【スプリンターズS】上位人気馬で決まり!? 予想の注目ポイントは「乗り替わり」かどうか

高橋楓

スプリンターズS乗り替わり有無別成績,ⒸSPAIA

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「ステップレース」と「乗り替わり」に要注意!

まだスプリンターズステークスが有馬記念の前週に行われていた1998年。世の中の注目は1頭の名馬の引退レースという点に注がれていた。単勝オッズは1.1倍という圧倒的な支持。そう、「タイキシャトル」である。

そんな中、私の本命は大好きだった「マイネルラヴ」。当時はまだ学生で、競馬ファンが集まってワイワイ検討会をして担任に教えるという遊びだったので、そこにいた誰も馬券は買っていない。デビュー戦で藤田伸二騎手を背に単勝1.1倍に応えると、百日草特別では単勝1.2倍で快勝。私は来年のNHKマイルカップはこの馬で決まりだと吹いていた。

年が明けると京成杯では単勝1.2倍で5着、スワンSでは単勝1.8倍ながら7着に沈み、スプリンターズS本番では完全に穴馬扱い。それでも私はこの馬のポテンシャルを信じて疑っておらず、ただ一人マイネルラヴを本命にし、そして笑われた。

結果はご存じの通りまさかの1着。後に知ったのだが、担任の子供のクリスマスプレゼントは豪華になり、奥様に指輪までプレゼントしていた。ちなみに私の通知表に影響があったのかは今でも謎のままである。

過去10年前走レース別成績,ⒸSPAIA


2014年は新潟競馬場での開催だが、まずはそれを含めた近10年間でステップレースの傾向を見ていこう。

セントウルS[5-4-3-46]
キーンランドC[2-1-5-34]
安田記念[2-1-0-6]
CBC賞[1-0-0-2]
北九州記念[0-1-1-14]
高松宮記念[0-1-0-0]
ヴィクトリアマイル[0-1-0-1]
函館スプリントS[0-1-0-5]

セントウルSはもともと阪神競馬場で行われていた。現在は京都競馬場改修の関係で中京競馬場にて行われているが、本番へ直結する重要なステップレースには変わりない。昨年もこのレースから転戦してきたダノンスマッシュ(2着)ミスターメロディ(4着)クリノガウディー(5着)が掲示板に入ってきている。

特に勝ち馬は[2-2-1-4]と本番でも5頭が馬券に絡んでいるだけに、今年はレシステンシアから目が離せない。


過去10年乗り替わり有無での成績,ⒸSPAIA


そして、ステップレース以上に気にしておきたいのは「乗り替わりの有無」である。短距離戦という事もあり、やはりリズムを掴むのに時間がかかるようでは本番では通用しにくい。近10年間でも乗り替わりが「有り」の場合[1-2-7-62]。勝ち馬はグランアレグリアただ1頭。乗り替わりと言っても、もともと主戦騎手のC.ルメール騎手に手が戻っただけである。

半面、乗り替わり「無し」の継続騎乗の場合[9-8-3-68]と圧倒的な数字となっている。ただし、乗り替わりがあった場合も、過去の傾向が示す通り3着までは確率が十分にあるので、3連系の馬券を買う場合には注意が必要だ。

中山スプリント巧者を探せ!「戸崎圭太&ルメール騎手」と「ダイワメジャー産駒」に要注目!

中山芝1200m限定騎手リーディングランキング,ⒸSPAIA


2014年に中山競馬場は路盤改修工事が行われた。最終コーナーをはじめ水捌け対策が施された事により、馬場が良好な状態でキープされ、よりスピードが重要になってきている。そこで改修明けの2014年12月から2021年9月24日までに行われた中山競馬場の芝1200m戦、計246レースにスポットをあてランキング化してみた。まずは騎手ランキングを紹介していく。

第1位タイ 戸崎圭太騎手[15-19-13-80]
第1位タイ C.ルメール騎手[15-3-6-24]
第3位 M.デムーロ騎手[14-2-3-21]
第4位 田辺裕信騎手[13-11-13-87]
第5位タイ 横山典弘騎手[11-11-7-53]
第5位タイ 石橋脩騎手[11-5-9-58]

勝ち星1位は「戸崎圭太騎手」と「C.ルメール騎手」が15勝で並んでいる。戸崎騎手は騎乗回数も多いなかで複勝率が37.0%あり軽視できない存在だ。

そしてルメール騎手はやはりどの条件でも上位に顔を連ね、勝率31.3%、連対率37.5%、複勝率50.0%とハイアベレージをマークしている。想定の段階で戸崎騎手はアウィルアウェイ、ルメール騎手はレシステンシアに騎乗予定だ。

中山芝1200m限定種牡馬リーディングランキング,ⒸSPAIA


次に種牡馬ランキング。こちらも馬場改修後の246レースに限定している。

第1位 ダイワメジャー産駒[23-26-15-154]
第2位 アドマイヤムーン産駒[12-15-13-75]
第3位 ロードカナロア産駒[9-6-8-54]
第4位タイ キンシャサノキセキ産駒[8-14-11-108]
第4位タイ ディープインパクト産駒[8-1-3-62]

断トツの成績を残したのは「ダイワメジャー産駒」で勝率10.6%、連対率22.5%、複勝率29.4%と安定した成績を残している。出走回数が多いとはいえ勝ち星は2位以下を突き放す圧倒的な数字だ。そして、第3位にはロードカナロア産駒がランクインした。

こちらは出走回数が77回しかないが、勝率11.7%、連対率19.5%、複勝率29.9%とダイワメジャー産駒とほぼ同等の数字をあげている。やはり、この2頭の産駒からは目が離せない。

「レシステンシア」VS「ダノンスマッシュ」には逆らえない!?3着は穴馬に注意が必要!

本命は「レシステンシア」を指名する。阪神JFでウオッカが記録した2歳コースレコードを上回るタイムで優勝した事もあり、クラシックシーズンはマイルばかり使われあと一歩の競馬が続いていた。

しかし距離短縮の阪急杯では目の覚めるようなレコードで勝利、そして高松宮記念ではダノンスマッシュのクビ差2着。マイルに戻ったヴィクトリアマイルの走りを見ると、成長した現在の本質はスプリンターと見て相違ないだろう。「セントウルS組」×「C.ルメール騎手騎乗」×「ダイワメジャー産駒」、そして今年の充実ぶりを見ると本命にせざるを得ない。

対抗はファストフォースだ。レコード勝ちしたCBC賞では斤量が52kg、ヨカヨカの2着だった前走の北九州記念では55kg、そして今回は57kgと決して楽な条件ではない。しかし今年に入ってからの充実度は決して侮れない。父ロードカナロア×母父サクラバクシンオーという事を考えてもこの条件は合うだろう。

▲でダノンスマッシュ。乗り替わりにはなるが主戦の川田騎手に戻る事を考えれば問題は無いだろう。鉄砲では[4-0-0-1]と実績は十分だが、5か月半の長期休養明けという点は気になる。今年の高松宮記念の勝馬なだけに軽視はできないが、どうだろうか。以下、今年重賞で馬券圏内に健闘しているビアンフェと復調気配のクリノガウディーまで印を回しておきたい。

◎レシステンシア
◯ファストフォース
▲ダノンスマッシュ
△ビアンフェ
×クリノガウディー

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレース、競輪の記事を中心に執筆している。

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