【スプリンターズS】過去10年で差し馬が9勝! 馬体重の「増減」にも注目

佐藤永記

スプリンターズS当日馬体重増減別成績,ⒸSPAIA

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直近10年で勝ち馬は圧倒的に差し・追込勢

かつては有馬記念前だったスプリンターズSも今は秋のG1戦線緒戦。もう10月になってG1シーズンとなり、その緒戦がやってきた。競馬界はさらに盛り上がっていくところだが、残念なことに筆者は競馬場には行けそうにない。ライター業をしているといっても取材も電話やZoomなど、ほとんど外に出ることがなくなってもう2年がたつ。競馬場も同様に2年間まったく行っていない。もうレースがどんなものだったか忘れてしまいそうだ。

スプリンターズS過去10年脚質別成績,ⒸSPAIA


思い出そう。短距離のG1ではあるが、中山で行われるがゆえ、最後の急坂で順位の逆転が見込めるコースである。過去10年で勝ち馬は全て差しか追込馬。さらに挙げれば差し馬は過去10年で【9-4-4-48】と9勝している。

2着3着には逃げ先行馬もいたりするが、原則的に一番強い差し馬を狙い撃つレースなので、アタマは差し馬から選ばなければならないだろう。3連単や馬単でフォーメーションを組むときには注意したい点だ。

短距離は重い馬でもOK!さらに馬体の増減に注目

もう一つ、気になるデータがある。それは馬体重だ。長距離馬には小柄な馬も多いが、短距離馬はある程度の馬体重が必要とされる。スプリンターズSでもそれは例外ではなく、460kgを下回ると成績は【0-1-3-21】と厳しくなっている。

スプリンターズS過去10年当日馬体重別成績,ⒸSPAIA
スプリンターズS過去10年当日馬体重増減別成績,ⒸSPAIA


さらに馬体重に着目すると、前走から馬体が大幅に増減した馬たちが案外活躍しているのである。まずは-10kg以上と減った馬の成績が【0-3-2-11】。勝ち馬はいないが複勝率31.3%はさすがに見逃せない数字だ。さらに、複勝回収率は231%まで跳ね上がり、平均人気も10.2番人気だ。

この複勝馬券に絡んだ5頭は全て当日馬体重が460kg以上で、10kg以上減らしていても元が大きい馬であれば世間の評価以上に走る、ということであろう。また、もう一つは5頭とも先行馬であったこと。道中6番手以内で複勝圏内突入を果たしている。

・当日馬体重が460kg以上
・10kg以上減
・先行馬

上記条件であれば、人気が低くても複勝は持っておきたい馬ということになる。近4年では10kg以上減っている馬は大敗しているが、ことごとく差し、追込馬だった。

もう一つ気になるのが10kg以上「増」のほうである。成績は【1-1-0-4】。対象は少ないが成績は上々で、しかも勝った1頭は昨年の1番人気で+12kgだったグランアレグリア。2着だった1頭は2014年に2番人気で+10kgだったストレイトガールである。着外4頭の内訳も2頭が4着でいずれも先行馬。他は6着が1頭で、残る1頭は一昨年海外から来たラッキーバブルスの競走中止と、無視してもいい。

つまり、人気馬だったら馬体の大幅増は気にするな。ということ。むしろムキムキになって、豪快な脚を繰り出してくるのが短距離馬というもの。秋緒戦のスプリンターズS、急加速に馬券を買う側も置いていかれないように頑張っていこう。

スプリンターズS当日馬体重増減別成績,ⒸSPAIA


<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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