【愛知杯】先週1着馬の92.3%が4頭目より内を選択 内有利の馬場で中心はアンドヴァラナウト

三木俊幸

2022年愛知杯の馬場適性分布図,ⒸSPAIA

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開幕日から一転して内の先行馬有利

1月15日(土)に中京競馬場で行われるのは愛知杯(GⅢ・芝2000m)。牝馬限定のハンデ重賞で1月の開催で行われるようになった2016年以降は、1番人気と2番人気が揃って3着内に好走した例はなく、毎年8番人気以下の馬が波乱を演出している。

難解なレースを占うにあたり、まずは先週末の3日間開催の中京芝コースの馬場傾向から振り返っていく。クッション値は土曜日が10.0、日曜日は10.3、月曜日が10.5。ゴール前の含水率は13.3%→13.7%→13.0%で推移し、3日間とも良馬場でのレースとなった。

【1月8~10日中京芝コース3着内馬の脚質


開幕日は比較的差しが決まっていた馬場状態で昨年の開催とは違うかと思っていたが、勝ち馬の4角通過順位を見ると、4角先頭が4勝、4角2〜4番手が7勝で全13レース中11レースが4角4番手以内と一転して、先週末は先行有利の馬場となっていた。

しかし、2・3着に限ると4角4番手以内が46.2%だったのに対し、4角5番手以下が53.8%と上回っており、4角8番手以下からでも全体の26.9%にあたる7頭が届いている。

【1月8~10日中京芝コース3着内馬の直線進路


続いて、3着内馬の直線残り200m付近での進路を見ると、勝ち馬は最内が3勝、内から2〜4頭目が9勝で全体の92.3%を占めるという結果が出ており、内有利の傾向が顕著だった。

それでも3日間開催最終日は勝ち馬全て4頭目より内を通っていたものの、4レース中3レースの2着馬は内から5頭目、8頭目、9頭目を伸びてきており、内から7頭目、12頭目を通って3着となった馬も出てきていた。

連日使われた影響で外が伸びてきたのか、それともこれらのレースは平均ペースまたはハイペースだった影響なのか判断が難しいが、愛知杯は土曜日に行われるということを踏まえても、引き続き内有利の傾向が続きそうだと考える。

ローズSを勝利した舞台

2022年愛知杯出走馬の馬場適性,ⒸSPAIA



そうした点を踏まえつつ、注目馬をピックアップ。いつものように特に注目したい馬には☆をつけている。

【☆アンドヴァラナウト】
ここまでキャリア7戦全て3着以内と安定した成績を残している。今回と同じ舞台では2走前にローズSを勝利、前走の秋華賞でも3着となっていることからも力は上位。5番手あたりからレースを進めることができるタイプで、秋華賞は直線内から2頭目の馬群を割って伸びてきていることからも適性は高い。

【シゲルピンクダイヤ】
昨年の愛知杯は差し有利の展開となり敗れたが、中京芝2000mが舞台の中日新聞杯では一昨年2着、昨年3着と結果を残している。好位からレースを進めるタイプなので、先週末の馬場傾向が続いた場合は上位に顔を出すだろう。

【マリアエレーナ】
新潟牝馬Sで2着に負かしたソフトフルートは続くエリザベス女王杯で4着と好走していることを踏まえると力は通用する。3走前の高千穂特別は3番手から勝利しており、強力な先行馬いない今回は先行する競馬ができればチャンスありと見ている。

【クールキャット】
近2走は中団より後ろからの競馬となっているが、4走前のフローラSは4番手から抜け出して快勝。その後のオークスでは大敗したものの、逃げる競馬をしていることからも、先行策で馬場を味方につけることができれば一発あるかもしれない。

【マジックキャッスル】
昨年の優勝馬でその後、ヴィクトリアマイル3着など安定した成績を残している実績最上位馬。今回56kgでの出走となるが、クイーンS2着ということから問題なし。前走大敗していること、あまり後ろからの追走となった場合に届かないケースも想定できるが、押さえは必要だ。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとして記事を執筆している。

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