【マイルCS】339万馬券のち平穏決着? ハイブリッド式消去法で伏兵馬は全滅、残った4頭とは

八木遊

過去10年のマイルCS『前走4着以下』かつ『前走時馬体重4キロ以上増』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『エリザベス女王杯』は、10番人気アカイイトを本命に指名。今季第1号本塁打かと思われたが、的中は11.8倍の複勝のみ。2~3着馬を消しており、結果はボテボテの“内野安打”だった。せめて単勝を買っておくべきだった。

気を取り直して今週は『マイルCS』を予想する。今年も阪神開催となるが、過去10年(11~20年)のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を順番に消していく。

『前走4着以下』×『前走時馬体重4kg以上増』★0.0%★

まずは前走着順データから絞り込みを図りたい。前走4着以下の馬券圏外に敗れた馬は過去10年でのべ106頭いる。その成績は、【3-2-3-98】(複勝率7.5%)と、この時点で複勝率は10%を割り込んでいるが、ハイブリッド式ではこれにもう一つの条件を掛け合わせる。

今回は前走時の馬体重に着目した。前走馬体重が前々走から4kg以上増えていた馬は【0-0-0-41】(同0.0%)と、マイルCSで巻き返すことはできなかった。1つ目はこの条件を採用したい。

今年これに当てはまったのはインディチャンプ、ダノンザキッドなど5頭。インディチャンプは香港マイルを見据えての休み明け。活きのいい3歳馬もいて、来ても掲示板と予想する。今回は消しという判断を下したい。

【今年の該当馬】
・インディチャンプ
・ケイデンスコール
・ダノンザキッド
・リプレーザ
・ロータスランド

『非社台系生産』×『前走から距離延長』★0.0%★

続いては生産者別データから、非社台系の牧場で生産された馬を取り上げる。掛け合わせるのは前走からの距離変動。前走で1600m未満を走っていた馬は【0-0-0-24】(複勝率0.0%)と全滅していた。非社台系生産馬で狙うなら【3-0-2-30】(同14.3%)の同距離組だろう。

今年これに当てはまったのは、前走スワンS惨敗のクリノガウディーと条件馬サウンドカナロア。この2頭を迷わず消去する。

【今年の該当馬】
・クリノガウディー
・サウンドカナロア

『前走4角10番手以下』×『前走上がり2位以下』★3.3%★

3つ目は前走時の4角通過順と上がり3ハロン順位を組み合わせたデータだ。前走4角が10番手以下という後方で、かつ上がり最速を計時できなかった馬は過去10年で【0-0-1-29】(複勝率3.3%)と苦しんでいる。逆に上がり最速をマークしていた馬は【2-3-0-9】(同35.7%)なので、差し馬はメンバー屈指の決め手を持っていないと厳しい。

今年これに当てはまったのは4頭。うち2頭はすでに消去済みなので、新たにサウンドキアラとダーリントンホールを消去リストに追加する。

【今年の該当馬】
・(クリノガウディー)
・サウンドキアラ
・ダーリントンホール
・(ダノンザキッド)

『キャリア10戦以下』×『前走逃げor 先行』★6.3%★

4つ目は、これまで走ってきたレース数に注目した。ほとんどが3歳馬だが、キャリア10戦以下でマイルCSに出走してきた馬は過去10年で【3-1-1-35】(複勝率12.5%)とやや苦戦している。キャリアが少ない馬の好走パターンは前走で差しか追い込み競馬をしていたこと。その成績は【3-0-1-19】(同17.4%)だった。一方、前走で逃げもしくは先行していた馬は【0-1-0-15】(同6.3%)。唯一の馬券圏内は19年1番人気2着のダノンプレミアムだった。

今年このデータに当てはまったのはホウオウアマゾンのみ。前走のスワンSでは3着に逃げ粘ったが、古馬相手のGⅠではさすがに荷が重いか。

【今年の該当馬】
・ホウオウアマゾン

『前走5番人気以下』×『今回5番人気以下』★2.7%★

最後は前走と今回の単勝人気順を掛け合わせて絞り込んでいく。結論からいうと、前走5番人気以下かつ今回も5番人気以下の馬はのべ75頭いたが、【0-1-1-73】と大苦戦。5つ目はこのデータを採用する。

最後のデータは当日の人気次第だが、残っている8頭のうち、前走5番人気以下だったのは4頭。その内の1頭サトノウィザードは回避を発表済みで、カテドラルなど他の3頭も当日5番人気以下はまず間違いないだろう。いずれも消去対象となりそうだ。

【今年の該当候補】
・カテドラル
・クリノプレミアム
・サトノウィザード(回避)
・レインボーフラッグ

5つの消去データを経て、確実に残るのはグランアレグリア、グレナディアガーズ、サリオス、シュネルマイスターの4頭となった。4頭の三連複ボックスに加え、追い切りや枠順なども見届けた上で、点数を絞って三連単も検討したい。

エリザベス女王杯は三連単339万円を超える大万馬券となったが、今週は上位人気決着になると見ている。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(11月14日時点の回収率は39.5%)。


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