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【京都金杯】ザダル、末脚一閃! 今年もポイントは左回り 好走ベテラン勢のなかで次走狙ってみたい馬

2022/01/06 11:46
勝木淳
2022年京都金杯のレース展開,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

1、2着は左回り4勝、8勝

中京で行われる京都金杯は昨年と同じ。その昨年は当時、左回り巧者だったケイデンスコールが勝ち、2着もサウスポーのピースワンパラディ。12、2番人気で決まり、3着に14番人気エントシャイデンが入り、3連単122万円超の特大お年玉決着。左回りが最大のポイントとなった。

そして今年も1着7番人気ザダル、2着11番人気ダイワキャグニーと波乱。3着こそ2番人気カイザーミノルが入ったものの、3連単は19万円超。お年玉としては申し分なかった。さらに1、2着はそれぞれ左回り4勝、8勝、またも左回り巧者が波乱を呼んだ。

特に2着ダイワキャグニーは右回り未勝利の徹底したサウスポー。8歳でもう下り坂ではとみられていたが、そういった評価を振り払うような激走だった。ポイントは左回りという見立てならば、ダイワキャグニーは買わなければいけなかった。反省したい。

再浮上のきっかけをつかんだバスラットレオン

レースはサトノフェイバーが先手を奪うところを内からバスラットレオンが抵抗し、枠の差を活かしてハナをとった。バスラットレオンはNZTを逃げて圧勝して以来、NHKマイルC落馬競走中止、日本ダービー出走後、リズムを乱した。ダートに挑戦した武蔵野S13着大敗後、ここは休み明け。芝マイル戦でかつての自分のスタイルを取り戻そうという意図があった。

だからこそ、多少無理してでもサトノフェイバーを突っぱねた。12.1-10.5-11.5-12.0。前半600m34.1はやや早い入りだった。後続が離れ、縦長になりかけるも、4ハロン目で12.0と息を入れたことで、前半800m46.1と過剰なペースにはならなかった。だからこそ3、4番手のダイワキャグニー、ヴィジュネルも離されず馬群は一団で進んだ。

結果的に後ろは離され過ぎず、マイル戦らしく決め手を活かせる流れになった。バスラットレオンはもっと後続の脚を削りたかったが、このレースをきっかけに自分のスタイルを取り戻す余地はあった。

距離短縮で狙いたいダイアトニック

後半800mは11.7-11.5-11.6-12.0で46.8。マイル戦らしく均衡のとれた流れになり、後半は高次元のスピード勝負。最後の坂では持久力を求められた。左回り、かつ極端に軽いレースにならなかったからこそ、ザダルの末脚が活きた。序盤こそ置かれ気味だったが、4コーナーから直線入り口でよく我慢してダイワキャグニーの背後をキープし、抜け出したそのスペースを追いかけるように進んだ。どの馬の背後を攻めるかという松山弘平騎手の読みが冴えた。

重賞初制覇の昨年エプソムCもレース上がり34.9と東京としては最後に時計を要する流れ。持続力勝負の左回りでの好走は当然だった。そういった意味で中京の京都金杯はザダルにもってこい。2年前は中山金杯に出走。それ以後は右回りには出走せず、左回りにこだわってきた。ケイデンスコールやピースワンパラディに重なる面は多い。

2着ダイワキャグニーの左回り専用っぷりは言うまでもないが、マイル戦はこれまで【1-0-2-6】。勝利は3歳時のキャピタルSのみ。4年以上前だった。昨年はダートも含め、マイル戦は14、4、11、8着。年齢ともにマイルは厳しいと判断しても仕方なし。だからこそ、年齢を決め手にしてはいけなかった。まだまだ活力十分。オープン、GⅢレベルならば、左回りでいつも買い目に入れておきたい。

4着ダイアトニックは12番人気。昨年ケイデンスコールで一発決めた岩田康誠騎手が同じようにイン突き。あわやという見せ場を作った。さすがに馬が休み明け、久々のマイル戦で最後、息切れしたようだが、こちらも7歳のベテラン、ハンデ57.5キロ、その健闘を忘れずにおきたい。上がりはザダルに次ぐ2位を記録。距離を縮めてくるだろう次走は狙いたい。年男の岩田康誠騎手もさすがのイン強襲。内枠に入ったらぜひマークしておきたいジョッキーだ。

2022年京都金杯のレース結果,ⒸSPAIA



ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』 シリーズ全4作(星海社新書)。

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