【ホープフルS】1番人気、前走1着馬が崩れない! 東大HCの本命はコマンドライン

東大ホースメンクラブ

ホープフルSインフォグラフィック,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

極端な脚質は割り引き

12月28日(火)に中山競馬場で行われるホープフルS(GⅠ・芝2000m)。来年のクラシック戦線での飛躍を誓う2歳馬15頭が集結する。人気筆頭は来年のダービー馬候補コマンドライン。他にも未勝利戦を7馬身差で圧勝したキラーアビリティや札幌2歳S2着のアスクワイルドモアなどが出走を予定している。勝って一年を締め括るのはどの馬か。今週もデータを踏まえて検討していこう。

はじめに、中山で施行された過去7年の傾向を分析する(13年以前は阪神での開催)。


過去7年ホープフルS脚質別成績,ⒸSPAIA


脚質別では先行と差しの成績が優秀で、互いに拮抗している。一方逃げや追い込みといった極端な戦法が功を奏することはほとんどない。タフな中山、しかも経験の浅い2歳戦では、逃げ切りあるいは直線一気で全馬を飲み込むのは簡単なことではない。

先行や差しといった戦法をとる上で特に重要になるのが折り合い。いくら脚質的に有利だろうと、道中でかかったりしていては勝負にならない。今回は2歳戦ということで戦歴の浅い馬も多くいる。多頭数のレース経験がある馬や柔軟な位置取りが可能な馬は重く評価すべきだろう。


堅い決着

過去7年ホープフルS前走着順別成績,ⒸSPAIA


前走着順別成績に注目すると、面白い傾向が見て取れる。馬券に絡んだ馬のうち1頭が前走2着で、他は全て前走1着。巻き返しの難しいレースだといえる。いまだ出走数の少ない2歳馬の重賞。実績を挙げている馬が集まるため、こうしたデータは当然かもしれない。しかし前走3着以下だった32頭もの馬がことごとく馬券外に沈んでいることを考えると、買い目を選ぶ際はやはり実績馬を中心にしたい。

過去7年ホープフルS人気別成績,ⒸSPAIA


前走敗退馬が苦戦ということで単勝人気別成績を眺めてみると、案の定上位人気馬が馬券内のほとんどを占めている。特に1番人気馬は馬券から外れたのが1頭のみ。勝率は驚異の71.4%と抜群の安定感を誇っている。今年も実績、人気通りの堅い決着となるだろう。


人気馬中心で点数は控え目に

◎コマンドライン
新馬戦では3馬身差の横綱相撲。それでも国枝厩舎の新馬戦ということで、余力残し、成長途上での勝利に思える。2着以下の馬も次々勝ち上がっており、レースレベルが低いというわけでもなかった。続く前走サウジアラビアRCでは道中で好位に押し上げる柔軟な競馬。このときの2着馬ステルナティーアは阪神JFで敗れているが、瞬発力を持ち味とする馬でパワーの必要な阪神は合わなかった上、道中で不利があった。決して相手が弱かったということではない。

コマンドラインはキレ味よりも底力で押し切るタイプに見受けられるため、中山で存分に力を発揮できるだろう。距離延長もプラス。このレースのデータで見てもルメール騎手は【1-2-2-1】、ディープインパクト産駒は【3-0-1-10】、キャリア2戦の馬は【4-4-4-25】、馬体重500kg以上の馬は【3-1-2-11】と、条件は揃った。来年のダービー馬候補がここで負けるわけにはいかない。

◯オニャンコポン
馬名に注目が集まりがちだが実力も素晴らしい。新馬戦、百日草特別ともに2番手を追走し、楽に抜け出す形での勝利。折り合いも申し分ない。特に新馬戦に関しては今回と同じ中山2000mでの一戦で、馬場適性は証明された。またラスト2Fは11秒2-11秒1の加速ラップだった。百日草特別といえば昨年はエフフォーリアが勝ったレースでもある。

▲キラーアビリティ
新馬戦は5着に敗れているが、発走前に他馬が暴れるアクシデントがあり体力を消耗した模様。度外視してよい。未勝利戦では7馬身差での圧勝。ラスト1Fは10秒8と、時計の面でも評価できる勝ち方だった。前走萩Sはクビ差で敗れているが、このときの勝ち馬ダノンスコーピオンは朝日杯FSで3着。勝敗は仕掛けどころの差によるもので、実力では劣っていない。勝てば横山武史騎手×キャロットFのコンビがGⅠ連勝となる。

△ジャスティンパレス
2戦ともに単勝1倍台の人気に応え勝利。それぞれ中京と阪神の2000mで、今回の急坂、距離に関しては問題ないだろう。どちらのレースでも道中は2番手を追走しながら、直線ではキレのある末脚を使った。C.デムーロ騎手が鞍上を務める点も評価できる。

5番手には川田将雅騎手騎乗、友道調教師期待のフィデルを押さえる。

◎コマンドライン
◯オニャンコポン
▲キラーアビリティ
△ジャスティンパレス
×フィデル

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


イメージ画像,ⒸSPAIA


《関連記事》
【ホープフルS】オニャンコポンの進撃は止まらない!? 前走重賞組は過信禁物、今年はひと波乱あるか
【注目2歳馬】コマンドラインが“出世レース”で3馬身差の快勝 強さと同時に見えた課題とは?
【注目2歳馬】百日草特別を制したオニャンコポン 瞬発力を武器に重賞戦線でも活躍を期待

おすすめ記事