【阪神JF】ステルナティーアは阪神マイルがベスト！　別路線組ナミュールの末脚も世代トップクラス

2021/12/09 06:00

坂上明大

ⒸSPAIA

この記事のレース

阪神ジュベナイルＦ

GⅠ

12月12日(日)　阪神11R

全兄ステルヴィオ以上の瞬発力

2歳女王決定戦、阪神ジュベナイルフィリーズ。仕上がりの早さやハイペース適性が求められる一戦だけにクラシックに直結するレースとは言い難いが、阪神芝1600mという地力勝負になりやすいコースで行われるだけに素質の見極めが重要な一戦だ。2021年2歳女王に輝くのは果たして。

【サウジアラビアRC】
第3回から約3カ月ぶりの開催。前開催後、傷んだ内側を中心に約33,000平方メートルの芝張替作業を実施、肥料散布・散水等の生育促進に努めて8月下旬にオーバーシードとして洋芝を播種。例年通り開催前のエアレーション・シャタリング作業も行われた。

開幕週らしい良好な馬場状態でトラックバイアスはフラットと評価。レースはロードリライアブルの単騎逃げで前後半3F37.7-33.8の後傾3.9秒。ただ、超スローペースとはいえ、末脚も利くのが近年の東京芝コース。少頭数でもあり、純粋な瞬発力比べとなった一戦だ。

2着馬ステルナティーアはテンションが高く、道中は何とか我慢を利かせる形。直線に向いて一気にピッチを上げ、上がり3F11.4-11.0-11.0程度の末脚で追い込んだが、勝ち馬コマンドラインを捉え切れず。前向き過ぎる気性のコントロールが出世のカギだろう。ただ、全兄ステルヴィオより瞬発力に寄ったタイプで阪神芝1600mはベスト条件だ。

タイプの異なる1、2着馬

2021年阪神JFの参考レース,ⒸSPAIA

【アルテミスS】
Bコース替わり初日。仮柵が設置されたが、元々芝の状態が非常に良く、引き続き内外フラットの馬場状態で競馬が行われた。レースはベルクレスタが抑え切れない手応えでハナに立ちそうだったが、外からボンクラージュが主張して縦長の展開。

とはいえ、前後半3F35.2-34.8の後傾0.4秒、2番手で同35.6-34.3の後傾1.3秒なら平均ペースの部類だろう。1着馬サークルオブライフはインをロス無く回り、直線はスムーズに外へ。

ラストは素晴らしい瞬発力を見せてベルクレスタを差し切った。父エピファネイア、Great Lady M.牝系、Haloの5×4・5を経由したサンデーサイレンスの4×3などの末脚偏重の配合形であり、東京替わりで大幅にパフォーマンスを上げた結果だ。東京芝1600mがベストだろう。

2着馬ベルクレスタは序盤の折り合いにやや苦労。スムーズなら押し切っていた可能性は高いが、持ち味のレースセンスの良さは見せられたか。Kingmambo≒Numerousの3×2が特徴のドゥラメンテ牝馬で、極端な瞬発力勝負よりも総合力で勝負したいタイプだろう。阪神芝1600mのG1なら逆転の可能性は高いと見る。

デビュー3連勝での重賞初制覇

【ファンタジーS】
京都競馬場の改修工事により阪神芝1400mでの開催。Aコース5週目で馬場の傷みが目立ち始めたが、極端なトラックバイアスは見られず。レースはナムラデイリリーが掛かり気味に前後半3F34.4-35.2で運んだが、2番手のウォーターナビレラでは同34.8-34.4程度の平均ペース。序盤で多少行きたがる馬はいたが、概ねスムーズな展開でもあった。

1着馬ウォーターナビレラは離れた2番手で折り合いピッタリ。直線に向いて一旦は2着馬ナムラクレアに前に出られたが、ラスト1Fで差し返して3連勝での重賞初制覇。さらに距離が延びる今回は着差が広がりそうだ。

赤松賞組に注目

重賞組ではサウジアラビアRC2着馬ステルナティーアを最上位に評価。ピッチ走法から繰り出される鋭い末脚は阪神芝1600mにピッタリだろう。別路線組では赤松賞のナミュールに注目。前走時の上がり3F33.0の末脚は世代トップクラスを証明するものであった。ナミュールの2着、パーソナルハイの変わり身にも要注意。

注目馬：ステルナティーア、ナミュール、パーソナルハイ

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。

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阪神ジュベナイルＦ

GⅠ

12月12日(日)　阪神11R