【ジャパンC】外国馬の日本芝適性を整理 BCターフの時計で期待できるブルーム 外国馬久々の一発

佐藤永記

ブルームに関する好データ,ⒸSPAIA

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まずは日本の芝に対応できるか

近年外国馬の活躍をとんと見なくなってしまったジャパンカップだが、今年は3頭の外国馬が来日してくれた。来年から優勝賞金を1億上げて4億円にすることも決まったジャパンカップ。外国馬が東京コースに向いているかどうかで白熱の議論を巻き起こす開催に戻ることができるか気になるところだが、まずは今年、外国馬をデータから評価していきたい。

外国馬が日本のコースを走るということは「高速馬場」に対応できるかどうかが何よりも重要である。基本、ヨーロッパは同じ芝でも品種や管理が違うため、時計は日本の芝よりもかかるので、単純時計比較はできない。慎重に見ていこう。

まずはフランスのグランドグローリーである。戦法は主に差し・追い込み。ただ、Fast(良馬場)を走ったのは17戦して3回しかない。しかもそのうち1回はデビュー戦のダートである。芝の良だったのは昨年9月の10頭立て2400mだったヴェルメイユ賞を1着2.26.4のレースで2.27.9の9着。あとは昨年11月のイタリアでの2000m戦リディアテシオ賞で8頭立て6着。1着とは0.5秒差だった。

近況の着順は非常に良く、成績という面では好調ではあるのだが、血統も全く日本に馴染みのない馬で、どこを切っても日本で走れそうな気がしない。このレース後にオーナーは売却を検討しているとのことで、個人的には本気度も感じない。

オブライエンの刺客 BCターフの時計が光るブルーム

アイルランド・オブライエン厩舎からは2頭が来日。まずはジャパンから。クールモアグループの共同所有者に日本人が加わっているジャパンがジャパンカップを走る。こちらは良馬場での走行実績が充分あり、昨年の凱旋門賞でも武豊騎手が騎乗しようとしていた(禁止薬物混入疑いで出走取消)。

そして今年夏からはアメリカの芝を3戦させ2着、6着、4着。2着だった小回りのサラトガでのソードダンサーSでは直線前が壁になって一旦外に持ち出すロスがあり、1着とは時計差なし。前走BCターフ4着も4角まで包まれる展開で、直線外に持ち出したが鋭さなくジリジリと伸びて位置を守ったようなレースだった。

印象的にはヒモ候補に念の為入れておいてもいいかな程度である。

むしろ僚馬ブルームがそのBCターフを3コーナーで捲り上げて直線先頭。最後ゴール前半馬身差されてしまったものの、2.26.0という時計はアメリカ芝なら好時計だ。近年の2.23.0前後となっているジャパンカップの決着時計で考えれば、芝差で3秒ならと思わせるもので、今年の外国馬なら、ぜひブルームを単勝で狙いたい。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。


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