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【京都大賞典】前走の内容を高評価 京大競馬研はヒートオンビート本命に自信あり

2021/10/09 11:00
京都大学競馬研究会
京都大賞典インフォグラフィック,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

秋のGⅠへ向けたステップレース

10月10日(日)に阪神競馬場で行われる京都大賞典(GⅡ・芝外2400m)。東の毎日王冠とともに秋のGⅠ戦線に向けて重要なステップレースとなっているが、毎日王冠と比べるとやや寂しいメンバー構成となった。

とはいえ、菊花賞馬キセキをはじめ、昨年の菊花賞でコントレイルを追い詰めたアリストテレス、安定感ある4歳馬ヒートオンビート、実績馬ステイフーリッシュなどが出走予定だ。今年は阪神開催であることも踏まえつつ、過去の傾向も取り入れながら予想していく。


4歳馬と5歳馬が中心

過去10年京都大賞典馬齢別成績,ⒸSPAIA


まずは京都大賞典の馬齢別成績(過去10年)を見ていく。3歳【0-0-0-1】、4歳【3-5-3-16】、5歳【5-3-2-27】、6歳【1-1-3-26】、7歳【1-1-2-26】となっており、基本的には4歳馬と5歳馬が中心という成績になっている。連対率や複勝率では4歳馬の方が好成績であるが、勝率では5歳馬がトップ。6歳以上は勝率および連対率が大きく下がっており、勝ち切れないという傾向だ。若い4歳馬や5歳馬を中心に馬券を組み立てながら、高齢馬も3着候補として組み込んでいくのが良さそうだ。


今年の4歳馬はレベルに疑問?

過去5年4歳馬芝混合重賞成績,ⒸSPAIA


京都大賞典で4歳馬が好調な一方、やや不安なデータもある。それは今年の4歳馬、特に牡馬の成績が悪いことだ。スプリンターズS週までの芝混合重賞で4歳牡馬は5勝。23勝の一昨年、6勝の昨年より少なく、世代レベルには疑問が残る。

そのうちクラシック出走組は2勝止まり。3歳時である程度完成していたクラシック出走組(アリストテレス)よりは、上積みや成長が見込める同不出走組の方が推奨しやすい。


阪神芝2400mはどんなコース?

最後に阪神芝2400mというコースについて述べていく。阪神芝2400mは、2000mと同じスタート地点から外回りを1周するコースである。1コーナーまでは300m以上あり、最後の直線も470mほどある非常にゆったりとしたレイアウトだ。いかにも大レース向きのコースのように思えるが、重賞は神戸新聞杯のみでオープンクラスのレースも現在はない(以前は大阪-ハンブルクCがあった)。そのためオープンクラスでの傾向をつかむことが困難だが、前述のコース特徴から基本的には東京の芝2400mや2500mに近いと考えている。

実際2015年から2017年にかけて、3年連続でアザレア賞(阪神芝2400m)勝ち馬が青葉賞を制しており、裏付けは薄いが一定のリンクはありそう。開幕週で高速馬場濃厚ならなおさら東京とのリンクが強まるとみて予想したい。


前走内容が優秀ヒートオンビート

以上を踏まえて本命はヒートオンビートとする。まず目黒記念の内容が非常に優秀だ。目黒記念は前半1000m通過が1.04.0という、重賞ではあり得ない程の超スローペース。にもかかわらず隊列が非常に縦長という特異なレースだったが、中団から上がり32.4の脚を使って2着。勝ち馬のウインキートスには届かなかったが、これを捉えるには最低でも32.1の脚を使わなければいけないので実質不可能だった。初の重賞挑戦&長距離輸送競馬だったことに加え、斤量も勝ち馬より3kg重い55kgを背負っていたことを踏まえれば、むしろウインキートスより評価できる内容。

データ面でも京都大賞典で相性の良い4歳馬であり、東京芝2500mや阪神芝2400mでの好成績からコース相性も問題ない。4歳馬のレベルについては不安だが、ウインキートスがオールカマーで2着だったことを考えれば、少なくともこの馬に関してなら能力は足りている。かなり微妙なメンツになったここなら確勝級と見て本命だ。

対抗はステイフーリッシュ。心房細動明けの前走はしぶとく伸びて5着。内が有利な馬場だったが大外枠からの好走で、まだ力が衰えていないことを示した。輸送競馬後の中1週は昨年と同じだが、昨年も成績を落としたように不安要素であり、勝ち切れないタイプでもあることから対抗評価にとどめる。

3番手はキセキ。相変わらずつかみどころのない馬だが、実力自体は十分上位。ただ、今春の金鯱賞やクイーンエリザベス2世C、宝塚記念を見る限り、流石に衰えがあるように見える。5着以内には来そうだが勝ち切ることはほぼ無いとみて3番手評価。

4番手にディアマンミノル。2走前の函館記念が強い内容で、4角でとてつもなく外を回したが4着まで追い込んできた。阪神芝2400mでの勝鞍もありコース相性は問題なさそう。クラシック出走組の4歳馬で成長しているか微妙なところだが、あまり人気しないなら相手に入れておく。

5番手にアイアンバローズ。連勝中の勢いは魅力的で、特に2走前の白鷺特別は今回と同舞台だったが、後続を突き放す完勝でコース適性は抜群。ここにきて急激に成長してきた4歳馬だが、前走の辛勝は正直不満が残る内容なので今回は5番手にとどめる。

大穴ではムイトオブリガード。前走はあまりにスローペース過ぎた上に位置取りがやや後ろになってしまったのでどうにもならなかった。阪神外回りの開幕週は合いそうなので一発に期待したい。

アリストテレスはAJCC勝利以降、内容の悪いレースが続いている。また古馬になってからスピードが足りなくなってきているように見え、阪神芝2400mが合っている感じはしない。フレッシュな状態で臨めるのは歓迎だが、人気も考慮して今回は印を回さないこととする。3連系の馬券を買うならヒモとして入れておくくらいが妥当か。

買い目については、色々印を打ったもののとにかく◎ヒートオンビートの単勝に厚く勝負したい。かなり本命には自信があるので、その他の馬券も単系で狙っていきたい。(文:川崎)

▽京都大賞典予想印▽
◎ヒートオンビート
◯ステイフーリッシュ
▲キセキ
△ディアマンミノル
×アイアンバローズ
☆ムイトオブリガード

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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