【KEIRINグランプリ】有馬記念後の延長戦!? 競馬ファンのためのKEIRINグランプリ解説

佐藤永記

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有馬や東京大賞典で終わっていいの?

有馬記念が終わると競馬ファン的には「打ち納め」となる方も多いだろうが……果たしてそれでいいのか? 2021年はまだ終わってない。筆者はすべての公営競技を打つので、30日にはKEIRINグランプリ、31日にはスーパースター王座決定戦(オートレース)までいってようやく打ち納め、いや、ミッドナイト競輪のジャンで除夜の鐘だ。

有馬記念で的中できなかった人は延長戦で、的中できた人はボーナスステージとしてまだまだKEIRINグランプリがあるのだ! そこで今回は競馬ファンのみなさんを「沼」に引きずり込むべく、出場9選手を競馬に例えて、競馬ファンのためのKEIRINグランプリ解説をお送りしたいと思う。

<KEIRINグランプリ2021出走表>
1 松浦悠士
2 郡司浩平
3 平原康多
4 古性優作
5 佐藤慎太郎
6 守澤太志
7 吉田拓矢
8 宿口陽一
9 清水裕友
並び想定 V256-91-4-783

選手を競馬にたとえて解説

松浦悠士(まつうらゆうじ)
G1優勝3回・GP出場3回目
「令和の王道競輪選手」
競馬風脚質 →⇒⇒→
2019年のG1競輪祭での初G1制覇から毎年G1を1つ優勝している松浦選手は、競馬でいえば逃げ先行差しを使い分けられる自在型。ペースや展開に応じてどう戦うのかを決められるのが強みだ。今回は清水選手の後ろで基本は直線勝負になるが、仮に前の清水選手が仕掛けをミスしても自分で動ける「二の矢」捲りが発動できるなど、戦術力も競輪界トップ。いかなる相手でも印は絶対に打たなくてはいけない選手だ。

郡司浩平(ぐんじこうへい)
G1優勝2回・GP出場3回目
「苦難の道を打開した漢」
競馬風脚質 -→⇒→
郡司選手が所属する南関東地区。地方競馬でいえば南関東は最強地区だが、競輪では長きにわたり「最弱地区」と言って差し支えない時期があった。そんな南関東に光を差した漢が郡司選手である。初G1は2020年競輪祭、南関東3車の結束で得た。今年も全日本選抜でG1をゲットし、もう「南関は弱い」と誰も言わなくなったのは郡司選手の偉大な功績だ。勝利位置取りの上手さは標準的だが、競馬での先行=競輪での捲りを中心に決め手を持つ選手だ。

平原康多(ひらはらこうた)
G1優勝8回・GP出場12回目
「関東の大将がいつ鬼になるか」
競馬風脚質 -⇒→-
4年ぶりのG1制覇を寛仁親王牌で成し遂げた39歳の平原選手だが、賞金枠でグランプリ出場権を毎年得ており今年で12回目のグランプリ。しかし、まだグランプリを獲ったことがない。昨年は最終4コーナーで2番手という競輪においては絶好位置ながらも、前を走る他地区の五輪代表・脇本雄太選手が逃げてくれた恩から捲りを牽制したため踏み出しが遅れてしまった。今年は関東の後輩が二人前を走る。グランプリ12回目で悲願に向けて差し一本。鬼となれるか。

古性優作(こしょうゆうさく)
G1優勝1回・GP初出場
「脇本にふさわしい差し選手」
競馬風脚質 ⇒⇒⇒-
現在競輪界で最強の逃げ選手である脇本雄太選手と同じ、近畿地区の差し選手。その脇本選手とタッグを組むにふさわしい選手を目指し戦った結果、念願のG1制覇をオールスター競輪で達成した。しかし、肝心のグランプリはその脇本選手が五輪出場の影響で不在。初グランプリを1人で戦うことになった。競輪では「競り」というラインに切り込む手もあるが、古性選手は競りも得意。捲り、差し、そして競りと何でもやってくる怖さが魅力だ。

佐藤慎太郎(さとうしんたろう)
G1優勝1回・GP出場7回目・GP制覇1回
「復活して3年 最強の虎」
競馬風脚質 ⇒⇒--
G1を制したのが2003年。’00年代、競輪界に近畿、北日本、中部の三つ巴時代があったとき、北日本の若き司令塔だったのが佐藤選手である。ベテランとなり、2017年にはG1決勝進出もないなど衰えたかと思われたが一念発起。2019年にグランプリを制した年からG1戦線決勝常連に帰ってきた。今年も6つのG1のうち3優出、45歳という年齢は割引どころか円熟味を加味すれば割増。差し一本で勝負する。

守澤太志(もりさわふとし)
G1優勝なし・GP出場2回目
「9番目の男は強襲上手」
競馬風脚質 ⇒→→-
昨年、今年と賞金枠ラスト、つまり9番目での出場権獲得。悪く言えばギリギリだが、良く言えばしぶといのが守澤選手。ここ2年、北日本では自力のエース新田祐大選手が五輪代表として競輪出場が少なく、状況としては良くなかったはずだが賞金を積み重ね出場し続けている。佐藤選手と並んで差しとしての力があるからこそだ。直前で鎖骨を折っている影響がカギではあるが、競馬でいえば追込。一発狙うにはちょうどいい頃だ。

吉田拓矢(よしだたくや)
G1優勝1回・GP初出場
「次世代大砲候補から令和の大砲へ」
競馬風脚質 --⇒→
競輪では逃げ・捲りと長い距離を先頭で駆ける選手のことを“大砲”と呼ぶことがある。関東地区で吉田選手は長いこと、関東の大砲「候補」と呼ばれた期待の若手選手であった。しかし、G1ではなかなか結果が出ず、候補のままで終わるかと思われたところ、今年G1高松宮記念杯で初めてG1決勝掲示板の2着。そして最後のグランプリ出場権を争うG1競輪祭を優勝し、初のグランプリ出場を成した。関東は大将・平原と高松宮記念杯でワンツーを決めた宿口がいる3人の先頭を走る。逃げで関東有利の状況を作り出す原動力だ。

宿口陽一(やどぐちよういち)
G1優勝1回・GP初出場
「突然の覚醒は積み重ねの結果」
競馬風脚質 →⇒⇒-
重賞未勝利、G1決勝未到達……競馬でいえばオープン特別やリステッド競走を走っていた馬が突然G1優勝した、とたとえればわかってもらえるだろう。今年6月に初決勝初優勝でG1高松宮記念杯を制するまで、宿口選手の立ち位置は高くはなかった。だがそれはフロックではなく、10月にG3前橋記念も獲り、G3初優勝がG1初優勝よりも後という偉業も成し遂げた。本物の覚醒である。脚質は競馬でいえば先行・差し。今回、番手でいかようにも動ける宿口選手が入ったため関東の戦法幅は広がっている。あとは初出場、同県の先輩・平原選手を背負ったプレッシャーとの勝負か。

清水裕友(しみずひろと)
G1優勝1回・GP出場4回目
「後続を振り回す乱ペース」
競馬風脚質 -→⇒→
2020年はG1全日本選抜、G2サマーナイトを制し、今年はG2ウィナーズCを優勝。安定した賞金獲得でGP4年連続出場となった清水選手。同じ中国地区の松浦選手とともに、絶対的選手数が少なかった中国地区を今や競輪界の中心地区にまで押し上げた秘訣は清水選手の先行テクニック。後ろを走る選手から「清水選手の先行は追走が大変」とコメントが出る理由は、速いだけではなく一定の速度で走らない乱ペースを生む技術のようだ。捲りも鋭く立ち回りも巧い清水選手だが、松浦選手と並ぶと、逃げたうえでバテそうなら後ろが発進する二段駆けが控えており、他選手には常に脅威になる。

レースは12月30日。打ち足りない競馬ファンのみなさんへ、競輪を知らなくてもKEIRINグランプリで延長戦を打つ材料になれれば幸いだ。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。



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