【ファンタジーS】いざ阪神JFへ、ウォーターナビレラが3連勝で重賞制覇! 2、3着馬の将来も明るい

SPAIA編集部

2021年ファンタジーSのレース結果,ⒸSPAIA

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武兄弟コンビの初重賞制覇

小倉2歳Sの1~3着馬が出走し、他にもソダシの全妹ママコチャなど良血馬が顔を揃えた今年のファンタジーS。2018年ダノンファンタジー、2019年レシステンシアがここを勝利し、彼女たちはそのまま2歳女王に輝いた。

12月の阪神JFを占う大事な一戦を制したのは武豊騎手が騎乗したウォーターナビレラ。ここまで札幌、中山と違うコース・距離で勝利してきた。好位から競馬できる器用さを持ち、速い上がりにも対応できる。現時点では完成度が違った。

レースは逃げたナムラデイリリーを見る形で2番手に付けた。スタート後しばらくは行きたがる素振りを見せたが、レースが流れるとスムーズに折り合った。直線では2着のナムラクレアに迫られる場面もあったが、馬場の真ん中に出されるともうひと伸びして優勝。

走破タイム1:21.1は昨年のファンタジーSで記録されたレコードには及ばないが、決して悪いタイムではない。ウォーターナビレラはまたも初コース、初距離での3勝目を挙げ、対応力の高さを見せつけた。どれも強い内容で、12月の阪神JFは1ハロン延びるが問題ないだろう。

また今回は2つの「初物」があった。一つ目は武兄弟コンビによる初重賞制覇。管理するのは武豊騎手の弟・幸四郎調教師。重賞では2回目のコンビで見事達成した。12月の阪神JFでは、武兄弟コンビによる初GⅠ制覇を期待せずにはいられない。

2つ目は新種牡馬シルバーステートに初重賞制覇をプレゼントしたことだ。産駒は1200m~2000mという幅広い距離で勝ち星を挙げており、野路菊Sを勝ったロンなど今後が楽しみな産駒もいる。そのロンは次走に阪神JFを予定。順調にいけば、ウォーターナビレラとのシルバーステート産駒対決が見られるだろう。

2、3着馬の今後の活躍に期待

2着ナムラクレア、3着ママコチャも今後の活躍が期待できる。4着との差が3馬身半開いたことを見ても、上位3頭の力が抜けていたと評価できる。

2着のナムラクレアは今後距離が問題になってくるだろう。ミッキーアイル産駒の距離別成績を見ると、勝ち星が最も多いのは1200m。このレースでも直線に向いたときは先頭に立ちそうな手応えだったが、最後は脚色が鈍った。

1600mでも対応できるだろうが、一線級を相手に戦うとなるとちょっと疑問符がつく。しかしスピードの絶対値は高く、1200m~1400mなら来年以降も重賞戦線で十分戦えるのではないか。

3着のママコチャはソダシの全妹らしく高い能力を感じさせた。ただ、スタートで後手を踏み、道中行きたがる素振りを見せるなど、まだまだ粗削りな印象が強い。

しかし、終始外を回る展開の中、唯一外から伸びてきたところに力を感じる。この馬にとって1ハロン延長は歓迎だろう。阪神JFに出走してくるならぜひとも狙いたい一頭だ。現状、姉ソダシのような器用さはないが、その分爆発力は秘めている。

3頭とも能力は高く、今年や来年だけでなく、古馬になってからもそれぞれの舞台で活躍する。そんな可能性を感じさせた。

4番人気に支持されたスリーパーダは、オークス馬シンハライトの妹ということで注目を集めたが、今回は見せ場なく8着に敗れた。

前走小倉2歳Sでは折り合いを欠きながらも2着と好走。能力の高さは感じさせたが、課題も浮き彫りとなった。今回もレース序盤から折り合いを欠き、鞍上の岩田望来騎手は終始手綱を引きっぱなし。あれでは最後まで持たない。

能力は間違いなく高いが、気性面が成長しないとこの先も苦労しそうだ。馬体もまだまだ小さく、本当に良くなってくるのは来年以降かもしれない。


2021年ファンタジーSのレース結果,ⒸSPAIA



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