【京都金杯】鍵はOP級の左回りマイル勝利歴 京大競馬研は「生粋のサウスポー」ダイワキャグニーに期待

京都大学競馬研究会

京都金杯インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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軽斤量馬は苦戦傾向

1月5日(水)に中京競馬場で行われる京都金杯(GⅢ・芝1600m)。「1年の計は金杯にあり」とも言われる名物重賞。是非とも的中させて、いい形で2022年のスタートを切りたいところだ。京都競馬場改修工事のため今年も中京競馬場で行われる。参考にしづらい面はあるが、過去のデータも踏まえつつ予想していきたい。


過去10年京都金杯古牡馬斤量換算別成績,ⒸSPAIA


まずは過去10年の斤量別成績を見ていく。なお、ここでは5歳以上の牡馬に換算した斤量で集計した(つまり4歳馬は実際の数字に+1kg、牝馬は+2kgとしている。例:4歳牡馬55kgは換算56kg、4歳牝馬53kgは換算56kg)。

換算58kg【0-1-1-4】、同57.5kg【1-1-1-8】、同57kg【2-3-1-26】、同56.5kg【0-0-0-4】、同56kg【4-3-2-37】、同55kg【3-2-2-27】、同54kg以下【0-0-3-29】となっており、換算54kg以下の苦戦が目立つ。好走馬については出走数も多い換算56・55kgが多く輩出しているが、換算57kg以上の重斤量馬も比較的高いアベレージを記録している。ハンデ重賞ではあるが、極端な軽斤量でない限り斤量を気にする必要はさほどないとみてよいだろう。

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昨年は左回りのマイル実績馬が上位独占

2021年京都金杯左回りマイル芝OP勝利歴あり馬成績,ⒸSPAIA


次に昨年の京都金杯について見ていく。今年も中京競馬場で開催されるため、最も参考にしやすいのは昨年だろう。昨年の結果で目を引くのは左回りの得意な「サウスポー」が1、2着を占めたことだ。昨年の京都金杯に出走していた「OPクラスの左回りマイル勝利馬」は5頭いたが、そのうちケイデンスコールが1着、ピースワンパラディが2着と上位を独占した(残りの2頭はサトノアーサー12着、ブラックムーン14着、ケイアイノーテック15着)。

サンプルが昨年しかないため何とも言えないが、5頭しかいなかった該当馬のうち2頭がワンツーを決めたので、左回り実績は意外と重要かもしれない。ちなみに3着馬エントシャイデンについても、OPクラスの左回りマイルで2着の実績はあったので、この傾向は覚えておいても良いだろう。


古豪ダイワキャグニーの一発に期待

以上を踏まえて本命はダイワキャグニーとする。今年の出走馬で2頭しかいない「OPクラスの左回りマイル勝利馬」の片方であり生粋のサウスポー。前走はダートだったので参考外。2走前の毎日王冠は番手からの競馬となったが、早めに先頭に立ちあわやの見せ場を作った4着。先着された相手がシュネルマイスター、ダノンキングリー、ポタジェとかなり強力だったことを考えれば、こちらも十分に強い競馬をしていたといえるだろう。

中京競馬場では12月に3週だけ開催があったものの、年末には開催がなかったため、馬場状態は比較的良好。先行できる本馬にとっては強みを活かせる状態だ。人気もあまりしないと思われるので、一発に期待して狙ってみたい。

対抗はルークズネスト。阪神Cでは大外枠が響いたのか全く見せ場がなく大敗。前崩れの展開が厳しかった面もあるだろうが、正直敗因はつかみかねるところ。ただ、昨秋ポートアイランドS、スワンSやファルコンSの内容を見る限り能力は高いはずで、前走では力を発揮できなかったとみるのが自然だ。【1-3-0-0】と抜群の安定感を示している中京コースに替わるのはプラスで、枠順も真ん中のいいところ。1600mは若干長いが開幕週の中京でロスなく運べればこなせると見て対抗とする。

3番手はシュリ。昨年の当レースは1番人気で5着だったが、その後に谷川岳Sを勝ってリステッド競走2勝目を挙げており、OPクラスの左回りマイルに勝利実績ができた。前走のエプソムCこそ大敗したが、コーナーで大外を回らされたことが厳しかったので参考外。半年以上の休み明けとなるが、間隔をあけても好走するタイプなので大きな不安材料ではない。枠順も最高の6番枠が引けたうえに、昨年よりメンバーレベルが下がった感も否めないので、今年こそは馬券圏内に入ってくると見て3番手に推す。

4番手はエアロロノア。OPに昇級してから常に上位人気に支持されながらもパッとしない競馬が続いていたが、前走のリゲルSで勝利。32秒台の上がりを使って大外から差し切っており、強い内容といってよいだろう。中京での勝利こそあれ本質的には阪神の方が合いそうなこと、鞍上が重賞未勝利であることが気がかりではあるが、勝ち切っても不思議ではなく軽視できないとみて4番手とする。

以下、ベストは1400mかもしれないが間違いなく短縮はプラスに働くカイザーミノル、近走不振もヴィクトリアマイルで4着に入るなど地力は持っているディアンドル、近走は着順こそ悪いがさほど負けていないメイケイダイハードまで印を回す。

ザダルは左回りへの適性は高いが、前走を見る限りマイルはやや忙しい印象。今回もあまりスローペースにはならなさそうで、追走に苦労しそう。57.5kgという斤量も本馬にとっては微妙に重いように感じるので今回は軽視としたい。

買い目は◎ダイワキャグニーから印を回した馬への馬連ながしと、◎の単複で勝負したい。2022年最初の予想記事ということで、幸先のいいスタートを切りたいところだ。(文:川崎)

▽京都金杯予想印▽
◎ダイワキャグニー
◯ルークズネスト
▲シュリ
△エアロロノア
×カイザーミノル
×ディアンドル
☆メイケイダイハード

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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