緩まない展開に。前後半3F34.3-35.0の前傾0.7秒は直線向かい風を考慮すれば近年の阪神Cらしい落ち着いた数字だが、中盤もここまで緩まない流れでは、さすがに行った行ったの展開にはならなかった。比較的全馬が力を出しやすい展開だったといえるだろう。

2着馬ホウオウアマゾンはいつも通りの先行策からの粘り込み。余裕残しの仕上げだった3着馬ダノンファンタジーとの比較ではやや劣るものの、安定したパフォーマンスは高く評価できる。決め手に欠けるが、大崩れも考えづらい一頭だ。

9着馬ケイデンスコールはGⅠ後で過去最高馬体重。久々の1400m戦で、レースにも参加できなかった。本調子ならホウオウアマゾンとの差はそれほど感じない…が、さすがに59キロは苦しいか。

昨年覇者vs4、5歳勢

安定感光るホウオウアマゾン。フォトパドックを見る限り、体つきも大人になってきた印象だ。善戦続きにピリオドを打てるか。昨年覇者カラテも気配の良さが目立つ。年明け、4カ月ぶりのニューイヤーSを制しており、連覇の可能性も十分だ。本記事では触れられなかったが、OP特別3連勝中のプリンスリターンにも要注意。

注目馬:ホウオウアマゾン、カラテ、プリンスリターン

ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。
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