【カペラS】「3・4歳」「関西馬」「前走オープン」など好データ 若馬デュアリストが年長者を圧倒!

門田光生

カペラステークスの性別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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冬場のダート重賞

「冬はダートの季節」などと言われるが、本当に適している季節なのだろうか。確かに全体のレース数は多くなっているが、冬場の芝は無理使いができない関係もあるだろうし、ダートはダートで厳寒期は不凍液を散布する必要がある。実際のところよく分からないが、平場を中心にしてダートのレースがたくさん組まれているのは間違いない。

そんな冬場に行われるダート重賞の一つが、2021年12月12日に中山競馬場で行われる第14回カペラステークス。JBCスプリントという、短距離ダート馬にとっての大一番はすでに終了している。果たして、このレースに出走しているのはどのような馬なのか。また、好走パターンはあるのか。今回も過去10年のデータを基にして調べていきたい。

気になる1番枠と2番枠

カペラS出走馬の年齢,ⒸSPAIA
カペラS出走馬の所属,ⒸSPAIA
カペラS出走馬の性別,ⒸSPAIA


まずは年齢から見ていこう。まず7歳以上だが、37頭が出走して、連対したのは2017年のスノードラゴン(9歳)だけ。ダートは高齢馬でも活躍できる、というのは過去の話なのか。スノードラゴンはスプリンターズS(GⅠ・芝1200m)を勝った馬で、このぐらいの地力がないと厳しいのかもしれない。

勝率、連対率が最もいいのは3歳馬。7頭(2勝、2着なし)しか出走していないので絶対視はできないが、プラス材料ととらえていいだろう。続くのは30頭が出走して6連対(4勝)の4歳馬。最多の出走頭数である5歳馬は7連対(2勝)。ここでは若い馬が有利としておく。

はっきり有利、不利の傾向が出ているのは、所属と性別のデータ。まず所属だが、美浦所属馬3連対(1勝)に対して、栗東所属馬は16連対(9勝)と圧倒している。関東のレースということを考えると、ホームである美浦所属馬は苦戦しているといわざるを得ない。

さらに明確な傾向が出たのは性別で、牝馬が連対したのは2011年の勝ち馬ケイアイガーベラだけ。冬場のダートでよりパワーが求められるのか、牡馬・セン馬が優勢となっている。

カペラS出走馬の前走距離,ⒸSPAIA


カペラSは短距離戦なので、中距離から転戦してくる馬はほぼ見当たらず、いたとしても結果が出ていない。勝ち馬が出ているのはダートの1200、1400、1600mを使った馬の3パターンだけ。出走頭数は1200m組が85頭で抜けているが、連対数が最も多いのは1400m組で10連対。1600m組は8頭と少ないながら、【2-0-2-4】で半分の馬が馬券に絡んでいる。

カペラ出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


ステップレースで見ると、JBCスプリントと霜月Sの4連対が最多。6頭中4頭が馬券に絡んでいる武蔵野S組も悪くない。クラス別では、オープン特別を使ってきた馬が最多の12連対(5勝)。オープン経由組からは最低1頭は加えておきたい。

カペラSにおけるプラスデータ,ⒸSPAIA
カペラSにおけるマイナスデータ,ⒸSPAIA


ほかに目立ったデータを挙げてみる。まず前走人気だが、勝ち馬10頭中、9頭が前走で4番人気以内に支持されていた。逆に、1頭も馬券に絡んでいないのは、前走が芝だった馬。先週のソダシも負けてしまったが、やはり餅は餅屋ということか。

最後におまけ的なデータを。今年のカペラSは12月12日に行われるので、1番と2番についての成績を調べてみた。まず枠番だが、最も勝っているのは1枠で4勝。一方の2枠からは連対馬が出ていなかった。

馬番だと、1番がこれまた最多の3勝、2番は1勝となっている。このデータは出馬が確定されるまで分からないので、発表前でも使える前走の馬番を調べてみると、5番、6番、そして14番で走った計24頭はいずれも圏外。出目的なデータになるが付け加えておく。また、前走が14頭立て、もしくは15頭立てのレースに出走した21頭も、全頭が3着を外していた。

室町S組に流れが来ている

カペラSのデータをまとめてみる。好走パターンとなるのは、A「年齢が若い馬」B「栗東所属」C「前走が1400mか1600m」D「前走がオープン、もしくはJBCスプリント」E「前走4番人気以内」。

好走率が落ちるデータはF「7歳以上」G「牝馬」H「前走が芝」、おまけでI「前走の馬番が5、6、14番」J「前走が14頭、もしくは15頭立て」。

今回の登録メンバーをデータと照らし合わせると、プラスデータに該当する馬が多かった印象。5つのプラスデータのうち、最多の4つを満たしていたのはデュアリスト(ABDE)と、モズスーパーフレア(BCDE)の2頭。モズスーパーフレアはマイナスデータGの「牝馬」に該当するので、マイナスがないデュアリストが最有力候補となるが、気になる点がないわけではない。

前走である室町S組は【0-1-1-20】。最多の出走頭数ながら、連対馬が1頭しかいない。ただ、その1頭は昨年の2着馬レッドルゼルで、3着馬は2019年のシュウジ。2年連続で馬券に絡んでいることになり、ここは室町Sに流れが来ているといい方に考えよう。

モズスーパーフレアに関してだが、年齢のところで「GⅠ級の地力」と書いた。項目は違うが、この馬もGⅠを勝っている実績馬。ケイアイガーベラのほかに牝馬で馬券に絡んだのはコーリンベリー(3着、2016年)だけだが、これもGⅠ(JBCスプリント)を勝った馬だった。このレースは、JBCスプリント組が連勝中でもあり、これを2番手に推したい。

あとは好走率の高い3歳馬からゲンパチフォルツァ。マイナスデータがなく、相性のいい霜月S組というのも好材料。同じく好相性のJBCスプリント組からリュウノユキナと、半分が馬券に絡んでいる前走マイル組のオメガレインボーを加えておきたい。

◎デュアリスト
◯モズスーパーフレア
▲ゲンパチフォルツァ
△リュウノユキナ
×オメガレインボー

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。
後輩に誘われて、仕事帰りに住之江競艇場(ナイター)へ行ってきました。競馬もそうですが、やはり現地観戦はいいですね。払い戻しがフライング返還しかなくても楽しめました(涙)。

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