【ファンタジーS】前走重賞2着馬に要注意! 阪神巧者の騎手&種牡馬を大分析だ!
高橋楓
ⒸSPAIA
阪神開催が最大のポイント!
まだ、「日本海」という寝台特急が走行していた時代。初めて祖父母と関西へ旅行した時の事は今でも忘れない。
今からおよそ30年前の思い出。観光地を巡った記憶は断片的なのだが、今でも忘れられないのは「うどんの味」だ。それまで、うどんと言えば秋田稲庭うどんが普通であり常識だった私にとって、お出汁も麺の太さもまるで違うその食べ物は衝撃的であった。
数年前、大人になり当時の思い出を頼りにその場を訪れてみたのだが、結局見つける事が出来なかった。しかし、不思議なのが私はうどんを食べていたのに、目の前の祖父は間違いなくトーストを食べていた事。
一体、私はどこであのうどんを食べたのだろう。もう一度、忘れられない思い出の味を食べてみたいものだ。全国津々浦々、場所が変われば特徴や傾向が変わる。今年もファンタジーSの舞台は阪神競馬場だ。
過去の傾向を分析しようにも、阪神開催は今年で2回目。昨年はメイケイエールが小倉2歳Sの勢いそのままにこのレースを快勝した。京都開催期間も含め近10年間の傾向を見ると臨戦過程は以下の様になる。
新馬[3-3-0-24]
未勝利[2-1-4-20]
1勝クラス[0-3-0-21]
オープン特別[0-1-3-24]
GⅢ[4-1-3-17]
GⅡ[1-1-0-0]
勝ち星が一番多いのはGⅢからの転戦馬。アイムユアーズ(2011年・函館2歳S2着)、ベルカント(2013年・小倉2歳S2着)、クールホタルビ(2014年・小倉2歳S13着)、メイケイエール(2020年・小倉2歳S1着)の4頭が勝利している。GⅢを勝って参戦してきた馬は[1-0-2-2]、2着馬は[2-1-0-2]、3着以下だと[1-0-1-13]。
今年は小倉2歳Sを制した「ナムラクレア」、2着の「スリーパーダ」には要注目だ。1勝クラスからここに向かってきた馬は2着が3回。不思議なもので3頭とも2着に負けてから挑んできている事が共通点だ。
1勝クラスを勝ってここに挑んだ馬は[0-0-0-5]なのに対し、2着から参戦してきた馬の方が[0-3-0-4]と成績が良い。
2歳戦限定!当該条件巧者ランキング!
2012年1月1日から2021年10月29日までに2歳戦限定で行われた阪神・芝1400m戦は合計134レース。早速、当該条件巧者を分析していこう。
第1位 福永祐一[16-6-10-41]
第2位 松山弘平[15-6-1-53]
第3位 川田将雅[13-9-7-32]
第4位 和田竜二[9-13-5-70]
第5位 C.ルメール[9-1-3-15]
注目すべき点は2点。まず、福永祐一騎手、川田将雅騎手、C.ルメール騎手の複勝率が40%を超えているという点で、3連係の馬券からは外せない。ちなみに想定の段階では騎乗予定がないがM.デムーロ騎手も[2-6-7-15]と複勝率50%と得意にしている。
次に、松山弘平騎手の成績にも注目だ。騎乗機会75回中、1着が15回、2着が6回、3着は1回しかない。単勝回収率は298%もあり、まさに一発勝負型といえよう。現段階ではダートで新馬勝ちしてきたスマートプレジールに騎乗予定。穴として面白そうな伏兵だ。
ちなみに過去25回行われた当レースのみで調べると、複数回制しているのは4名。武豊[4-1-3-12]、福永祐一[3-2-0-14]、川田将雅[3-1-1-7]、池添謙一[2-1-0-12]となっている。舞台こそ京都から阪神に変わっているが、頭の片隅に置いておきたい。
次に種牡馬ランキング。
第1位 ダイワメジャー産駒[9-8-8-57]
第2位 ロードカナロア産駒[9-2-5-32]
第3位 ディープインパクト産駒[6-5-8-22]
第4位 ハーツクライ産駒[6-3-3-26]
第5位 ブラックタイド産駒[6-1-0-30]
舞台は阪神の内回りの1400m戦。スピード型の種牡馬がワンツーフィニッシュとなった。しかし、このランキングに登場する種牡馬の産駒がまさかの1頭も出走予定にないではないか。となると俄然注目は「ミッキーアイル産駒」。
昨年はこのレースを産駒のメイケイエールが快勝。まだ出走頭数は少ないが[3-0-2-7]と阪神芝1400mで産駒は好走実績も十分。今年は小倉2歳Sのワンツーフィニッシュが当馬の産駒で、このレースで再び顔を合わせただけに要注目だ。
本命はミッキーアイル産駒の「スリーパーダ」
本命はキャロットファームのスリーパーダ。前走の小倉2歳Sで2着してきた馬だ。ここまで2走共に馬場に水分を含んだ状態の競馬となっただけに、少々馬場が悪くなったとしても不問なのは心強く、父は先に紹介したミッキーアイル。サンプルは少ないが前走GⅢで2着だった馬は近10年のファンタジーSで複勝率60%。軸馬として信頼したい。
対抗は小倉2歳S覇者のナムラクレア。初勝利をオープンのフェニックス賞で飾った本馬だが、その後連勝はお見事だった。この馬もミッキーアイル産駒で馬場適性の心配無用。
重賞勝ち馬ながら対抗評価としたのはデビュー戦の内容。新潟のマイルでのデビューとなったのだが、先頭をいくボンクラージュの約4馬身後ろの3着で入線。デビュー戦だったとはいえ、その後の1200m戦と比べてしまうと、現状距離は短い方が良い印象を受けた。
以下デビュー戦で先行力と完成度の高さを披露したオルコス、松山弘平騎手がエスコートするスマートプレジールまで印を回しておきたい。
◎スリーパーダ
〇ナムラクレア
▲オルコス
△スマートプレジール
《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレース、競輪の記事を中心に執筆している。
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