【神戸新聞杯】日本ダービー組が中心!穴は重賞組よりリステッド勝ち馬 参考レース分析からの注目馬は?

坂上明大

2021年神戸新聞杯の参考レース,ⒸSPAIA

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「重賞連勝もレベルに疑問!?」

1~3着馬に菊花賞の優先出走権が与えられる神戸新聞杯。昨年と同様に中京芝2200mで行われ、例年以上に末脚の持続力が求められる前哨戦となるだろう。また、成長が速い時期でもあり、実績馬は余裕残しで臨む可能性も高い。春の成績を整理しつつ、状態面にも注意を払う必要がある。

【青葉賞】
東京競馬場らしい綺麗な馬場状態で時計は速め。内外の馬場差は感じられなかったが、末脚の利くトラックバイアスは東京芝らしいか。レースは1角までノースブリッジとタガノカイが競り合ってテンは速め。ただ、600~1600mは63.1秒まで緩んでおり、それほど厳しい流れだったわけではない。位置取りによる有利不利はなしと評価する。

1着馬ワンダフルタウンは先頭集団からやや離れた中団馬群の先頭から。ゴール前は内から伸びる2着馬キングストンボーイとの叩き合いを制して重賞連勝を果たした。両馬ともに日本ダービーを見据えた仕上げであり、3着以下には力差を見せつけた形。ただ、道中を非常にスムーズに運んだ点、2016年以降で最も遅い勝ち時計である点を考慮すると皐月賞組に劣る内容ではあったか。

「全兄アルアイン以上の瞬発力」

2021年神戸新聞杯の参考レース,ⒸSPAIA


【日本ダービー】
例年とは異なる馬場状態が続き、Cコースに替わった当週も内有利にはならず。むしろ、一日通して外目が伸びており、長い直線を活かした外差しが決まりやすいトラックバイアスであった。レースはバスラットレオンがハナを切り、タイトルホルダーが2番手。前半1000m60.3秒、1000~1400m25.2秒とペースは緩く、後半1000mは57.0秒という高い終盤力が求められる展開となった。

1着馬シャフリヤールは福永騎手のエスコートのもと道中のロスを最小限に抑え、ゴール直前でエフフォーリアを差し切った。ラスト5Fは11.8-11.3-11.3-11.0-11.1程度と高速ラップを4F計時。マイラーチックな末脚ではあるが、スピードの持続力には素晴らしいものがある。全兄アルアインほど先行力や馬力はないが、瞬発力は本馬が数段上だろう。

3着馬ステラヴェローチェは後方待機から大外を回ってゴール直前で3着に。Height of Fashion≒Burghclereの3×4由来の底力が最大の持ち味であることは間違いないが、水準以上の瞬発力も兼備。成長力にも期待が持て、秋以降が楽しみになる好走であった。

10着馬ワンダフルタウンは直線勝負で伸び負け。瞬発力勝負は分が悪いことも事実だが、青葉賞の走破時計からもやや力差を感じる内容であったか。

11着馬レッドジェネシスは上がり3F5位の末脚を使ったが、後方ポツンからのイン差しだけに高い評価は与えられない。母母父Sadler's Wellsの影響が強い馬。上がりがかかる競馬がベターだ。

「好時計での快勝」

【白百合S】
セファーラジエルが1.59.6の好時計で4馬身差の快勝。時計の出やすい馬場状態ではあったが、3歳6月までの中京芝2000mで最速の走破時計には高い評価を与えたい。Damascusの4×4が特徴のパワースピード型。瞬発力勝負では歯が立たないため、積極策で消耗戦に持ち込みたい。

「ダービー組が中心」

今年のクラシック路線はレベルが高く、ここも日本ダービー組が中心だろう。特にステラヴェローチェには成長力を感じるため、春からのパワーアップに期待したい。穴は青葉賞&京都新聞杯組よりも白百合Sを好時計で快勝したセファーラジエルに注目。消耗戦に持ち込めば楽しみはある。

注目馬:シャフリヤール、ステラヴェローチェ、セファーラジエル

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。


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