【セントウルS】3歳馬活躍の流れに乗れ 京大競馬研の本命はCBC賞2着のピクシーナイト

京都大学競馬研究会

セントウルSインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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中京の鬼、福永騎手

9月12日(日)に中京競馬場でセントウルS(GⅡ)が行われる。高松宮記念2着のレシステンシアを筆頭に、昨年のNHKマイルカップを勝ったラウダシオンや重賞2勝のレッドアンシェルなどの実績馬が出走予定。これに3歳馬ピクシーナイトやシゲルピンクルビーが挑む構図となっている。

夏のスプリント戦線ではヨカヨカやレイハリアなどが古馬重賞でも活躍した。秋競馬最初の重賞で3歳馬たちはこの流れに乗ることが出来るのか、見逃せない一戦だ。データをしっかり読み込んで馬券的にも夏の負けを払拭するような的中をつかみたい。


過去10年中京芝1200m騎手別成績,ⒸSPAIA


まずはセントウルSに騎乗予定かつ当該コースで3勝以上している騎手を中心に、過去10年の中京芝1200m戦における成績を調べた。勝利数や勝率、連対率、複勝率全ての項目でダントツの成績を誇っているのが福永祐一騎手で【22-7-8-32】、単勝回収率は155%、複勝回収率も101%と非常に優秀だ。騎手の実力から人気薄になることが少ないという側面はあるものの、5番人気以内の馬に絞ると【22-6-7-22】と成績はさらに向上する。クラスの上下を問わず人気馬をきっちり走らせる傾向にあり、今年もシヴァージでシルクロードSを勝ち、高松宮記念ではインディチャンプを3着に持ってくるなど好調。必ずおさえておきたい。

その他成績上位の騎手を紹介すると幸英明騎手が【8-8-8-69】、浜中俊騎手が【8-6-5-28】となっている。特に浜中騎手については複勝率40.4%、単勝回収率129%、複勝回収率は112%と福永騎手に劣らずなかなか優秀。昨年の同レースでメイショウグロッケを2着に持ってきたのは記憶に新しい。

レシステンシアに騎乗するルメール騎手は【4-3-5-16】。複勝率は42.9%と良い部類に入るが単勝回収率は62%と低め。1番人気だけ見ても【2-0-3-6】と微妙で、1倍台であっても取りこぼしが多い。過剰人気になることもあるため数値ほどの信頼は置けない。


セントウルSインフォグラフィック,ⒸSPAIA

堅実なロードカナロア産駒。ダイワメジャー産駒は中京苦手?

過去10年中京芝1200m種牡馬別成績,ⒸSPAIA


次に過去10年の中京芝1200mにおける種牡馬成績。当該コースで1勝以上あげている種牡馬を中心に調べた。リーディング上位のディープインパクトが【15-20-5-91】、ロードカナロアが【15-5-7-41】とここでも堅実。特にロードカナロアは今年の葵Sでレイハリアが大穴をあけるなど単勝回収率が215%もあるため、広くおさえておきたい。

一方で出走数の多さに比して勝ちきれないのがダイワメジャー産駒。【8-7-12-134】と頭数を出しながらロードカナロアに大きく水を空けられている。先行してしぶとく複勝回収率は103%あるのだが、直線が長めの中京では最後にロードカナロアやディープインパクト産駒の切れに屈することが多く単勝回収率はわずかに23%しかない。買うなら複勝までか。

サンプル数の少ないところではモーリス産駒が【2-0-0-5】。単勝10倍未満の馬が3戦2勝で、実力があれば中京コースがマイナスになることは無いと判断した。興味深いデータとしてはゴールドアリュール産駒。【1-2-0-18】と成績に特筆する点は無いが、この3連対は全て今回出走するナランフレグによるもの。流石に今回は開幕週で展開に恵まれない可能性が高いため見送るが、今後中京の馬場が荒れてきた頃に買ってみたい馬だ。

またリアルインパクト産駒とタートルボウル産駒はこのコースで連対が無く、ジャンダルムが該当するKitten's Joy産駒は出走経験すら無かった。


不振データを覆した前走は高い能力の証明

◎ピクシーナイト
前走CBC賞は中団から伸びて2着。ゲートを出た直後は折り合いを欠くシーンもあり、距離短縮に戸惑いながらも結果を出しているので、スプリントのペースに慣れたらさらに前進が見込めるだろう。先述のように福永騎手が中京芝1200mを滅法得意にしているのもプラス。CBC賞の際はマイナスデータが多く低い評価をしたが、それらをはねのけた実力はここでも確実に通用する。またこのレースを優勝することでサマースプリントシリーズの逆転優勝が叶うため、本気度も高い。鉄板。

◯クリノガウディー
近2走の内容が優秀。特に2走前が追込みの届く展開を先行して1分7秒1で走破し、前走も1400mをレシステンシアの持ち時計と同じ1分19秒2で駆け抜け、中京への高い適性を再確認できた。同様の走りが出来ればここでも突き抜けるが、負ける時は派手に負けるため、単勝馬券で楽しむか全く買わないかの二択をおすすめする。

▲レシステンシア
同舞台の高松宮記念は2着。阪急杯を1分19秒2で逃げ切るなどハイペースで逃がしたら止まらないのは確かだが、高松宮記念で勝ちきれなかったのは先述のようにダイワメジャー産駒がこのコースを苦手にしている面があるからだろうか。今回は叩きの側面が強く勝ちきるとなると怪しい。

△ジャンダルム
前走は前残りで展開向かず。最後は良く伸びて悲観する内容ではないのだが、前走同様の乗り方だと開幕週で展開向かない可能性も。2走前のように先行したい。

以下相手なりのカレンモエ、スプリント慣れ見込めるタイセイビジョン、中京巧者のメイショウチタンまで印を打つ。3歳優勢のビッグウェーブに乗るしかない。

2021セントウルS 予想印
◎ピクシーナイト
◯クリノガウディー
▲レシステンシア
△ジャンダルム
×カレンモエ
×タイセイビジョン
×メイショウチタン

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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