【中山金杯】57.5キロのトップハンデはむしろ好材料! 東大HCの本命はトーセンスーリヤ
東大ホースメンクラブ
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有馬記念同様、積極的な位置取りを
1月5日(水)に中山競馬場で行われる中山金杯(GⅢ・芝2000m)。2022年中央競馬の開幕を告げる名物ハンデ重賞に17頭が顔を揃えた。チャレンジC2着のヒートオンビートや重賞戦線で活躍中のトーセンスーリヤが出走を予定している。波乱の気配漂う一戦を制するのは果たしてどの馬か。また、馬券で狙うべき穴馬はいるのか。今週もデータを踏まえて検討していこう。
はじめに、過去10年の傾向を分析する。
脚質別では先行、差し馬の成績が優秀。特に先行馬は勝率、連対率、複勝率ともにトップで、連対率3割超え。10レース中6レースで4角5番手以内の馬のワンツーとなっていることからも、前有利の傾向があるといえる。対照的に4角10番手以下は【0-0-2-59】とこちらはかなりの不振。
同じ中山内回りを使用するという意味では有馬記念を参考にするとよい。昨年の有馬記念を振り返ると、優勝馬エフフォーリアは道中から押し上げ、4角では5番手に位置していた。2着馬ディープボンドも同様に4角5番手。一方逃げ馬や極端な後方待機組は出る幕がなかった。最後の直線が短い分、4角で好位に付けることが必須となる。
重いハンデを背負う馬が好走
一般にハンデ戦においては、実績の優れた馬ほど重く、実績の乏しい馬ほど軽い重量を背負うことになる。しかし中山金杯に関していうと、斤量差は他のハンデ重賞ほど効力をもたない。過去10年の斤量別成績を見ると、ハンデ53キロ以下は23頭未勝利、対照的に57.5キロ以上の馬は4割超の連対率をマークするなど、軽ハンデ馬より重ハンデ馬の成績がいいことは一目瞭然だ。素直に実績や実力が反映されるレースだと見てよいだろう。
57.5kg以上を背負った馬に関しては、単回収率185%、複回収率147%と回収率も高い。これは本来実力のある馬が、ハンデの重さによって人気を落とすためだと考えられる。裏を返せば、ハンデを恐れず実績馬を買えるかどうかが馬券の鍵を握るといえるだろう。
脚質、中山適性を見て
◎トーセンスーリヤ
トップハンデの57.5kgを背負うように実力は折り紙付き。新潟記念で見せた末脚が記憶に新しいが、本来は前目で競馬を進めるタイプ。脚質的には今回のレースに合っている。また洋芝の函館記念を制していることから、タフな中山の馬場にも適性があると見た。
◯ウインイクシード
積極的な位置取りからしぶとく粘るのがこの馬の持ち味。中山競馬場は【2-4-3-4】、特に2000mでは【0-3-2-1】と相性がいい。中山金杯では2年連続で馬券に絡んでおり、今回は絶好の舞台といえる。ちなみに株式会社ウイン所有の馬は【1-2-1-0】、ウインブライトも18、19年に2年連続で連対している。馬主とレースとの相性にも注目したい。
▲ヒートオンビート
目黒記念、チャレンジCではどちらも中団でレースを進め、直線で脚を使い2着。中山経験こそないものの、阪神や中京で結果を残しているため急坂は問題ないだろう。昨年末にGⅠ・2連勝と絶好調の鞍上、横山武史騎手にも期待。ただ、今一つ決め手に欠けることから3番手に留める。
△ヴィクティファルス
近走の成績は芳しくないものの、共同通信杯ではシャフリヤール、ステラヴェローチェに先着しての2着。中山のスプリングSを制した実績もある。巻き返しがあってもおかしくはない。
以下、相手にはチャレンジCで上がり最速の脚を使ったスカーフェイスと、昨年の中山金杯で4着に入ったロザムールを押さえておきたい。
◎トーセンスーリヤ
◯ウインイクシード
▲ヒートオンビート
△ヴィクティファルス
×スカーフェイス
×ロザムール
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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