ルメール騎手は月間24勝で川田将雅騎手に38勝差 武豊騎手はJRA通算4300勝達成!【10月終了時点の騎手リーディング】

三木俊幸

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横山武史騎手は2週連続のGⅠ勝ち

秋のGⅠシリーズが始まった10月2日(土)から31日(日)まで5週に渡り、合計10日間行われた10月の競馬開催。先週末からは競馬場への入場者数が大幅に増え、場内の盛り上がりはコロナ禍以前に戻りつつあるように思えた。

そんな10月の競馬開催でリーディングトップ5の騎手たちはどのような活躍を見せたのだろうか、嬉しい記録達成の出来事とともに振り返っていく。

2021年10月終了時点の騎手リーディング,ⒸSPAIA



リーディングトップはルメール騎手で変わらず。前月は開催9日間で11勝とやや低調な成績に終わったが、今月に入ってからは1→1→5→2→3→2→1→1→4→4と10日間全てで勝利をあげ、そのうち3日間で1日4勝以上の大活躍だった。GⅠレースこそ勝利はなかったが、2週目にはサウジアラビアRCと毎日王冠で優勝。2日連続の重賞制覇を果たすなど24勝を上積みして165勝まで勝ち星を伸ばしている。

同じく9月が8勝止まりと不調だった2位川田将雅騎手。しかし10月に入ってからの日別勝利数を見ると3→1→1→1→1→0→2→2→2→1、未勝利だったのはわずか1日のみ。プラス14勝で年間勝利数を127勝とし、スワンSを制するなど活躍したが、ルメール騎手との差はさらに10勝広がり38勝差となってしまった。11月は最初の週にアメリカ遠征があるため、後半2週のみの騎乗となる予定だ。

3位福永祐一騎手はプラス10勝で117勝。前半4日間は2勝のみだったが、後半の6日間で8勝(1→1→3→2→1→0)と巻き返した。重賞レースは2勝、特にGⅠ・スプリンターズSでは3歳馬ピクシーナイトを勝利に導く好騎乗が光った。

4位の松山弘平騎手は10日間のうち4日で複数勝利。10月16日(土)の阪神6Rではディアノイアに騎乗し、2年連続2回目となる年間100勝を達成するなど、月間14勝を積み重ねて108勝としている。3位との差は9勝だが、福永騎手もアメリカ遠征があるため11月は前半2週騎乗できない。大勝ちがあればその差は一気に縮まりそうだ。

5位の横山武史騎手は10月の勝利数こそ8勝止まりだったものの、菊花賞をタイトルホルダーで、天皇賞(秋)をエフフォーリアで制しGⅠ・2勝の大活躍。いずれも見事な乗り方で、大舞台での勝負強さと騎乗技術は今まで以上に磨きがかかった印象だ。賞金ランキングでは前月終了時点で5位の松山騎手と僅差だったが、GⅠ勝利によってその差を約2億円に広げた。

ベテラン2人の偉大な記録

10月に達成された嬉しい記録達成のニュースのなかでは、真っ先に10月24日(日)にベテラン2人が成し遂げた記録を取り上げたい。新潟4Rの障害未勝利戦で熊沢重文騎手はキーパンチに騎乗し、1着。この勝利がJRA障害通算255勝目となり、星野忍元騎手が持つ記録を抜いてJRA史上単独1位の記録となった。53歳8カ月30日での記録達成となったが、この先どこまで勝利数を伸ばせるのか注目したい。

阪神9Rの北摂特別ではスーパーウーパーに騎乗した武豊騎手がJRA通算4300勝を達成。スタートからハナを切りそのまま押し切るレースで、当日阪神競馬場に足を運んだファンから大きな拍手が沸き起こった。今年は春に怪我による休養があり、秋には海外遠征で騎乗できない週もあったなかで重賞2勝を含む56勝をあげている。武豊騎手のコメントにもあるとおり、まさに「あくまで一つの通過点」にすぎないだろう。

JRA通算4300勝を達成した武豊騎手,ⒸSPAIA


デムーロ騎手はJRA重賞100勝達成

その他では、10月2日(土)の中京5Rでヴェールランスに騎乗し1着となった藤岡佑介騎手がJRA通算900勝達成。リーディング2位の川田騎手とは同期で2004年デビュー。コツコツと勝ち星を積み重ね、次は大きな区切りの1000勝を目指す。

JRA通算900勝を達成した藤岡佑介騎手,ⒸSPAIA



10月17日(日)の新潟8R、サトノアポロンに騎乗した斎藤新騎手はJRA通算100勝を達成した。岩田望来騎手、団野大成騎手、菅原明良騎手がすでに100勝を達成している2019年デビュー組から4人目の記録達成となった。そしてこの勝利は所属する安田隆行厩舎の管理馬によるものだった。

そして先週末の10月30日(土)の東京2Rではオードゥメールに騎乗して勝利した石川裕紀人騎手がJRA通算200勝を達成。前週の日曜日にリーチをかけてから7戦目での記録達成となった。

東京11RのアルテミスSをサークルオブライフで制したデムーロ騎手は、この勝利がJRAの重賞100勝目。短期免許で来日していた2001年の小倉大賞典、ミスズシャルダンに騎乗して重賞初制覇を果たしてから20年の月日が流れて節目の記録を達成。同じく短期免許からJRAの騎手免許を取得したルメール騎手も駆けつけて祝福した。

JRA重賞100勝を達成したミルコ・デムーロ騎手,ⒸSPAIA



ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとして記事を執筆している。



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