【有馬記念】2強は堅い、残る狙い目は中山適性のある馬! 東大HCの本命はエフフォーリア

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有馬記念インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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4角で積極的な位置取りを

12月26日(日)に中山競馬場で行われる有馬記念(GⅠ・芝2500m)。2021年中央競馬のフィナーレを飾るこの一戦に、人気と実力を兼ね備えた精鋭16頭が集結した。帰国後初戦となるクロノジェネシスが、暮れの大一番でラストラン。ファン投票首位の3歳馬エフフォーリアと共に人気の中心を担う。2強による堅い決着か、それとも穴馬の台頭か。今週もデータを踏まえて検討していこう。

はじめに、過去10年の傾向を分析する。


過去20年有馬記念中山重賞勝利歴のある馬・距離別成績,ⒸSPAIA


レースの流れはスローとなることが多く、基本的に前半1000mは60秒台後半から63秒台で落ち着いているものの、アエロリットが前半1000m58秒4というハイペースで逃げた19年のような例もある。重要になるのが4角での位置取りで、馬券に絡んだ馬の大半が4角5番手以内に位置していた。1着馬に限れば10頭中8頭が条件に該当し、積極的な競馬が求められる。

今回のメンバーで展開のカギを握るのは1枠2番に入ったパンサラッサ。菊花賞で逃げたタイトルホルダーも控えているが、枠順的にはパンサラッサの方が楽にハナを取れるだろう。この馬のペースで逃げれば今年はハイペースになることも十分考えられる。


中山巧者は距離にも注目

適性のある馬が躍動する中山コース。有馬記念もその例外ではなく、これまでに数々の波乱が巻き起こってきた。ディープインパクトは国内で唯一の敗北を喫し、女傑アーモンドアイは9着に大敗し、ブービー人気ながらダイユウサクがレコード勝ちするGⅠである。どの馬にも絶対的な信頼は置きづらいが、裏を返せば高配当を狙えるレースだ。


過去20年有馬記念中山重賞勝利歴のある馬・距離別成績,ⒸSPAIA


過去20年の有馬記念出走馬のうち、同年の中山芝重賞を勝利していた馬に注目する。3600mのステイヤーズS勝ち馬は有馬記念で【0-0-0-10】、2500m重賞勝ち馬は【0-0-1-6】と足を引っ張っているが、1800~2200mの中山重賞ウィナーに限れば好成績。特に2000mの中山重賞勝ち馬は【3-3-0-9】で連対率、複勝率ともに40%。一番の狙い目だろう。出走馬の中で今年の中山重賞を勝っているのはタイトルホルダー、エフフォーリア、アサマノイタズラ。これら中山巧者は一通り押さえておくのもよいかもしれない。


軸2頭は堅い

◎エフフォーリア
クラシックでの実績に加え、天皇賞(秋)ではコントレイル、グランアレグリアといった名馬を退け勝利。実力は現役馬の中で間違いなくトップ。今年の皐月賞を勝っている点は中山適性という意味でも大きい。また3歳馬は過去10年で【4-2-2-14】と、他の世代と比較しても抜けている。3歳の末にもなればレース経験不足の不安は軽減され、古馬とも対等に戦えるようになる。そうした中での斤量2キロ差は明らかなプラスだ。

◯クロノジェネシス
やはりグランプリ3連覇中の実力は侮れない。最低でも馬券内には入るだろう。瞬発力に加え父親譲りの力強さを武器にしていて、阪神や中山といった力のいる馬場での成績が特に優秀。ただフランス遠征帰り初戦ということで疲れ等が気になるところ。阪神JFのステルナティーアといい朝日杯FSのジオグリフといい、ルメール×サンデーが不調な点も気にかかる。

▲アサマノイタズラ
スプリングS2着、セントライト記念1着と、非根幹距離の中山に適性がある。今回はこの馬にとって絶好の舞台だろう。前走の菊花賞では敗れたとはいえ終いは伸びており、上がり最速をマークした。後ろ過ぎて勝負には加われなかったが、とはいえ前走菊花賞組は【4-1-2-4】と好成績。ローテーションを味方につけて波乱を演出するか。

△パンサラッサ
前走の福島記念はハイペースで大逃げをしながらも圧勝。ローカル競馬場で実績のある馬は中山で好走しやすいため今回は出番があるだろう。大逃げを図り、後方から脚を伸ばす馬に捕らえられながらも3着に残るというイメージ。枠の利を活かしてロスなく立ち回れれば。

タイトルホルダーは過去20年で【1-1-0-18】の大外枠ということで割り引きが必要。5番手の評価とする。続いて中山巧者のウインキートスを、それから昨年のサラキアのような激走を期待してアカイイトも押さえる。穴馬としてはC.デムーロ騎手騎乗、絶好の1枠1番を引き当てたペルシアンナイトを推奨する。

◎エフフォーリア
◯クロノジェネシス
▲アサマノイタズラ
△パンサラッサ
×タイトルホルダー
×ウインキートス
×アカイイト
☆ペルシアンナイト

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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