【チャンピオンズC】ソダシに不安要素多数 京大競馬研の本命は連覇を狙うチュウワウィザード

京都大学競馬研究会

チャンピオンズCインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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ダート未経験の牝馬は重賞では馬券内なし

12月5日(日)に中京競馬場でチャンピオンズCが行われる。今年の桜花賞馬で、見た目でも馬券でも人気を集めるソダシがダートに初参戦。他にもダートGⅠ馬のチュウワウィザードやテーオーケインズ、船橋競馬からカジノフォンテンがメイセイオペラ以来の快挙を狙いにやってきた。ソダシは父クロフネ・母ブチコとダートで素晴らしい走りを見せた馬を両親に持つため、かねてからダートで見たいと言われてきた。ただ果たしていきなり一流どころ相手に太刀打ち出来るのか、ソダシに関連したデータを中心に調べた。

その前に、昨年の記事でも述べたステップレース別の大まかな傾向をおさらいしておくと、前走JBCや南部杯から来た馬が好調で、穴なら中央重賞を負けた馬が狙い目である。これらの傾向は昨年の結果にも反映されており、引き続き予想で参考にしないといけないデータだ。


過去20年ダート重賞前走芝組成績,ⒸSPAIA


まずは過去20年の前走芝組のダート重賞成績を調べた。全体では【11-9-13-327】で複勝率9.2%、複勝回収率48%。ダート馬が1度だけ芝を使ってまたダートに戻ってきた例も含むため全馬が転向組ではないものの、基本的には不振。牝馬に限ると【1-0-2-42】と大苦戦。牝馬の転向組による最後の馬券絡みは2010年武蔵野S3着のブラボーデイジーで、10年以上好走がない。馬券になった3頭ともダートでの好走実績が一度以上はあり、つまりダート未経験だと全滅。勝った1回が単勝万馬券だったため単勝回収率だけは227%あるものの、他のデータはボロボロになっている。どうしても買うなら人気薄の一発狙いに留めるべきで、軸としての信頼は置けない。


中京ダ1800m重賞は中、内枠有利。ただし1枠は例外

過去10年中京ダ1800m重賞枠別成績,ⒸSPAIA


次に中京ダート1800m重賞における枠順別成績を調べた。対象レースは中京コース改修後の東海SとチャンピオンズC合わせて15回。勝ち馬を最も輩出しているのは4枠で【5-0-1-24】。しかし単勝回収率は47%しかなく、人気薄の激走が期待できない枠となっている。実績馬であれば中枠はどこからでも競馬の出来る絶好枠であるのに対して、人気薄にとっては両側からプレッシャーを与えられる苦しい枠であることが分かる。同様の理由で5枠【3-1-2-24】も実績馬の勝利が多い枠となっている。しかし今年は4、5枠共に人気薄が独占。今年に関しては他の枠を優先した方がよさそう。

人気薄の激走が多く、単勝・複勝回収率がともに最高なのが2枠で【2-3-3-19】となっている。特に逃げ・先行馬が狙い目で2年前のインティが今年と同じ2枠4番から好走。当時ほどの勢いはないが、期待してもいいのではないだろうか。

一方ソダシの入った1枠は勝利なし。カフェファラオの入った8枠もチャンピオンズCでは勝利なし。あまりに内過ぎる、または外過ぎる枠は、展開や距離ロスなどで不利を被りやすい。割引が必要だ。


格下相手には負けない。宿敵が引退したここは連覇濃厚

◎チュウワウィザード
ダートの安定株。骨折明けのJBCクラシックも3着で怪我の影響はなさそう。国内で馬券外に敗れた2回も、内で詰まったり海外遠征の反動が出たりと敗因が明確で、自分の能力さえ出せば崩れていない。これまで上位争いをしていたゴールドドリームやクリソベリルが引退し、オメガパフュームもいないここは力が一枚上。ソダシの人気次第では単勝でも買いたい1頭。

◯インティ
加齢によって引っかかりにくくなり、近3走では逃げない競馬が板についてきた。かつてのように行き脚もつかなくなり能力落ちは見られるものの、内にゲートの速いカジノフォンテンと、逆に毎回出遅れるサンライズノヴァがいるため、五分のスタートが切れたら絶好枠からインでスムーズに走れるはず。それが叶えば2年連続好走の舞台で再度激走あってもおかしくない。人気が落ちてマークされなくなるのも好材料。

▲エアスピネル
2走前の南部杯は伸びない内に入り、4走前は芝とどちらも敗因は明確。揉まれ強く内を捌いて伸びるタイプで、菊花賞3着の実績もあるように距離自体はこなせる。枠も良くイン突きの出来るところに収まったため、あとは藤岡康太騎手の捌き方次第。

△テーオーケインズ
帝王賞の勝ち馬だが、当時は実績馬がしくじった印象が強く、前走は高齢実績馬の前に4着敗退。ワンパンチ足りないがチュウワウィザード以外は混戦気味で2、3着は十分狙える馬。

×サンライズノヴァ
短距離なら末脚は健在。内で距離ロスを減らして最後方からの競馬ならば一発ある。実績に比して人気がなさそうで激アツ候補。

×カフェファラオ
フェブラリーSはルメール騎手の騎乗に助けられた。能力は認めるも揉まれ弱く、冷静さを欠くとあっさり負けるため乗り難しい。大外枠で被される心配はないものの、現状結果の出ていない中距離戦でこの枠は距離ロスが響く。函館記念からの休み明けで、実は先述した芝からの転向組にも該当する。高い評価は出来ない。

消ソダシ
芝での能力上位の走り、血統から人気するのはうなずけるが、先述のようにダート未経験の牝馬は過去20年重賞では全くといっていいほど走っていない。ムキになると秋華賞のように展開が向いても大敗もあるため、内で揉まれると厳しいと判断。引いた枠が1枠と最悪で、母のゲート難から出遅れの可能性なども考えると人気の有無に関わらず買えない。消し。

買い目はチュウワウィザード軸の馬連5点と三連複10点。加えてインティ-エアスピネルのワイドで勝負する。これから引退が増える季節で世代交代も叫ばれる中、マカヒキとキセキをずっと応援してきた筆者としては第一線で走り続ける高齢馬にはまだまだ頑張ってもらいたいし、できれば結果も伴って欲しいところだ。(文:福山)

▽チャンピオンズC予想印▽
◎チュウワウィザード
◯インティ
▲エアスピネル
△テーオーケインズ
×サンライズノヴァ
×カフェファラオ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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