【秋華賞】ソダシとユーバーレーベンを真っ先に消し! ハイブリッド式消去法で絞り込んだ4頭は?

八木遊

過去10年の秋華賞『前走から中5週以上』かつ『キャリア7戦以上』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『毎日王冠』は上位3頭に印を打っていたが、ポタジェとヴァンドギャルドを頭にしたことが裏目に出た。今年の重賞レースでの回収率は30%台前半のまま。“借金”は膨れ上がる一方だ。

今週は17日(日)に開催される『秋華賞』を予想する。直線平坦の京都から急坂がある阪神に舞台は替わるが、過去10年(11~20年)のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。いつも通り、当てはまった馬を順番に消していく。

今年はフルゲート16頭に22頭が登録。除外対象の5頭を除く17頭を対象に進めていきたい。

『前走から中5週以上』×『キャリア7戦以上』★0.0%★

最初に取り上げるのはレース間隔にかかわるデータだ。前走から中5週以上の間隔を取って出走した馬は過去10年で【4-1-0-29】(複勝率14.7%)とまずまず。連対した5頭には「キャリア6戦以下」という共通点があった。逆にキャリア7戦以上で秋華賞に出走してきた場合は、【0-0-0-16】(同0.0%)と好走例はなし。まずはこのデータを採用したい。

今年このデータに当てはまったのは3頭。牝馬2冠を狙うソダシとユーバーレーベン、さらに抽選対象のステラリアが条件に合致した。前走札幌記念で距離の壁をクリアしたソダシは1番人気が濃厚だが、オークス並みのプレッシャーがかかるのは必至。思い切って消しという判断を下したい。

【今年の該当馬】
・ステラリア*
・ソダシ
・ユーバーレーベン

『前走GⅢ以下』×『前走4番人気以下』★2.1%★

続いて前走クラス別に着目した。紫苑Sを含めた前走GⅢ以下からの参戦は過去10年で90頭いて、【4-5-3-78】(複勝率13.3%)だった。その前走で4番人気以下だった馬は秋華賞でほとんど好走できていない。その成績は【0-1-0-47】(同2.1%)で、唯一馬券圏内に入ったのが昨年2着のマジックキャッスルだった。

今年このデータに該当したのは紫苑Sから参戦の4頭。2着スルーセブンシーズと3着ミスフィガロはともに勝ち馬ファインルージュには決定的な差をつけられての完敗だった。他の2頭も含めてここは消しで問題ないだろう。

【今年の該当馬】
・スライリー
・スルーセブンシーズ
・ホウオウイクセル
・ミスフィガロ

『前走時馬体重増』×『前走で人気より上の着順』★2.3%★

3つ目は前走時の馬体重増減にかかわるデータを取り上げたい。前走時にプラス体重だった馬は過去10年で、【6-6-6-93】(複勝率16.2%)。このうち前走で人気を上回る着順に好走していた馬は【0-1-0-43】(同2.3%)と本番で苦戦していた。狙うなら【6-5-6-50】(同25.4%)の「人気通り、もしくは人気を裏切っていた馬」の方だろう。

今年は7頭がこの消去データに当てはまった。ユーバーレーベンは2度目の登場。他には上位人気が予想されるアンドヴァラナウト、ファインルージュなど4頭が新たに消去リストに加わった。

【今年の該当馬】
・アンドヴァラナウト
・エイシンヒテン
・エンスージアズム*
・(スルーセブンシーズ)
・ファインルージュ
・(ミスフィガロ)
・(ユーバーレーベン)

『関東馬』×『非社台系生産』★3.3%★

続いては、過去10年で【1-3-1-66】(複勝率7.0%)と苦戦が顕著な関東馬を見ていきたい。掛け合わせるのは生産牧場だ。社台系で生産された関東馬の【1-3-0-37】(同9.8%)に比べ、非社台系生産の関東馬は【0-0-1-29】と、過去10年で3着が1度あるだけ。4つ目の消去データはこの組み合わせを採用する。

今年このデータに当てはまったのは5頭いたが4頭は消去済み。新たにクールキャットを消しとしたい。これで対象17頭中12頭の消去に成功。残るは5頭となった。

【今年の該当馬】
・クールキャット
・(スライリー)
・(ファインルージュ)
・(ホウオウイクセル)
・(ユーバーレーベン)

『前走5着以下』×『今回6番人気以下』★1.7%★

最後は前走着順と秋華賞当日の最終人気順の組み合わせで絞っていきたい。【0-0-1-57】(複勝率1.7%)という絶望的なデータとなったのは、前走5着以下で、今回6番人気以下の馬。13年に15番人気で3着に食い込んだリラコサージュ以外はすべて馬券圏外に消えていた。

5つ目のデータは当日の人気次第だが、残っている5頭のうち前走5着以下は抽選対象のタガノパッションだけ。前走ローズSで12着に大敗したこともあって、当日6番人気以下は確実だ。

【今年の該当候補】
・タガノパッション*

5つの消去データを経て、残っているのはアールドヴィーヴル、アカイトリノムスメ、アナザーリリックの「3A」、そして4分の3の抽選を通れば出走可能なサルファーコスモス*の計4頭となった。現時点で本命候補はアールドヴィーヴルとサルファーコスモスのどちらかにするつもり。最終追い切りと当日の気配を確認して、最終的な判断を下す予定だ。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(10月10日時点の回収率は33.7%)。

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