【日経新春杯】ステイゴールドやルーラーシップがここから世界に飛翔 新春ハンデ重賞の歴史

緒方きしん

日経新春杯過去5年の結果,ⒸSPAIA

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伝統の一戦、日経新春杯

シンザン記念はマテンロウオリオンが勝利。2着はソリタリオで、4番人気・2番人気での決着となった。また、モーリスは2年連続で産駒を馬券圏内に送り込んだ。

今週末は日経新春杯。昨年のクラシックで全て4着以内に食い込み、有馬記念でも4着に入ったステラヴェローチェが出走予定。さらにはスクリーンヒーロー産駒マイネルウィルトスやキングズベスト産駒ショウナンバルディ、グランプリボス産駒モズナガレボシやジャスタウェイ産駒ロードマイウェイといった馬たちが参戦を予定し、血統的にもバラエティに富んだ一戦となる。

古くはフレッシュボイスやランドヒリュウ、カミノクレッセが勝利。2000年以降もルーラーシップやトゥザグローリー、モズベッロらが制した伝統の一戦である。今回は日経新春杯の歴史を振り返る。

1番人気は3連勝ののち連敗中

日経新春杯過去5年の結果,ⒸSPAIA


ここ5年で1番人気馬は3勝。2013年からは1番人気馬が4連敗していたが、2017年にミッキーロケットが人気に応えると、そこから打って変わり1番人気馬が3連勝を収めた。しかしここ2年は再び連敗。2020年は4歳馬レッドジェニアルが7着、2021年は同じく4歳馬のアドマイヤビルゴが10着と大きく敗れている。特に昨年は上位人気馬が揃って崩れたため、馬連は580.6倍の大波乱となった。

過去には2016年シュヴァルグランや2006年インティライミといった4歳馬が、1番人気に支持されつつ敗れている。特に2009年から2011年にはヒカルカザブエやトップカミング、ローズキングダムと3年連続で『1番人気の4歳馬』が敗北した。

ただし4歳馬が苦手としているレースというわけではなく、むしろ絶好調。ミッキーロケットやグローリーヴェイズのように人気に応える馬がいるだけでなく、アドマイヤデウス(6番人気)やカポーティスター(10番人気)のように伏兵として制した馬もいる。2011年以降に開催された11回のうち実に8回で4歳馬が勝利している。

ステイゴールドが強さを見せつけた01年の日経新春杯

2001年の勝ち馬はステイゴールド。前年のオールカマーから、天皇賞(秋)、ジャパンC、有馬記念に続いて日経新春杯に挑戦と、今見ると5ヶ月連続出走という過酷な臨戦過程だった。さらには58.5キロという斤量を背負っていたが、上がり最速での勝利をあげた。

年明け初戦を勝利で飾ったステイゴールドは、その次走ドバイシーマCで勝利、さらには年末の香港ヴァーズでも勝利して種牡馬となった。オルフェーヴルやゴールドシップ、オジュウチョウサンなど、引退後の大活躍は説明するまでもない。

ちなみにステイゴールドは1994年生まれ。日経新春杯は、1998年エリモダンディー、1999年メジロブライト、2000年マーベラスタイマーと、1994年生まれの馬が4連勝しているレースでもある。そうした世代での繋がりも興味深い。

各馬の無事を切に願う

上述した1998年の勝ち馬エリモダンディーは、レース後に左第一指骨骨折が判明。その後、療養中に結腸捻転でこの世を去ってしまった悲運の名馬だった。レースでの勝ちっぷりからも、これからどういった活躍を見せてくれるか楽しみだった中で起こった悲劇である。

1978年の日経新春杯には、当時のアイドルホース・テンポイントが出走。イギリス遠征前の壮行レースとして、66.5キロのハンデを背負っての出走だったが、レース中に左後肢を開放骨折してしまう。延命のため当時における最先端の医療が施されたが、3月5日に天へとのぼった。社会的にも大きく取り上げられた、無念の事故だった。

昨年には2018年勝ち馬パフォーマプロミスが蹄葉炎で、2017年にも2015年勝ち馬アドマイヤデウスが移籍先のオーストラリアで、それぞれ早逝している。今年は年始から、ダービー馬ワグネリアンの急逝という本当に悲しい報道があったばかり。どうか出走馬たちが無事に走りきり、その後も良い馬生を送れるよう、声援を送りたい。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。


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