【朝日杯FS】武豊騎手「悲願」は今年もお預け? 自信の本命はダノンスコーピオン、馬場が渋れば激穴候補も

八木遊

過去10年の朝日杯FS『社台系生産馬』かつ『前走上がり4位以下』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『阪神JF』は本命ベルクレスタ、対抗サークルオブライフの2頭軸で勝負したが、本命馬が直線失速。3着ウォーターナビレラは3番手に評価していたが、2着ラブリイユアアイズを真っ先に消していたため、馬券は残念な結果に終わった。

気を取り直して今週は『朝日杯FS』を予想していきたい。フルゲート18頭に対し19頭が登録しているが、回避馬が出る可能性が高そう。今週も全19頭を対象に進めていきたい。13年以前の中山開催時を含めた過去10年(11~20年)のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を順番に消していく。

『社台系生産馬』×『前走上がり4位以下』★0.0%★

まず取り上げたいのは生産者別データ。社台ファーム、ノーザンファームなど社台系生産馬は過去10年で【7-7-4-38】(複勝率32.1%)と圧倒的な成績を残している。ただし、前走の上がり3ハロン時計が4位以下の馬は【0-0-0-14】(同0.0%)と、全14頭がそろって馬券圏外に沈んでいた。まずはこの組み合わせで絞り込みを図りたい。

今年このデータに当てはまったのは3頭。穴人気しそうなアルナシームとプルパレイなどが消去対象となった。

【今年の該当馬】
・アルナシーム
・トゥードジボン
・プルパレイ

『キャリア4戦以上』×『母父ミスタープロスペクター系』★0.0%★

続いてはこれまでのレース数別成績を見ておきたい。先週の阪神JFと同様に、取り上げるのはキャリア4戦以上とある程度使い込まれて本番を迎える馬。その成績は【2-3-5-67】(複勝率13.0%)とやや苦戦している。これに組み合わせる条件は血統データだ。今回は母父の系統を採用したい。母父がキングカメハメハなどのいわゆるミスタープロスペクター系の場合、【0-0-0-11】(同0.0%)で、3着以内は1頭もいなかった。

2つ目の条件に当てはまったのは3頭。プルパレイはすでに消去済みのため、新たにアネゴハダ、デュガを消去する。

【今年の該当馬】
・アネゴハダ
・デュガ
・(プルパレイ)

『前走距離1600m以外』×『父サンデーサイレンス系』★2.5%★

3つ目のデータは前走距離を取り上げる。好走が多いのは前走で同じ1600mを走っていた同距離組。その成績は【8-4-6-41】(複勝率30.5%)だった。一方、距離短縮組は【1-3-0-28】(同12.5%)、同延長組は【1-3-4-64】(同11.1%)と、どちらも振るわない。そこで前走1600m以外を走っていた計104頭の凡走傾向を探ってみると、父サンデーサイレンス系が【0-1-0-39】(同2.5%)と苦戦していたことが分かった。3つ目の組み合わせはこのデータを採用したい。

今年この条件に当てはまったのは以下の4頭。いまだこのレース勝利がない武豊騎手が騎乗するドウデュースも該当した。今年も武騎手の悲願は叶えられないのか……。

【今年の該当馬】
・カジュフェイス
・ドーブネ
・ドウデュース
・ベルウッドブラボー

『前走14頭立て以下』×『前走人気<前走着順』★3.7%★

続いては前走時の出走頭数に注目した。前走で15頭以上の多頭数を経験していた馬は本番で【5-4-1-31】(複勝率24.4%)。同14頭以下の【5-6-9-102】(同16.4%)を複勝率で上回った。後者と組み合わせるのは前走時の人気と着順だ。前走14頭立て以下で、人気より着順の数字が大きかった馬、すなわち人気を裏切った馬は【0-1-0-26】(同3.7%)と高い確率で馬券圏外に沈んでいた。

今年これに当てはまったのは5頭。このうち3頭はすでに消去済みのため、新たにエーティーマクフィとヴィアドロローサの2頭を消去リストに加えたい。

【今年の該当馬】
・(アルナシーム)
・エーティーマクフィ
・(プルパレイ)
・(ベルウッドブラボー)
・ヴィアドロローサ



『4月以降生まれ』×『今回馬体重470kg未満』★0.0%★

4つのデータを終えて、19頭中11頭を消去した。残った8頭を最後のふるいにかけたい。注目したのは誕生月とレース当日の馬体重を組み合わせたもの。4月以降生まれ、かつ当日馬体重が470kgに満たない馬は過去10年で31頭いたが、全て4着以下だった。

残っている8頭のうち4月以降に生まれたのはシンリミテスとトウシンマカオの2頭。前者は前走時の馬体重が478kgだったので、大きく減らしていなければ印を回したい。一方、トウシンマカオは前走時が452kgなので、おそらく消去することになるだろう。

【今年の該当候補】
・シンリミテス
・トウシンマカオ

5つの消去データを経て、確実に残るのは、オタルエバー、ジオグリフ、スプリットザシー、セッカチケーン、セリフォス、ダノンスコーピオンの6頭となった。この中で最も魅力を感じるのは2戦2勝のダノンスコーピオン。現時点ではこの馬に「◎」を打つつもりだ。

馬場が渋ったときの大穴候補として挙げておきたいのがダートから芝替わりのセッカチケーン。500kgを超える雄大な馬体の持ち主で、パワーを要する馬場になれば出番はあるか。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(12月12日時点の回収率は47.8%)。

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