【中山金杯】明け4歳世代の優勢は続く! 中山芝2000m替わりがプラスのヴィクティファルス

坂上明大

イメージ画像,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

開催最終日の外差競馬

2022年、関東での最初のJRA重賞・中山金杯。5回中山からの連続開催だが、昨年末は良好な馬場状態が続いており、Cコース替わりも考慮すれば内有利のトラックバイアスが継続しそうだ。そのため、枠順が重要な一戦となるが、まずは各馬の力関係を整理していきたい。

【新潟記念】
開催最終日のメインレースのうえ、前日は終日稍重での開催。内目の馬場は傷みが強く、典型的な外差馬場での競馬となった。レースは前後半1000m60.0-58.4の後傾1.6秒。昨年ほどとは言えないが、例年より遅めの流れ。ただ、1200~1400mで11.8までペースアップしており、さすがにこれではラスト1Fで脚が止まってしまう。5着馬ラインベックを除く1~8着馬はすべて二桁番手からの差し追い込み。外後有利。

2着馬トーセンスーリヤは8枠17番からの外差競馬。展開が向いた感は否めない。ただ、斤量57.5キロのトップハンデを背負っていた点には一定の評価が必要だろう。力のいる馬場なら今回もチャンスありか。

ハイレベル戦の5着

【セントライト記念】
ノースブリッジが内枠から先手を取ったが、2角でワールドリバイバルがハナを奪う形に。その後は1F12.2を上限に坦々としたラップを刻み、前半1000m通過時計は過去10年で3番目。前半上り→後半下りの中山芝2200mとしてはかなりタフなラップを刻んだ。後有利。

5着馬ヴィクティファルスは中団馬群で脚をタメたが、進路を確保してからも伸びずバテずのなだれ込み。賞金を抱えた馬の前哨戦ではあったが、世代内での力比較ではやや劣った印象だ。ただ、2着馬ソーヴァリアントが次走のチャレンジCを快勝し、3着馬オーソクレースも菊花賞で2着に入ったメンバーレベルを考慮すれば、年長馬との対戦でも引けを取ることはないだろう。

超スローペースの前残り競馬

2022年中山金杯の参考レース,ⒸSPAIA



【チャレンジC】
マイネルフラップが先手を取り、ソーヴァリアントが2番手でピッタリマーク。前後半1000m62.9-58.1のスローペースだが、3番手以降は追いかけることをしなかった。直線向かい風も相まって前有利と評価。

2着馬ヒートオンビートは5番手追走からの好位差し。ただ、ソーヴァリアントには3馬身半差をつけられており、メンバーレベルに恵まれた感は否めない。

5着馬スカーフェイスは馬群の後方で脚をタメ、ペルシアンナイトと同程度の末脚で追い込む形。ペルシアンナイトとの比較では相手のロスが多かっただけに分が悪いが、ヒートオンビートとの比較では今回のハンデ差も考慮すれば逆転する可能性は高いと見る。

4歳世代優勢は今年も続く!?

5歳世代が伸び悩んだことも影響して、新4歳世代の強さが際立った昨年後半の芝重賞戦線。成熟期の5歳以上が急成長を遂げることは考えづらく、新4歳世代優勢の勢力図は今年も継続する可能性が高い。

ヴィクティファルスは世代内では一枚劣るものの、今回のメンバーでは地力上位だろう。中山芝2000mへの条件替わりも大幅プラスだ。人気薄で期待するのはスカーフェイス。54キロで人気落ちならハマる可能性に賭ける価値はありそうだ。

注目馬:ヴィクティファルス、スカーフェイス


ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。



《関連記事》
【中山金杯】外枠大不振、前走GⅠ組イマイチ 一番福を呼ぶのはヒートオンビートだ
【京都金杯】コース傾向徹底検証! 浮上するのは左回り得意のザダル
【中山金杯】新年を占う東の金杯の歴史 ここで覚醒、重賞6勝を挙げた2015年ラブリーデイ

おすすめ記事