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【香港国際競走】今年も吹き荒れるか、日本馬旋風 立ちはだかる地元最強馬・15連勝中ゴールデンシックスティ

2021/12/10 11:00
SPAIA編集部
2021年香港マイルに出走するゴールデンシックスティ,ⒸThe Hong Kong Jockey Club

ⒸThe Hong Kong Jockey Club

香港国際競走に日本馬参戦

2021年12月12日は香港のシャティン競馬場で4つのGⅠが行われる「香港国際競走デー」。今年は香港ヴァーズ、香港スプリント、香港マイル、香港カップ、の4競走全てに日本馬が出走予定のため、JRAによる馬券発売も行われる。カペラS、阪神JFの当日とあり、日本の競馬ファンにとっては忙しい一日になりそうだ。

昨年は3競走に日本馬が参戦し、スプリントをダノンスマッシュが制覇。カップはノームコアが勝利、2着にもウインブライトが入るなど、“日本馬旋風”が吹き荒れた。今年も快挙となるのか、日本からの出走馬とライバルたちの簡単な紹介と展望をしていこう。

19年勝ち馬vs20年勝ち馬

GⅠ競走の中で最初に行われるのが2400mのヴァーズ。日本からは2019年のこのレース勝ち馬グローリーヴェイズと、初の海外遠征となるステイフーリッシュが参戦する。グローリーヴェイズは鞍上に一昨年優勝時と同じモレイラ騎手を予定している。“マジックマン”“雷神”などの異名をとる同騎手は追い切りにも騎乗。レースに向けてコンタクトをとった。

対するライバルだが、香港のこの路線を牽引してきたエグザルタントが今年6月に現役引退。地元勢なら前哨戦のジョッキークラブカップを制したリライアブルチームが最上位だろうが、ここは欧州馬、昨年の勝ち馬モーグルを警戒。フラットなシャティンのコース、時計の出る馬場は得意とする馬で、おそらくはグローリーヴェイズと一騎打ちの様相になるのではないか。

2021年香港ヴァーズに出走するグローリーヴェイズ

ⒸThe Hong Kong Jockey Club

ダノンスマッシュの連覇に期待

ハイレベルな香港競馬の中でも特に層が厚いのはスプリント。日本馬は2012、13年に連覇したロードカナロア以外は返り討ちにあう年が続いていたが、昨年は同じく安田隆行厩舎でロードカナロアの仔・ダノンスマッシュが優勝。香港勢の連勝を「6」でストップした。

今年は日本からそのダノンスマッシュに、スプリンターズSの1・2着ピクシーナイト、レシステンシアが参戦。中でも1頭推すならダノンスマッシュ。前走こそ外枠に泣いて伸びきれなかったが、初の海外となる後輩2頭よりシャティンへの経験、適性ともに確固たるものがある。連覇に期待したい。

対する香港勢は、春のGⅠ・チェアマンズスプリントプライズを勝ったウェリントンや、前哨戦のジョッキークラブスプリント含む2連勝中のラッキーパッチあたりが有力だ。

2021年香港スプリントに出走するダノンスマッシュ

ⒸThe Hong Kong Jockey Club

地元のゴールデンシックスティ

スプリント路線と同様に地元馬が強力なマイル。日本からはこれが引退レースとなるインディチャンプ、朝日杯FS勝ち馬サリオス、安田記念馬ダノンキングリー、今年のドバイターフで2着に入ったヴァンドギャルドの4頭が出走予定。やはりエース格はダノンキングリーか。展開や馬場も味方につけたとはいえ安田記念でグランアレグリアに先着した実績は海外レースでも見劣りしない。

ただ、ここは地元・香港にとんでもない馬がいる。その名もゴールデンシックスティ。通算19戦18勝、現在15連勝中という驚異の戦績を誇っている。前哨戦のジョッキークラブマイルでも58キロを背負いながら悠然と最後方待機、直線に向いて追い出されると軽々と全馬差し切って余裕の先頭ゴール。2着ワイククも地力のある馬だけに、スケールの違いがより際立つレースだった。日本馬がどのような作戦で立ち向かうのか見ものだ。

2021年香港マイルに出走するゴールデンシックスティ

ⒸThe Hong Kong Jockey Club

日本馬3連覇なるか

香港カップは昨年ノームコア、一昨年ウインブライトと日本馬が連覇中で、直近6年で4勝を挙げている。国内ではGⅠ善戦級だった馬にも好走例があり、日本馬の得意カテゴリといっていい。

今年はBCフィリー&メアターフ制覇から転戦するラヴズオンリーユーに、大阪杯勝ち馬レイパパレ、GⅠ未勝利ながら4連勝で中山記念を制したヒシイグアスが出走を予定している。レイパパレは大阪杯でコントレイル、グランアレグリアを撃破したあと、あえてベストより長い2200mに挑戦しての3連敗。2000mに戻り、スミヨン騎手を擁して巻き返しが見込めるだろう。12月8日に芝6Fを1:27.0、ラスト2F24.3というゆったりとした追い切りを消化。陣営からも「体調は良さそう」との太鼓判だ。

ヒシイグアスも天皇賞(秋)では不利な8枠から5着と健闘。中山記念の勝ち馬はウインブライト、ネオリアリズムなど不思議とシャティンの2000mで好走する傾向があり、侮れない。もちろんラヴズオンリーユーも実績的に申し分なく、ここは日本馬のワンツー、いやワンツースリーまで可能性がある。

対する香港勢ならパンフィールドに注目。前哨戦のジョッキークラブカップは斤量58キロ。7着敗戦もそこまで悲観しなくてよさそう。春にはGⅠのチャンピオンズ&チャターCを勝っている。また、英チャンピオンSで2着だったイギリスのドバイオナーも参戦予定だが、極めてタフなアスコットのコースで好走してきた馬だけに、スピードトラックのシャティンに合うかは微妙だ。

2021年香港カップに出走するレイパパレ

ⒸThe Hong Kong Jockey Club



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