【毎日王冠】上位人気馬に死角なし? ハイブリッド式消去法で唯一浮上した「人気薄」の激走候補とは

八木遊

過去10年の毎日王冠 『6歳以上』かつ『前走4着以下』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『スプリンターズS』は本命メイケイエール、対抗クリノガウディー、そして3番手にレシステンシアを指名した。しかし、1着ピクシーナイトと3着シヴァージを4つ目のデータで消去していたため、的中とはならず。秋のGⅠシリーズは“黒星”スタートとなった。

今週は10日(日)に東京競馬場で開催される『毎日王冠』。過去10年(11~20年)のデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を順番に消していく。

『6歳以上』×『前走4着以下』★3.3%★

まず取り上げるのは年齢別データ。過去10年で6歳以上の馬は【1-3-2-40】(複勝率13.0%)と苦戦している。中でも前走4着以下からの参戦は【0-0-1-29】(同3.3%)と、3着が1度あるだけ。高齢馬は前走で馬券圏内に好走していないと厳しそうだ。

今年このデータに当てはまったのは昨年2着のダイワキャグニーなど3頭。いずれも前走で勝ち馬から1秒以上の差をつけられての敗戦を喫していて、巻き返しはかなわないとみる。

【今年の該当馬】
・カデナ
・サンレイポケット
・ダイワキャグニー

『前走から距離延長』×『前走0秒3差以上で負け』★3.8%★

2つ目は距離変動別データを見ていこう。前走で1800m未満の距離を走っていた馬、つまり距離延長組は【2-5-2-37】(複勝率19.6%)とまずまず。しかし、その前走で1着馬から0秒3以上の差をつけられていると、【0-1-0-25】(同3.8%)と苦しくなる。2つ目はこのデータを採用する。

該当したのはケイデンスコールとダイワキャグニーの2頭。後者はすでに消去済みで、前者は今年春先までは重賞で3戦連続連対と好調だった。今回は4か月ぶりの休み明けとなるが、使われて調子を上げるタイプ。ここは消しでいいだろう。

【今年の該当馬】
・ケイデンスコール
・(ダイワキャグニー)

『前走から斤量減』×『前走から中13週以下』★3.8%★

3つ目は斤量の増減に着目した。前走から斤量が減っている馬は過去10年でのべ69頭いて、【6-4-2-57】(複勝率17.4%)。好走パターンは前走からある程度の間隔を取ってここに臨む馬だ。中14週以上なら【5-4-2-32】(同25.6%)という好成績だった一方、中13週以下は【1-0-0-25】(同3.8%)と好走率は大きく下がる。

今年このデータに当てはまったのはトーラスジェミニとヴェロックス。5歳牡馬2頭をまとめて消去リストに加えることにする。

【今年の該当馬】
・トーラスジェミニ
・ヴェロックス

『SS系(ディープインパクト系を除く)』×『キャリア16戦以上』★4.2%★

4つ目は血統にかかわるデータ。今回はディープインパクト系を除く父サンデーサイレンス(SS)系に着目した。過去10年で該当馬は【4-2-4-31】(複勝率24.4%)と水準以上の複勝率を誇る。ただし好走しているのはキャリアが浅い馬。キャリア15戦以下は【4-2-3-8】(同52.9%)と馬券的には狙い目。一方、キャリア16戦以上だと【0-0-1-23】(同4.2%)と好走率はガクンと下がる。

今年このデータに当てはまったのは、ステイゴールド産駒のマイネルファンロン。前走新潟記念の追い込みは見事だったが、東京開幕週のGⅡで同じパフォーマンスは望み薄だ。

【今年の該当馬】
・マイネルファンロン

『非社台系生産』×『今回7番人気以下』★3.6%★

4つのデータを経て、13頭中6頭が残っている。最後は生産者別データと今回人気順の組み合わせで、絞り込みを図りたい。取り上げるのは非社台系の生産馬だ。東京芝1800mは、ノーザンファームを筆頭とした社台系の馬が最も得意とするコースの一つ。

実際に毎日王冠でも【8-7-6-57】(複勝率26.9%)という好成績を残している。一方、非社台系生産馬は【2-3-4-37】(同19.6%)。特に当日の人気が7番人気以下の伏兵となると、【0-1-0-27】(同3.6%)であまり多くは望めない。

最後にこのデータを採用するが、当日の人気順次第なので、発走ぎりぎりまでオッズを確認する必要がある。残った6頭のうち非社台系生産馬はカイザーミノル、シュネルマイスター、ダノンキングリーの3頭。シュネルマイスターはドイツのノーザンファーム生産馬ということだが、ダノンキングリーと併せて7番人気以下になる可能性はゼロ。どちらにも印は回すことになりそうだ。

【今年の該当候補】
・カイザーミノル
・シュネルマイスター
・ダノンキングリー

5つの消去データを終えて、確実に残るのはポタジェ、ラストドラフト、ヴァンドギャルドの3頭。これにシュネルマイスターとダノンキングリーを加えた5頭で勝負することになるだろう。

ラストドラフト以外は上位人気が予想される実力馬が残っており、久々の的中は目の前。最終追い切りと当日の気配を見て、3連単フォーメーションで攻めてみたい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(10月3日時点の回収率は32.1%)。

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