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【エリザベス女王杯】秋華賞の再現ならアカイトリノムスメ 「好位から中団追走」「直線で外に持ち出せる馬」が狙い

2021/11/11 11:00
三木俊幸
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最内から3着内に入ったのは2頭のみ

昨年に引き続き、阪神競馬場が舞台となるエリザベス女王杯(GⅠ・芝2200m)。舞台設定は同じではあるものの、開幕2週目に行われた昨年に対し、今年はすでに5週開催が進んでおり、Aコース6週目という大きな違いがある。果たして今の馬場向いているのはどの馬か、馬場適性の観点から分析していく。

先週は中間の雨量は計測されず、11月6日(土)はクッション値9.3、ゴール前含水率9.4%、7日(日)はクッション値9.4、ゴール前含水率8.0%と乾燥した状態でレースが行われた。

土曜日は芝で5レースが行われ、勝ち馬は全て4角先頭または2番手と先行馬有利の傾向が目立った。日曜日は6レース中3レースの勝ち馬が4角6番手以下と差し馬の台頭も見られたが、3着内という視点で見ると、2日間合計11レース全てで4角3番手以内の馬が残っており、差し有利ではなかったと言えるだろう。

続いて各馬が直線残り200m付近でどのコースを通っていたのかについても調べてみた。11レース中、最内を通って3着内に好走した馬は土曜9R能勢特別3着エールブラーヴと、日曜12Rの3歳以上2勝クラス2着ブレイニーランの2頭のみ。勝ち馬11頭中9頭が内から3頭目〜5頭目を通っていた。

その他、目についた点としては外回りコースを使用したレースでは内を開けて走ることが多くなってきた。ただ、エリザベス女王杯で使用する内回りコースは内を大きく開けて走るということもなく、外回りに比べると先行有利の傾向が強い。

今週末は晴れ予報で良馬場でのレースとなりそうだが、週中に雨が降ったことで先週ほどの先行有利にはならないと考える。そうしたことから「好位から中団追走」「内ラチ沿いに拘らず、直線では馬場の良い3〜5頭目に持ち出せる馬」を狙いたい。

秋華賞は内から5頭目を伸びる

2021年エリザベス女王杯出走馬の馬場適性,ⒸSPAIA



今回ピックアップしたのは6頭。特に注目したい馬には馬名の前に☆をつけている。

【レイパパレ】
今回は3勝をあげている阪神コース、2・3番手追走から直線は内から3頭目あたりを通れそうな点は歓迎材料だが、連敗している2200m、56kgという条件が引き続きとなる点は気がかり。再び取りこぼす可能性も考えられる。

【☆アカイトリノムスメ】
阪神内回りコースで機動力を求められる展開になってどうか、という点を気にした秋華賞だったが、5番手から直線では内から5頭目の進路を通って勝利。距離がさらに200m延びるのはプラスで、今の馬場もピッタリ。前走と同じようなレースができれば勝ち負けになると見ている。

【ウインマリリン】
内回りの2200m、昨年ほどの超高速馬場ではないという点は味方につけられる。フローラSと日経賞は直線最内、オールカマーは内から2頭目を狙って進路がなくなったためすぐ外の3頭目から伸びたが、ロスなくインコースを突く競馬を得意としているので、そこに固執すれば馬場の良い外を通った馬に競り負ける可能性もある。

【テルツェット】
スローペースの高速決着で速い上がりが要求されたヴィクトリアマイルこそ14着に敗れたが、ペースが流れたダービー卿CTやクイーンSでは道中脚をためて鋭い末脚で差し切っている。今回は先行馬も多く、平均ペース以上になる可能性がある。初の2200m、56kgと不安材料も多いが、ハマれば突き抜けるだけの能力は秘めている。

【ランブリングアレー】
前走のオールカマーは中団追走からレースを進め、休み明けと前残りの展開だったこともあり伸びを欠き7着に敗れたが、ヴィクトリアマイル2着という成績を考えれば力は通用する。今回は一叩きされた上積みと2勝、2着2回と相性のいい吉田隼人への騎手に乗り替わりに期待したい。

【イズジョーノキセキ】
前走の西宮Sはジェラルディーナの末脚に屈して2着。ただ、ジェラルディーナは秋華賞に出ていても好勝負できたであろう素質の持ち主で、相手が悪かったとも言える。相手なりに走るタイプで内回りも問題なし。道中ロスなく脚をためて直線で馬群を割って伸びてくるというレースができれば、穴をあける可能性もある。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとして記事を執筆している。

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