【セントウルS】狙うなら距離短縮組! レシステンシア、ラウダシオン、大穴候補は?

勝木淳

2021年セントウルSに関するデータ,ⒸSPAIA

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4枠最強説

サマースプリントシリーズ最終戦のセントウルS、今年の舞台は昨年と同じ中京芝1200m。秋の開幕と耳にすると、つい阪神と反射的に浮かんでしまうが、今年も秋は中京からはじまる。引き続き、間違わないようにしたい。

なお昨年の1、3着は安田記念以来のダノンスマッシュ、ミスターメロディ、2着は関屋記念8着から巻き返した12番人気メイショウグロッケとサマースプリントシリーズ組ではなく、距離短縮組が上位を独占した。さて今年はどうだろうか。ここでは中京改修後、芝1200m、3歳以上、3勝クラス以上20レース分のデータをもとに分析を進める。


中京改修後同条件人気別成績,ⒸSPAIA


まずは馬券の肝になる傾向、人気別成績をみる。1番人気【6-2-1-11】勝率30%、複勝率45%、2番人気【4-3-3-10】勝率20%、複勝率50%、3番人気【4-4-2-10】勝率20%、複勝率50%で上位人気はほぼ互角。4番人気以下は7勝なので、アタマはそれなりに堅実といえる。複勝率では7番人気35%が目立つ。連下はある程度視野を広くしたいところ。ともあれ、上位人気はイメージ以上に信頼していい。


中京改修後同条件年齢別成績,ⒸSPAIA


ピクシーナイト、シゲルピンクルビーなどサマースプリントシリーズから活躍する3歳馬の参戦があるが、3歳は【3-2-0-38】勝率7.0%、複勝率11.6%と芳しくない。3歳以上のレースは6~12月、この期間に上級条件に出走する3歳馬が少ないという事情もある。なお好走5頭のうち4頭は3勝クラスでの記録だ。ここは相手も強い。

主力はやはり4歳【8-7-4-49】勝率11.8%、複勝率27.9%、5歳【7-5-11-69】勝率7.6%、複勝率25%。優勢は4歳で5歳はやや勝ちきれない。レシステンシアなど4歳勢を上位に、5歳カレンモエ、クリノガウディーらを相手候補に組み立てたい。


中京改修後同条件枠別成績,ⒸSPAIA


中京芝1200mは枠番の有利不利が少ないコースだと思いがちだが、意外な結果が出た。真ん中の4枠が【6-5-2-25】勝率15.8%、複勝率34.2%と抜群。ほかは勝率6%未満なので、やたらに目立つ。


中京改修後同条件枠別成績(フルゲート),ⒸSPAIA


これをフルゲート18頭立て(11レース)に絞ると、さらに4枠の数値は上昇する。【5-3-0-13】勝率23.8%、複勝率38.1%と半数近くを勝ち、ほかの枠とはまったく違う数字が並ぶ。昨年は17頭立てだったが、3着には4枠ミスターメロディが入った。今年も登録数を見る限り、フルゲートが予想される。上位人気馬が4枠に入れば、自信はさらに深まる。


狙いは前走マイル戦出走馬

昨年のセントウルSは距離短縮馬が上位を独占。ここでは前走距離に注目してみる。


中京改修後同条件前走距離成績,ⒸSPAIA


改修後に急坂が設置されたことで、芝1200mはタフになった。前走が1200mより短いと【0-0-1-11】複勝率8.3%、1200mだと【11-11-15-171】勝率5.3%、複勝率17.8%なので、短距離っぽい戦歴はイマイチ。1200mより長い距離だった馬は【10-8-4-59】勝率12.3%、複勝率27.2%と確率も高く、勝ちきる傾向。

今年のメンバーではレシステンシア、クリノガウディー、ラウダシオンなどが該当する。かたやカレンモエ、ピクシーナイトなどサマースプリントシリーズ組も多く、ここは興味深い。


中京改修後同条件距離短縮組前走距離別成績,ⒸSPAIA


短縮組の候補は多いので、少し整理したい。距離短縮組の前走距離別成績を出すと、1400m【7-5-3-67】勝率8.5%、複勝率18.3%、1600m【3-2-1-22】勝率10.7%、複勝率21.4%。昨年の上位馬と同じく1600mから一気に距離を縮めてくる馬の成績がいい。レシステンシア、ラウダシオンといった実績上位馬のほかに関屋記念16着ベストアクターが該当する。堅調な傾向のコースだが、すこし期待したくなる。


中京改修後同条件距離短縮組前走脚質別成績,ⒸSPAIA


最後に短縮組の前走での位置取りについて。複勝率ベースでは先行【3-4-3-22】勝率9.4%、複勝率31.3%がいい。レシステンシア、クリノガウディー、ラウダシオンはこれに当てはまる。ベストアクターの中団は【4-2-0-33】勝率10.3%、複勝率15.4%と勝率がいい。長い距離である程度流れに乗れるスピードは必要になりそうだ。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース公式コメンテーターを務める。共著『競馬 伝説の名勝負 1990-1994 90年代前半戦』(星海社新書)


セントウルSインフォグラフィック2,ⒸSPAIA



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