【京都大賞典】「高速決着」「直線一気は厳しい馬場」 相手強化もコース実績あるアイアンバローズに注目

三木俊幸

2021年京都大賞典出走馬の馬場適性,ⒸSPAIA

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今年はエアレーション作業が追加

今年は阪神競馬場を舞台に争われる京都大賞典(GⅡ・芝2400m)。昨年の菊花賞2着馬でAJCCを勝利しているアリストテレスや約4年ぶりの勝利を目指すキセキなどジャパンC、有馬記念を目指す馬たちが顔を揃えた。

昨年よりもさらに1カ月早い開幕となる10月の阪神開催はどのような馬場で行われるのだろうか、出走各馬の馬場適性とともにレースを占っていく。

JRAの発表によると、4回阪神開催は野芝に洋芝(イタリアンライグラス)をオーバーシードした状態で施行。Bコース使用となった3回阪神開催前にはAコース部分約5100平方メートル、開催終了後にBコース部分を中心に約15100平方メートルの芝張替が実施された。良好な状態でレースを迎えられる。

昨年秋の5回阪神開幕週は、ファンタジーSでレコードタイムがマークされるなど、全体的に時計が速い高速馬場。脚質面では芝コースで行われた12レース中11レースの勝ち馬が4角4番手以内と先行馬の活躍が目立った。今週末にかけても晴天に恵まれる見込みで馬場悪化の心配はないだろう。

昨年はシャタリング作業だけだったのに対して今年はエアレーション作業も実施されていることから、若干差し馬の台頭が増える可能性はあるが、基本的には4角通過時点では前を射程圏に入れられるポジションに押し上げていないと厳しそうだ。

好タイムで連勝

京都コースとは違い阪神コースは最後に坂が待ち受けており、各馬は2度登らなければならない。ペースが速くなれば最後に脚色が鈍ることもあり得るが、今年の出走メンバーを見渡すと逃げ候補はベレヌスとダンビュライトの2頭だけ。極端なハイペースにはならないと考える。

注目馬としてピックアップするのは以下の5頭。特に注目したい馬には馬名の前に☆をつけている。

2021年京都大賞典出走馬の馬場適性チャート,ⒸSPAIA


【アリストテレス】
今回と同じデムーロ騎手が騎乗した6走前の小牧特別では、向正面から進出を開始し2:11.9という好タイムで押し切り勝ちしている。近3戦は結果を残せなかったが、夏休みを挟んでリフレッシュ。当時と同じような高速馬場で、ある程度先行する形を取ることができれば巻き返しは可能。

【☆ヒートオンビート】
前走の目黒記念は前残りの決着となり及ばず2着という結果に終わったが、4、5番手から上がり最速の32.4を使った。今回もペースは比較的落ち着きそうなので、中団より前目につけられる競馬になれば展開が向きそうだが、前回戸崎圭太騎手が騎乗した際は直線一気の形だった。能力上位で勢いもあるものの、同様のレースになってしまうと差し届かずというケースもありえる。

【キセキ】
近3走は掲示板には乗っているものの、馬券圏内には届かずという内容。ズブさが増しているので理想は時計のかかるタフな馬場だが、距離延長で相手関係は楽になる。先行して他の有力馬より早く動く展開に持ち込めば3着内への好走があっても不思議ではない。和田竜二騎手とも手が合いそうで、押さえは必要だろう。

【ステイフーリッシュ】
心房細動明けの前走は3角から手が動き始める競馬で5着だったが、2着とは0.1秒差と僅差だった。先行力があり、時計が速い馬場も苦にしない。ここでも堅実に走ってきそうだ。

【☆アイアンバローズ】
前走の緑風Sは2:24.2、2走前の白鷺特別は2:24.8と好タイムで連勝してきている。相手はさらに強化されるが、後続に0.9秒差をつける強い内容だった2走前と同じ舞台に戻る点は歓迎。先行力があり、速い上がりにもある程度対応できる。好走条件は揃っており、互角に戦えると見た。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとして記事を執筆している。

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