【マイルCS】歴代最強マイラー! 京大競馬研究会はグランアレグリア有終の美を確信

京都大学競馬研究会

マイルCSインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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名牝の大団円か、3歳馬の世代交代か

11月21日(日)に阪神競馬場でマイルCSが行われる。GⅠ・5勝馬グランアレグリアの引退レースだが、3歳のシュネルマイスターやグレナディアガーズ、GⅠ・2勝のインディチャンプも脇役で終わるつもりはない。

3歳馬の世代交代なるか、名牝が最後も大歓声を浴びるのか、ハイレベルな戦いが期待できそうだ。まずはこれまでのグランアレグリアのマイルGⅠにおける走りを振り返っていく。


3歳冬からの急成長。グランアレグリアの軌跡

グランアレグリアのマイルGⅠ成績,ⒸSPAIA


グランアレグリアはこれまで7回マイルGⅠに出走した。朝日杯FSとNHKマイルCは成長途上であったため、牡馬相手にひるんで折り合いを欠き、最後まで脚が使えず敗退。桜花賞は4角先頭から上がり33.3の脚を出し、牝馬相手では力の違うところを見せていたものの、当時は牡馬相手だと厳しいかと感じたものだ。

しかし休み明けの阪神カップで覚醒。以降距離を問わず鬼脚を使えるようになり、2020年安田記念は前半34.2のハイペースも難なくこなしてアーモンドアイ相手に完勝、マイルCSでは先行策からインディチャンプを並ぶ間もなく交わし、ヴィクトリアマイルでは外を回しながら上がり32.6という驚異的な数値をたたき出した。中2週でパフォーマンスの落ちた2021年安田記念は追走に苦労したことが響いてダノンキングリーの激走の前に2着。それでも上がり32.9の脚を使ってタイム差なしの1分31秒7で走破できている。

8割の出来で1分31秒台を出されると並のマイル馬では太刀打ち不可能。この馬と張り合うためには、阪神コースであれば1分32秒前半で走破、31秒台でも対応できるスピードが前提となる。またグランアレグリアの出走した7レースの好走馬は朝日杯FSのクリノガウディーと2020年安田記念のインディチャンプ以外は全馬上がり33秒台を使った馬。そのインディチャンプも上がり34.1で、最後の末脚がない馬は通用していない。人気薄の逃げが効かない引き締まったレースになるのもこの馬の出走レースの特徴だ。

今年はスプリント戦で逃げるサウンドカナロアが出走予定で、まともに逃げたら前半33秒台後半のハイペースが見込まれる。グランアレグリア自身はスプリンターズSも勝っていて勿論対応可能。問われる条件が増えても難なくこなすことも名牝であることの証明だ。

1分31秒台をたたき出すスピード、上がり33秒台の末脚、先頭から離されずに追走する自在性、今回は更にハイペースへの対応力が求められる。これらを全部こなせる馬がグランアレグリア以外にいるのか、他の上位人気を確認する。


人気上位馬の診断

有力馬マイル適性診断,ⒸSPAIA


シュネルマイスターは毎日王冠を上がり33.0で完勝。NHKマイルCは経験不足から追走で苦労する面は見せたが、上がり34.0でまとめており、後ろでしっかり溜めたらグランに劣らない末脚が繰り出せることが判明している。安田記念で高速決着にも適応済みで2番人気に足る信頼度はあるが、その安田記念でも出来落ちのグランアレグリアには差されてしまった。レース経験を積んでどこまで差が埋まっているかがポイントになりそうだ。

インディチャンプは3年間マイルでは崩れず走っている。あらゆる展開に対応し、グランアレグリアには叶わずとも常に次点を保ってきた。ただ6歳になり衰えが見られる他、叩き良化型であるため5ヶ月半の休み明けはマイナス。香港マイルを控えているため仕上げに不安が残る。

サリオスは安田記念8着以来のレース。出遅れや体調不良で敗因が明確とはいえ、直近1年のマイルでは先行力が明らかに落ちており、現状マイルは忙しい。上がりの脚は33秒台が使えるものの、ハイペースになっても同様に走れるかは不安。ブリンカー効果に期待も人気に比して実績不足は否めない。大阪杯のダメージはとれて春と比較すると良い状態で出走できるとは思うが、抑えまで。

グレナディアガーズは朝日杯FS、NHKマイルCとハイペースを先行して好走、京成杯AHは末を伸ばす競馬で3着。外を回す安全策でレース内容は悪くないものの、前走を見る限り溜めて味のあるタイプではなさそうで、33秒台で上がれないと厳しい対グランアレグリア戦は当馬の好走条件とは合わない。ハナを切って自らスローに落としたとしてもグランアレグリア相手では自滅にしかならない。消しの予定だ。

ダノンザキッドは前走富士S4着、休み明けで流石に太すぎた。外を回す競馬で着順を悲観する必要はないが、前走より速いペースになった際に対応出来るかは疑問。東スポ杯ではスローペースながら末脚はしっかり使えていたため、叩いてマイルの速さに慣れたら3着争いは出来る。


超一流の証明へ

人気上位2頭はレース内容が非常に強く、年齢による成長、衰えを加味すればほとんど能力差はないと思われる。となると最後に物を言うのは人馬の経験の差になるのでないだろうか。

◎グランアレグリア
GⅠ・5勝の歴代最強マイラー。先述したスピード、ペースを問わない強烈な末脚、脚質の自在性などを兼ね備えている。安田記念の時と同様の中2週で、かつ無事に繁殖入りするため、怪我につながりうる強気の騎乗はしてこないと予想される。能力全開とは行かず、確かに不安はある。しかし、安田記念は出来落ちがあった上で、展開など多数の要素がハマった一流馬ダノンキングリーになおアタマしか差をつけられなかった。一流を超えた何かである当馬ならば、無事に回るだけで勝ち負けになるだろう。8割を超えて力を発揮すればまず負けないためアタマ固定で勝負したい。ヴィクトリアマイルの再現を期待する。

◯シュネルマイスター
毎日王冠は絶望的な位置から完勝。末脚も強烈でハイペース経験も積み、今後マイル界を背負うことは間違いない。ただ安田記念の3着敗退はやはり気になる点だ。成長で半馬身差を埋めても、ルメール騎手が安田記念と同じ轍を踏むとは思えず、結果2着までになりそう。

▲インディチャンプ
マイル界の安定株。加齢による衰えと香港の叩きという側面から上位2頭よりは一枚落ちる。しかし競馬の内容は常に良好でよほどのことがない限りこの馬も堅実。

△サリオス
マイルは忙しいがブリンカー効果と状態の良さで春よりは前進見込める。

×ダノンザキッド
富士Sを叩いて体が絞れ、かつマイルのペースになれたら好走可能。馬体重注目。

×ケイデンスコール
穴馬で面白そうなのはこの1頭だけ。マイラーズカップのレース内容がGⅠ級で先述した高速決着、上がりの速さ、前傾ペース全てに対応出来た点は高評価。末脚で劣るため勝ち切りは厳しくとも2着争いなら可能。

消グレナディアガーズ
上位人気の中で唯一切れ味に欠ける。総合力の問われる今レースでは粘り一辺倒では通用しない。中内田厩舎の馬が3歳以上のGⅠでは成績を落とすのも不安。

馬券はグラン頭固定の馬単5点と、グラン頭固定かつシュネルマイスター2,3着軸の三連単8点で勝負する。思えば彼女は常に馬券相性最悪の馬として私の前に立ちはだかり続けた。安田記念で強気の1着固定から外してしまう失態もあった。だがそれも今回まで。最後は私もあなたも勝って終わろう。グランアレグリアの未来に幸多からんことを。(文:福山)

マイルCS 予想印
◎グランアレグリア
◯シュネルマイスター
▲インディチャンプ
△サリオス
×ダノンザキッド
×ケイデンスコール

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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