【シルクロードS】マイナスデータ抱える馬多し 「牝馬でハンデ55キロ」カレンモエ、復帰戦から全開!

門田光生

シルクロードSの前走条件別成績(過去10年),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

昨年に引き続き中京開催

2022年1月30日に第27回シルクロードSが行われる。昨年に引き続き中京競馬場が舞台となるのだが、イレギュラーな形、特にデータ予想では重要ポイントになる開催場所が変わることについて、そのまま過去(シルクロードSの場合は京都で行われたレース)のデータを当てはめていいのか悩むところ。

ただ、幸い昨年も中京で行われたということで、過去の傾向が昨年も同じだったのか、それとも違うのか、データごとに分けて検証していきたい。

シルクロードS出走馬の所属,ⒸSPAIA
シルクロードS出走馬の性別,ⒸSPAIA
シルクロードS出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆所属と性別、年齢
ホームである栗東所属馬が12連勝中。当然のことだが、ここ10年はすべて栗東組が勝っている。2、3着も8回ずつあり、栗東所属馬が上位独占というケースがほとんど。昨年も1~3着までが栗東所属馬だったから、中京でもこのデータは生きているようだ。

性別だと、牡馬・セン馬が14連対(7勝)、牝馬は6連対(3勝)。出走頭数は牝馬の方が少なく、勝率と連対率では大きな差は見られなかった。その牝馬だが、馬券に絡んだのはすべて栗東所属馬。美浦の牝馬はすべて着外と苦戦している。

年齢別で調べると、4、5、6歳はいずれも5連対以上で、勝率や連対率も似たような数字。7歳以上は49頭が出走して1勝のみ(2017年ダンスディレクター)。中京で行われた昨年も3着以内がすべて6歳以下だったので、データ通り4~6歳馬が中心と考えていいだろう。

不振の美浦所属馬だが、馬券に絡んだ4頭のうち、2頭が4歳牡馬。美浦の4歳牡馬は4頭しか該当例がなく、このパターンだけはマイナスデータから除外してよさそう。

シルクロードS出走馬のハンデ(牡・セン馬),ⒸSPAIA
シルクロードS出走馬のハンデ(牝馬),ⒸSPAIA


☆ハンデ
ハンデは牡・セン馬と、牝馬に分けて考えみる。牡・セン馬の方は割と簡単で、勝ち馬のすべてが56キロ以上。55キロ以下だと2着(1回)が最高だから、ハンデ56キロ以上が好走の目安となる。

牝馬はというと、連対馬が出ているのは53キロ【0-2-2-6】、55キロ【2-1-0-6】、そして55.5キロ【1-0-0-0】の3パターン。なぜか奇数ばかりである。偶数である52キロ以下、54キロ、そして56キロのハンデに該当する馬は馬券に絡んでいない。

シルクロードS出走馬の前走クラスと前走,ⒸSPAIA


☆前走クラス、前走
重賞を使っている組が8勝、2着4回。オープン組も7連対(2勝)と頑張っているが、出走頭数が多く勝率、連対率とも物足りない数字。条件組は1着馬なし。牡・セン馬はより重賞組が活躍の傾向で、特にGⅠ組は【2-2-1-4】。半分以上が馬券に絡んでいる。逆に牝馬でGⅠを経由してきた組はすべて着外。牝馬の場合、オープン組が3連対となり、重賞組を上回る数字を残している。

レース別だと、京阪杯組が4勝、2着2回と相性のよさを見せている。スプリンターズS組も4連対と悪くない。結果が出ていないのは淀短距離S。特に淀短がリステッドに昇格した2019年以降は【0-0-1-14】。昨年も4頭が出走して、最高着順が8着。場所が変わっても、このデータは有効のようだ。また、前走がハンデ戦だった馬は35頭出走したが、ここから連対馬は1頭も出ていない。

シルクロードSにおけるプラスデータ,ⒸSPAIA
シルクロードSにおけるマイナスデータ,ⒸSPAIA


☆その他
そのほかで気になったデータを取り上げてみる。まずプラスデータだが、前走馬体重が440~458キロだった馬の成績が、ほかの馬体重の馬と比べると好走確率がかなりアップしている。

ただ、京都より馬力がいる中京で行われた昨年は、1~3着馬が498、506、512キロ。ここだけを切り取ると大型馬狙いもありだろう。このデータは、今回に関しては参考程度とする。

マイナスデータだが、まずは前走でマイル戦を使っていた馬は連対馬なし。前走でコンマ8秒以上負けていた馬、そして前走から斤量が減った牡馬とセン馬からも勝ち馬が出ていない。最後にノーザンファーム生産馬が【1-0-0-12】。この牧場の実績を考えると、このレースとは相性がよくないといわざるを得ない。

マイナスデータを抱える馬が多い

シルクロードSのデータをまとめると、まず好走確率が上がるのはA「牡、セン馬ならハンデ56キロ以上、牝馬なら53、55、55.5キロ」B「牡馬で前走がGⅠ」C「京阪杯組」。

勝率が下がってしまうのはD「美浦所属の牝馬」E「美浦所属牡馬で4歳以外」F「7歳以上」G「前走が淀短距離S」H「牝馬で前走がGⅠ」I「前走がハンデ戦」J「前走がマイル」K「前走でコンマ8秒以上の負け」L「前走から斤量減(牡・セン馬)」M「ノーザンファーム生産馬」。

登録数が多いのでふるいにかけようと、今回は多めにマイナスデータを用意してみた。結果はというと、登録馬23頭中で残ったのはエーポスとカレンモエだけ。思った以上に絞れた。エーポス、カレンモエともに「牝馬なら53、55、55.5キロ」のプラスデータに該当。違う点は、前走で使ったレース。エーポスが使ったラピスラズリSは、リステッド格付け前を含めて【0-0-1-9】。

一方、カレンモエが使ったセントウルSは【0-0-0-1】とサンプル数が少ない。カレンモエは昨年9月以来の実戦となるが、同じく9月(10月1週目の場合もある)に行われるスプリンターズSからの直行組が結果を出していることから、間隔空きは気にしなくていいだろう。

また、唯一のセントウルS組であるセイウンコウセイ(2021年)は、15番人気で5着と人気以上の走りを見せていた。問題なしとみてカレンモエを本命、対抗にエーポスとしたい。

以下をどうするかだが、マイナスデータの中でも、これまで連対馬が出ていないD「美浦所属の牝馬」H「牝馬で前走がGⅠ」I「前走がハンデ戦」J「前走がマイル」に該当する馬は除外。リステッド昇格後の淀短組からも連対馬が出ていないので、G「前走が淀短距離S」も加えていいだろう。

残ったのはサヴォワールエメ、ジャンダルム、ビアンフェ、レッドアンシェルの4頭。このうちマイナスデータが1つしかないのはサヴォワールエメとビアンフェで、最多の勝ち馬を出している京阪杯組の前者を上にとる。

また、レッドアンシェルはプラスデータが2つあるが、それより多い3つのマイナスデータがあるので消し。5番手はプラスもマイナスも2つずつのジャンダルム。プラスデータはないが、マイナスデータも1つしかないザイツィンガーを穴で。

◎カレンモエ
◯エーポス
▲サヴォワールエメ
△ビアンフェ
×ジャンダルム
×ザイツィンガー

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
1月が「往ぬる」とはよく言ったもので、2月は目前に迫っています。その2月も「逃げる」、3月も「去る」。あっという間に春となりそうですが、懐だけ冬のまま置いていかれないように気を付けたいところです(笑)。

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