【東海S】中京ダートは「差し」「パワータイプ」が好走 ケンシンコウなど穴候補多数の混戦

三木俊幸

2022年東海S馬場適性分布図,ⒸSPAIA

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上がり35秒台の勝ち馬は1頭のみ

フェブラリーSの前哨戦であり、昨年末のチャンピオンズCと同じ舞台で行われる東海S(GⅡ・ダート1800m)。連覇を狙うオーヴェルニュ、地方から参戦するサルサディオーネをはじめ多彩なメンバーが顔を揃えた一戦について占っていく。

年末最後の1週間は空いたものの、連続開催が続く中京競馬場。チャンピオンズCは良馬場でも上がり35秒台の決着が多い傾向にあるが、寒さが一段と厳しくなると凍結防止剤が撒かれる影響からか、力を要する馬場へと変わる。

2013年から1月の中京開催で行われるようになった東海S(2020年京都開催を除く)の1着馬で、上がり35秒台をマークしたのは2019年のインティのみ。馬場状態を問わず上がりのかかる決着が多く、瞬発力が武器の馬よりはパワー型が好走している傾向にある。

昨年の12月17日と先週、1月13日の2回凍結防止剤が撒かれている中京ダートコース。今週も最低気温がマイナスになりそうな日が多く、散布の可能性がある。

そこで1回目の凍結防止剤が散布された12月18日から先週末1月16日までの期間に中京ダート1800m以上・2勝クラス以上で行われた6レースの脚質別成績を調べてみた。結果は逃げ0勝、先行1勝、差し2勝、追込2勝。2・3着馬の成績でも差しは2着2回、3着2回、追込は3着2回と、中団より後ろからでも届くレースが多かった。

差し脚質のパワータイプに期待

2022年東海S出走馬の馬場適性,ⒸSPAIA



近2戦逃げる競馬をしているアイオライト、比較的速いペースで後続に脚を使わせるレースでJRA勢相手に好走しているサルサディオーネがおり、ペースが遅くなることはなさそう。そうした点も踏まえつつ、注目馬をピックアップした。

【サンライズホープ】
長く良い脚を使えるパワータイプという面から取り上げたいのはサンライズホープ。5走前の灘Sは良馬場で上がり38.4、4走前の三宮Sは稍重・スローペースで上がり36.4、2走前のシリウスSは良馬場のハイペースで上がり37.9、いずれも勝利している。

敗れた3走前のプロキオンSはレース上がりが35.9、前走のチャンピオンズCはスローペースでレース上がり36.0と条件が向かなかった。前走は馬体重がプラス14kgと大幅増だったので、馬体は絞れていてほしいが、今回は同馬に合った条件でレースを迎えられそう。

【スワーヴアラミス】
前走のチャンピオンズCはスタートで出遅れて後方からの競馬。直線でもスムーズに捌けないところがありながら、最後まで伸びていた。2020年のマーチSは上がり37.4、4走前のエルムSは上がり37.6と上がりのかかるレースで結果を残しており、多少パワーが求められる馬場が合っている。スタートを決めて流れに乗れれば、チャンスがあってもいい。

【ゲンパチルシファー】
過去3着内に好走した17回中15回が上がり37.0以上、自己最速でも36.3という典型的なパワータイプ。前走のベテルギウスSは最後方からのレースとなったが、本来は好位から中団でレースを進めることができる。それだけに今の馬場を味方にでき、ハイペースでバテ比べの展開になればより強みを活かすことができるだろう。

【ケンシンコウ】
あまり当てにならないタイプではあるものの、3走前のジュライSでは後にみやこSを勝利するメイショウハリオに0.8秒差をつけて勝利している。上がりのかかるレースを得意とするタイプなので、一発の魅力を感じる穴馬として推したい。

【スマッシャー】
2走前は上がり良馬場で35秒台が求められる展開が向かず、前走は4角から直線に向いた時点で挟まれる不利があった。ベストは水分量の多い馬場だが、中京ダートコースは昨年後続に1.2秒差をつけて圧勝した舞台。初の1800mという条件も合いそうだという点から取り上げたい。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとして記事を執筆している。

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