【AJCC】2200m以上のスタミナが重要な一戦 東大HCの本命は菊花賞2着オーソクレース

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AJCCインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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好位から押し切る

1月23日(日)に中山競馬場で行われるAJCC(GⅡ・芝2200m)。今年の中長距離戦線を占う伝統の一戦に歴戦の古馬14頭が集結した。骨折からの復帰後も目覚ましい活躍を見せているオーソクレースや、比類ない安定感を誇るポタジェが出走を予定している。信頼できるのは果たしてどの馬か、今週もデータを踏まえて検討していこう。

初めに、過去10年の傾向を分析する。


過去10年AJCC好走馬4角位置,ⒸSPAIA


4角での位置取りが鍵を握るレース。勝ち馬10頭中8頭が4角5番手以内に位置していたように、積極的な位置取りが求められる。また4角5番手以内の馬で1~3着を占めた年が約半数の4回にも上るなど、極端な前有利の傾向になっている。脚質別で見ても、やはり先行が【7-6-2-22】と圧倒的に優秀。差し馬は2勝に留まり、追い込みを選択した馬に関しては一度も馬券に絡んでいない。好位につけて押し切る戦法を取れるか否かが勝敗を分けそうだ。


距離短縮が吉と出る

AJCC前走距離別成績,ⒸSPAIA


続いて前走距離別成績に目を向ける。同距離組は不振だが、2200mという条件は特殊で出走数も少ないため無視してよい。重要なのは距離延長組と距離短縮組との比較。連対率や複勝率にさほど差は見られないものの、勝率に関しては延長組が4.2%、短縮組が12.5%と圧倒的に後者が有利。勝ち馬10頭中実に7頭が距離短縮で臨んでいた。単勝回収率141%という数字は、短縮組が人気薄でも好走しうることを意味している。急坂のある中山では、実際の距離以上にスタミナが求められるということだろう。

距離短縮に該当するレースとして注目すべきは菊花賞と有馬記念だ。それぞれ【1-3-0-4】、【3-0-0-9】と優秀。今年はオーソクレースが菊花賞以来の、アサマノイタズラが有馬記念以来の出走となる。


今年も菊の舞台から

◎オーソクレース
ホープフルS2着、セントライト記念3着と、中山適性は十分。怪我からの復帰後も重賞で連続して馬券に絡んでおり、今回の出走馬なら実力は抜けている。また4歳馬は【2-5-3-12】、複勝率は45.5%と、馬券の軸としては最適だ。相変わらずルメール騎手は不調だが、最近の重賞は能力の未知な馬による3歳戦で、騎手で過剰人気していた面も。有馬記念でクロノジェネシスを馬券内へもってきたように、古馬の一戦となればルメール騎手は堅いだろう。昨年の覇者アリストテレスと同様、菊の舞台から飛躍を狙う。

◯ポタジェ
ディープインパクト産駒ながら瞬発力より持続力を武器にするタイプ。今回のような力のいる馬場は合うだろう。実際、中山の新馬戦を勝利していて、コース適性の心配はない。この馬の強みは何といっても安定感で、馬券外に外れたのは昨年の天皇賞(秋)のみ。これはエフフォーリアら3強が激突した伝説の一戦で、相手が悪かったとしかいいようがない。ちなみに金子オーナー×友道調教師×川田騎手は先週の日経新春杯を制したヨーホーレイクと同コンビだ。2週連続勝利に期待がかかる。

▲ラストドラフト
2年連続でAJCC3着。近頃は凡走が続いているが、昨年も一昨年もAJCCの前に凡走する時期があった。相手関係を見る限り、再び3着に食い込んでもおかしくはない。戸崎騎手とは相性が良く、アルゼンチン共和国杯で2着に入った実績がある。

△ボッケリーニ
中日新聞杯では上がり33秒5を叩き出すなど、進路が開いてから繰り出す末脚は一級品。前走は差しきれず4着に終わったが、スローペースが響いた模様だ。戦歴が2000mまでである点こそ気にかかるものの、ここは横山武史騎手の手綱捌きに託したい。

以下、相手として、中山【4-1-1-1】と好相性なスマイルを押さえる。一発に警戒してアサマノイタズラまで買い目に入れておく。

◎オーソクレース
◯ポタジェ
▲ラストドラフト
△ボッケリーニ
×スマイル
×アサマノイタズラ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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